Rely on -each other-

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affection

6-1

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 新幹線の中、ぼうっと窓外を眺める。次々と移り行く景色は非日常であるにも関わらず、何の刺激にもならない。目的もなく周囲を見渡せば、スマートフォンを弄ったり、会話に花を咲かせたり、本を読んだりする人が視界に入ってきた。
 ただ一人、自分だけが漫然と過ごしているように思えてくる。

 趣味も無ければ、暇潰しと呼べるものも持っていない。
 隣に昂良が居ないのは、何だかつまらない。

 朔斗は頬杖をつき、溜め息をついた。昂良が『俺も行きたい』と言った時、大人しく承諾していればよかったのかもしれない。
 しかし、今日の目的は美叶の墓参りだ。家族でも恋人でもない彼に同行させるのも、おかしな話だろう。

 昂良も、一人での休日を堪能しているのだろうか。自分と同じように、少しくらい寂しいと思っているのだろうか。

 そんなことを考えながら、朔斗は掃除道具と必要最低限の私物を抱いて、目を閉じた。




 墓地へと続くローカル列車に乗り換え、朔斗は一息ついた。年末の帰省ラッシュを終えた二月の車内は、元から閑散線区と言うこともあり、森閑とした空気に包まれている。
 唯一向かいの座席に座っている老女と目が合わぬように、努めて自然に視線を落とした。

 結局、年末年始は無為に過ぎていった。それらしい番組が流しっぱなしになっていたが、自身も、恐らく昂良も見ているようで見ていなかった。
 普段通りに家事をして、普段通りに食事をして、普段通りにセックスをした。

 今思えば、大晦日にセックスなんて、と思考する事もなく、行為は始まっていた。翌日の気怠い朝、スマートフォンに表示された日付を見て『今年もよろしく』と言う言葉が口をついて出てきた時は、我ながらおかしくて笑いそうになってしまった。

 今更、昂良はもっと“年末年始”を楽しみたかったのかもしれない、と考える。来年は今年よりももう少し――――。

 あぁ、おかしい。
 本当にずっと一緒に居るつもりなんだ。
 そんなこと、叶わない可能性の方がずっと高いのに。

 不意に、アナウンスが目的地に到着したことを知らせる。徐に電車を降りて、見慣れた駅に立つ。だが、心はどこか別の場所を彷徨っているようだ。

 最近ずっと同じことを考えてしまう。この思考回路は、きっと答えを見つけるまでは止まらない。それに気付いた瞬間、急に怖くなった。
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