僕だけ個別で異世界召喚

kamine

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一章

両親

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 ...んっ....ここは....っ!?
 目を開けて確認した天音は息を飲んだ。空だ。空に立っている。どこまでも伸びる左右上下に恐怖しながらもその神秘的な風景に見入っていた。
  「あらっ、目を覚ましたのね?」
 後ろから凄く綺麗な声がした。少し緊張しながら振り向くと黒髪を腰まで伸ばした美人と黒に近い紫色の髪をもった美男がいた。 
  「やぁ、天音気分はどう?」
 美男がはなしかけてきた。
  「なんで僕の名前を?」
  「あら、そうね。大切なことをつたえてないじゃない?健さん」
  「そうだね、音子。忘れてた」
 どうやら2人は夫婦らしい...?彼氏彼女の可能性も疑ったが....2人を囲むオーラが夫婦っぽい...?お、美男の方が説明してくれるようだ。
  「単刀直入に言うね。僕達は君の親だ」
  「.......へ?」
  「君の名前をつけたのも僕達だ」
  「.......いやいや、冗談はやめてくださいよ~」
  「いやいや、事実だよ」
  「....本当に?」
  「本当に」
  「......まじ?」
  「おおまじ」
  「.........嘘」
  「本当さ、産まれたての君は力が大きすぎたんだ。器の君と力が釣り合ってなくて滝のように力が漏れ出ていて、その力を求めて魔物がたんまり襲ってきたんだよ?メチャ大変だったよ....」
 真剣だった表情を困った顔に変えながら言う父親。隣で母親が
  「そうね、大変だったわぁ~。あなたがお腹にいると分かった時点で襲われ始めたから....お腹を膨らませた妊婦さんがバトルアクションをするのよ??周りから凄い目で見られたわぁ~」
 まって、それやばい。怖....(笑)
  「まぁ、そんなわけで君と力を切り離すことが天音自身の一番の安全だと思った僕達は君を地球に飛ばし、力をこの世界に封印したんだ」
  「なんで今になって僕をここに?」
  「それは、力を封印することに限界が来ていてね。そろそろ駄目だな~、多分器が育って力と対等なものにってる頃かな?なんて思ってたら君の近くで異世界召喚が始まったからそれに紛れて君もってとこかな?ちなみに力が封印できなくなると、この星の4分の1が爆発で無くなるんだ。予想だけど....」
  「な、なるほど....僕はこれからどうすればいい?」
  「自由に生きたらいいさ。地球の君の両親には事情を説明しておく。勝手な僕らの事情で納得いかない部分もあるだろうけど。理解してほしい」
  「大丈夫、理解してるよ。少し寂しいし戸惑ってるけど.....。まぁ、僕なりにこの世界を満喫することにするよ」
 僕は義理の両親と離れ離れになる悲しさがあったが、
ここに来れるんだから地球にも行ける、そのうち顔を出そう。
 と思いながら悲しみを抑えた。それとともに、今まで不思議だったこと、わかんなかったことがここに来てすべて解消されたことと実の両親に会えてことで喜びを感じていた。
  
  
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