Rely on

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alcohol

7-1

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 食卓を前に、朔斗は瞠目していた。
 状況を把握するのに時間が掛かり、席に座ることも出来ない。
 昇良に催促されて漸く着席するも、暫くの間固まってしまった。

 ――――ロールパンの横に、サラダと目玉焼きが置いてある。
 飲み物も、普段は水ばかりなのに今日は麦茶になっている。

 毒が仕込んであるんじゃないかと訝るが、もたもたしていると何をされるか分からないので、仕方なくロールパンを口に含む。

 恐る恐るサラダにも手をつける。久方振りに食べる野菜が、体内を潤してゆく。程好い塩加減の目玉焼きも、一ヶ月ぶりともなれば感動するほどに美味しい。
 恐怖と疑念、そして驚喜が鬩ぎ合い、感情が混沌とする。

「……仕事行ってくるから、食べ終わったら皿は机にそのままにしとけよ」
「は、はい」

 こちらには見向きもせずに、彼は業務用の鞄を持って家を出た。
 まるで人が変わったみたいだ。
 数日前から様子がおかしいことは明確なのだが、それ以外に分かる事が何もない。

 ごくりと息を呑む。
 どうやら人は、事態が唐突に好転すると、恐れを抱いてしまうらしい。



 昇良が帰宅した22時頃、唐突に呼び出しを受け、畏縮しつつも布団を出る。 

 奇妙だ。いつもは彼が寝室に来るのに、今日は居間に来いと言うなんて。

 様々な予測をするが、どれも拷問まがいのものばかりで、胃が痛くなる。
 竦みそうになる足で居間に辿り着くと、ソファーに座っていた昇良が手招きをした。

「隣、座れ。一緒に飲もうぜ」

 机には、数種類のワインボトルが整然と並べられていた。
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