Rely on -each other-

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nameless

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 昂良の息遣いが熱を帯び始める。数回目のキスに、もう躊躇いなどは無くなっていた。此処まで来たら、もう彼を止める事はできない。

 ――――初めから、そのつもりはさらさら無いのだが。

 諦めにも似た感情に浸りながら身を委ねていると、僅かに開いた唇の隙間を舌先が突いた。
 昂良の舌はゆっくりと唇を割り、歯茎の裏を撫で始める。柔らかい部分を丁寧に刺激され、僅かにくぐもった声が零れた。

「んっ……」

 濡れた唇が首筋へと滑る。血管に沿って舌先が這い、体が小さく震える。昂良は朔斗を抱き込んで強く首筋を吸った。

 身動きが取れないまま周辺に何度も同じ刺激を受け、汗が滲み出す。首元への愛撫から漸く解放された頃には、随分と息が上がっていた。

「気持ちいい?」
「……擽ったい」
「……んー、こっちは?」

 昂良との行為に休む暇は無い。間を置かずに胸の突起を甘噛みされて、思わず目を瞑る。
 だが、スウェットパンツに手が伸びてきた事ですぐに視界は引き戻された。

 呆気なく下着ごと脱がされ、無意識に脚を閉ざす。そんな朔斗を一瞥し、昂良は潤滑剤の蓋を歯に引っ掛けた。

 行為中に休暇があるとしたら、今くらいだろう。
 しかし、いくら明かりを消していても時間が経てば夜目が効いてくる。潤滑剤を纏った指がぬらりと艶めく様を見て、一息つけるわけがなかった。

 軽く左腿を持ち上げた昂良の指が、窄まりに触れる。何度も経験しているにも関わらず、そこに触れられると一瞬で全身が緊張する。

「……あっ」

 円を描くように潤滑油を塗り広げていた指が、遅々と内側に浸入する。

「ゥ、くっ……」
「朔斗、後ろだけは全然慣れないよな」
「うぅ……」

 硬い筋肉を撫で広げながら、指は丁寧に中を探る。浅い場所を擦られると形容し難いむず痒さに襲われ、巧まずして昂良の肩を抱いた。

 じっくりと解されているうちに開かれる痛みは無くなるのだが、それもまた羞恥心に拍車を掛ける要素となった。
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