Rely on

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recall

16-1

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 十二分に暖められた部屋で、退屈な本を読む。手持ち無沙汰の毎日だが、寝台で過ごすのが癖になってしまい、居間に行く気にもなれなかった。

「……なぁ、お前さ、もう嫌じゃないの」

 PCに映し出された文字を追いながら、昇良が訊ねる。

「何が?」
「俺とやるの」
「真昼間からなんてこと聞くの」

 昇良は、寧ろ何でそんなことを聞くんだと言わんばかりの顔で向き直った。

 そうだ、彼の中で性行為とは、頓服薬のようなものだった。薬の話をしているんだから、朝も昼も夜も、時間帯など関係ないのだ。

「……言いたくない、恥ずかしい」

 本音を言うわけにはいかず、精一杯言葉を濁す。
 ふーん、と相槌を打ったかと思えば、唐突に手を引かれ、そのまま唇が合わさった。

 彼とキスをしたのは、酔い潰れて正体をなくした時以来だ。その時の記憶があまり残っていない為、過剰に反応してしまう。
 同時に、人生で初めてのキスを加害者の男と、さらには酩酊状態でしたことを改めて思い知り、涙が出そうになる。

「はは、思春期かよ」
「だって……」
「やる時はキスしねぇもんな」
「……今までだってしたことなかったのに、なんで……ッん」

 もう一度口唇を塞がれ、ついに突き飛ばす。
 平常時にこのような行為をすると、五感がかえって仇となるらしい。

 無論、性行為に慣れたわけではないが、刺激される事によって頭が真っ白になる分、そちらの方がいくらかマシなのかもしれないとさえ思えた。
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