Rely on

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confusion

11-1

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「飲み物、コーヒーで良い?」

 寝室のドアから顔を出し、昇良が訊ねる。居間からは、心がホッと安らぐようなコーンスープの匂いが漂っていた。

 ――――あれから、昇良は一段と優しくなった。
 相変わらず奇妙ではあるが、事細かな配慮に加え、手酷い行為も終息したので、悪い気はしなかった。
 時差で頷き、我知らずと彼を呼び止める。

「あの、昇良さん……」
「呼び捨てで良いって。敬語も無しにして。……で、どうかした?」

 目が合って、ハッとなる。
 自分が言おうとした言葉に驚き、硬直する。あ、と口篭っていると、昇良が首を傾げた。

「何?」
「……すみません、何でもない……、です……」
「なんかあったら言えよ」

 バタン、とドアが閉まる。
 朔斗は蹲り、頭を抱えた。

 ついさっき生まれた違和感が、自己嫌悪へと変わってゆく。
 何度も、何度も自分に言い聞かせる。
 自分の人生を壊した人間に、『ありがとう』などと、言うべきではない、と。 
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