僕だけ個別で異世界召喚

kamine

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一章

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  「ん.....ここは.......」
 ぼやけていた視界が徐々にはっきりする。
  僕は確か。ギースって言う赤髪のお兄さんと戦って........また僕気絶したんだ。ここまで来たら気絶することに運命を感じるよ....。あ、そんなことよりここはどこだろ。
 そう思った天音は周囲に目を向けた。白い天井にふかふかの白いベット、僕が寝ているふかふかのベットの周囲を白いカーテンが包囲しており薬品の匂いがただよう。
 うん、僕は保健室にいるっぽい?ん?
 自分が置かれている状況が理解したため少し余裕が出ると右腕に違和感があることに気がつく。
 んん???なんか、圧迫されてる感じが....。
 そう思い視線を右下の手に向ける。
 「えっ......だ、誰.....!?」
 美人の女の子がベットの横にある椅子に腰掛けベットに上半身を預け寝ながら天音の手を握っていた。
 この黒髪を肩の下まで伸ばした美少女は誰ですかっ!?てか、手!!
 慌てて天音が手を引き抜くと
  「い、いや、いやっ!!!!」
 そう言い起きた美少女が天音の手を再び繋いだ。
 えっ、な、なにっ??って...あれ?この女の子の顔見たことがある....???
  「ま、またいなくなっちゃう!」
 え、いなくなるって???
  黒髪を肩の下まで伸ばし少し茶色い目に涙を浮かべた美少女、目の前の人物に当てはまる者を記憶から探り出す。
 黒髪、この世界じゃほとんど見られない、日本....???そういえばこの学校に2年前ぐらいから勇者科があった。2年前って言えば僕達が召喚された時とかぶる。その中で目の前の美少女に似ているひと........つっ!!
  「ミ.....オ........」
 その名前を呼んだ瞬間目の前の女の子の目に溜まった涙がこぼれた。
  「あ、あまねっ......!!」
  そう言い澪が天音にのしかかる形で抱きついた。
  「ちょっ、えっ!?」
  「天音っ...!会いたかったっ.....!!会いたかったよっ!!!戻ってくるって言って戻ってこなかったよね.....どれだけ心配したと思ってるの.....ほんとに.....良かったぁ....!」
 そう言いさらに抱きつく。最初は驚いた天音だが澪の話を聞いて罪悪感を感じた。そして目の前の女の子を落ち着かせようと自分の腕を相手にまわして軽く抱き返し口を開いた。
  「澪...ごめん。僕あの後あの化け物に殺されかけたんだ。そこでおばさんに助けられて、その後2年間修行をしてもらったんだ。この世界で生きていくための術、守るための術を身につけるために。澪たちが無事ってことはおばあさんの魔法で知ることができたから...その....安心しきって修行に専念したんだ」
  「無事って言う連絡をしてもいいじゃない!!」
  あっ、それ考えてなかった....。
  「ご、ごめんなさい」
  「だめ、許さない」
 そう言い抱きつく力を緩めたと思った澪が顔がいつの間にかに僕の目の前にあった。
  「天音」
 そう呟いた澪が天音の唇を奪った。
  「ん!?」
 とっさに澪の肩を掴んで離そうと力を入れるがその力以上に澪の抱きつく力が強くて離せない。
  「ん...天音.....」
  「んはっ....ちょ、息がんっ....!?」
 唇を離してくれたと思い喋ろうと開いた天音の口に澪が深いキスをしてくる。その勢いに負け後におし倒れる。
  「ん、ちゅっ、んっ.....ふぅ、ご馳走様」
 天音が押し倒され澪が上から口に手を当てながら言った。
  「なっ、な、な、なぁぁ..!?」
  「うふふ、これで許してあげるっ!!先生呼んでくるねっ」
 そう言い澪がルンルンしながら保健室から出て行った。
  「なっ..........」
 天音はしばらく思考が停止し口をパクパクさせた。
  
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