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recall
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十二分に暖められた部屋で、退屈な本を読む。手持ち無沙汰の毎日だが、寝台で過ごすのが癖になってしまい、居間に行く気にもなれなかった。
「……なぁ、お前さ、もう嫌じゃないの」
PCに映し出された文字を追いながら、昇良が訊ねる。
「何が?」
「俺とやるの」
「真昼間からなんてこと聞くの」
昇良は、寧ろ何でそんなことを聞くんだと言わんばかりの顔で向き直った。
そうだ、彼の中で性行為とは、頓服薬のようなものだった。薬の話をしているんだから、朝も昼も夜も、時間帯など関係ないのだ。
「……言いたくない、恥ずかしい」
本音を言うわけにはいかず、精一杯言葉を濁す。
ふーん、と相槌を打ったかと思えば、唐突に手を引かれ、そのまま唇が合わさった。
彼とキスをしたのは、酔い潰れて正体をなくした時以来だ。その時の記憶があまり残っていない為、過剰に反応してしまう。
同時に、人生で初めてのキスを加害者の男と、さらには酩酊状態でしたことを改めて思い知り、涙が出そうになる。
「はは、思春期かよ」
「だって……」
「やる時はキスしねぇもんな」
「……今までだってしたことなかったのに、なんで……ッん」
もう一度口唇を塞がれ、ついに突き飛ばす。
平常時にこのような行為をすると、五感がかえって仇となるらしい。
無論、性行為に慣れたわけではないが、刺激される事によって頭が真っ白になる分、そちらの方がいくらかマシなのかもしれないとさえ思えた。
「……なぁ、お前さ、もう嫌じゃないの」
PCに映し出された文字を追いながら、昇良が訊ねる。
「何が?」
「俺とやるの」
「真昼間からなんてこと聞くの」
昇良は、寧ろ何でそんなことを聞くんだと言わんばかりの顔で向き直った。
そうだ、彼の中で性行為とは、頓服薬のようなものだった。薬の話をしているんだから、朝も昼も夜も、時間帯など関係ないのだ。
「……言いたくない、恥ずかしい」
本音を言うわけにはいかず、精一杯言葉を濁す。
ふーん、と相槌を打ったかと思えば、唐突に手を引かれ、そのまま唇が合わさった。
彼とキスをしたのは、酔い潰れて正体をなくした時以来だ。その時の記憶があまり残っていない為、過剰に反応してしまう。
同時に、人生で初めてのキスを加害者の男と、さらには酩酊状態でしたことを改めて思い知り、涙が出そうになる。
「はは、思春期かよ」
「だって……」
「やる時はキスしねぇもんな」
「……今までだってしたことなかったのに、なんで……ッん」
もう一度口唇を塞がれ、ついに突き飛ばす。
平常時にこのような行為をすると、五感がかえって仇となるらしい。
無論、性行為に慣れたわけではないが、刺激される事によって頭が真っ白になる分、そちらの方がいくらかマシなのかもしれないとさえ思えた。
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