Rely on

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dore

9-2

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 ――――その時、勢いよく寝室のドアが開いた。
 驚きのあまり、硬直する。

 振り向いた先には、出勤したはずの昇良がいた。
 昇良が焦燥したまま、近付いてくる。慌てて窓枠を降りて、咄嗟に顔を庇う。

「……寒いだろ、窓閉めろ」

 そう言って、彼はぎこちなく窓に手を掛けた。明らかに狼狽している。初めて見る表情に、あんぐりとしてしまう。
 勢いよく窓を閉め、カーテンで光を遮断し、昇良は深い溜め息を吐いた。

「面倒事増やすな」

 苛立ちがひしひしと伝わってくる。
 ナイトテーブルの抽斗から数枚の錠剤シートを引き抜くと、彼は何も言わず出て行った。

 張り詰めていた緊張が一気に解け、全身の力が抜けた。

 僕には、自死すら許されないのか。

「はは……、もう、全部どうでもいい」

 自嘲的な語気とは裏腹に、瞳からは大粒の涙が溢れ出していた。


 
 カーテン越しに見える空が、鮮やかなオレンジ色に染まっている。どうやら、泣き疲れて窓辺で眠っていたらしい。

 再度窓枠に上ろうと手を掛けたが、身も心も疲弊していて、そこから先に踏み出せすことが出来ない。
 朔斗は体を翻し、おぼろげな足取りでキッチンに向かった。
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