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第6話 あなたヒロインに興味はない?
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「完璧な悪役令嬢になりますわー-----!!!!!オーッホッホッホッ!!!
.............................................................こんな感じかしらね。」
「悪役令嬢になって婚約破棄を果たす」という作戦を思いついた昨晩、ソフィアは大まかな作戦を詰め、一旦眠ることにした。その作戦とは
①自分が「悪役令嬢になりきる」こと
②「ヒロインとなる存在を見つけ、協力を依頼する」こと
③あくまでヒロインはヒロインらしき存在であって、「実際に王子とくっつけるわけではない」こと(ヒロインと王子が両思いであると勘違いして、自分がヒロインをいじめる設定)
④ヒロインをいじめることで、一定の罪をかぶり、婚約破棄の説得を行うが、「家の名は汚さない」ようにすること
などだ。
まだ、具体的な策は考えていない部分が多いが、まずは行動しながら作戦を軌道修正していこうと考えている。
というわけで、早朝一発目に悪役令嬢になりきってみたのだが、これが正しいのか微妙なところだ。
もっと悪役令嬢ものの小説を読み込まなければとソフィアは決意した。
「お嬢様!?!?なにやら早朝から高笑いが聞こえたのですが、お体に何かございましたか!?!?!やはりお疲れがたまっていらっしゃるとか....?」
ベットで上体を起こしたまま、次にすべきことを考えていると、さきほどの高笑いに反応したのか、マリーが心配そうな様子で部屋に入ってきた。
「....いえ、全く問題ないわ。あぁ...そうね。昨日の「悪役令嬢になる」ってのを実行してただけなのよ。心配無用よ。」
「昨晩も思いましたが、その「悪役令嬢になる」とはどういうことなのですか...?マリーにお手伝いできることがあれば、何でもおっしゃってください。」
非常にまずい。気合を入れるために行ったことだったが、突然やるとやっぱりただの変人にしか見えないとこの時気が付いた。次から気を付けなくては。
「今はあまり話せないけれど、何か手を借りたいときはお願いするわ。ありがとうね」
「いえいえ!身に余るお言葉です!__では、食堂にご朝食の準備ができましたので、お嬢様の準備をお手伝いしますね。」
「ええ、よろしく頼むわ。いつもありがとうマリー」
「それこそ身に余るお言葉です///」
ソフィアはマリーに日ごろから本当に感謝していたため、そのままその感情を表すと同時に、その思いが表情にも表れていた。
しかし、ソフィアはいつも見ている顔だから気が付いていないようだが、そのはにかむような笑顔は何人も魅了するようなそんな表情だった。
マリーはソフィアと同じように、ソフィアの顔を毎日見ている人物の一人ではあるが、主人の表情に顔を赤らめることを避けられなかった。
ー---------------------------------------
「おはよう、リリー!」
「あら、おはよう、ソフィア」
今日は学校の授業開始1日目だ。
まだ、席順は決まってはいないため、教室に入り、親友のリリーの隣に座り、授業の準備をしながら今日することを考える。
とりあえず、今日は「ヒロインとなる存在を見つけ、協力を依頼する」までやってしまいたいわね。慎重に選ぶ必要もあるけれど、時間もないことだし。できれば、密に連絡が取りやすい同じクラスのご令嬢の方がいいわ。
____かと言って、どのご令嬢もどうにもぴんと来ない。この学園に入学するということは、ソフィアの「顔見知り」である貴族が多い。そういった理由から、名前だったり評判を知らない令嬢はほとんどいなくなる。したがって、ほとんどが一度はソフィアがパーティーなどで顔を合わせたり、情報を持っている令嬢が多いのだが、どうにもヒロインに抜擢したいと思えるほどの方がいない。どうしたものかと頭を悩ませていると....
ガラガラガラ____
「おっ、おはようございますっ.....。あっ、お隣失礼しますっ.....」
どうみてもこの学校の制服とは言えない服を着て、授業ぎりぎりに教室に入ってきた女子生徒がいた。
彼女はおどおどとした様子で、唯一空いていた席に申し訳なさそうな様子で、腰を掛けたようだ。
ただ、ピンクの髪の毛と目を持ったとてもかわいらしい風貌で、ある意味庇護欲をそそられるような、貴族にはない雰囲気をもった生徒であった。
そういった様々な理由から、教室内では異質であり、注目を一身に浴びていた。
「あの生徒は誰だ?」「知らない」「もしかして平民風情が間違えて入学してきたのか?」「でも、かわいいな」
そんな様々な会話が教室内を駆け巡った。
「ソフィア、あの子知ってる?」
「いえ、わからないわ。はじめてお目にかかる方よ。」
「ソフィアでもわからないなら、私も本当に見たことないわね。おそらく今日クラスで自己紹介があるだろうし、そこで確認することにするわ。」
「それがいいわね。」
ソフィアもわからなかったように、リリーも知らないようで、2人でそんな会話をしていると___
ガラガラガラ____
「おはよう諸君!今日からこのクラスの担任となるアーノルド・アーチボルドだ。学問の専攻は数学、魔法の専攻は雷だ。このクラスは学年の優秀層が集まっているが、そんなことは関係なくビシバシ鍛えていくから覚悟しておくように。」
教室に入ってきたかと思えば、急に教室だけではなく、このフロア全体に響くかという大きな声で、挨拶をしたのはこのクラスの担任だった。
この学校は、1年次から成績順にクラスが決められ、上から順にA~Eクラスまで存在する。ソフィアやリリーはそのうちのAクラスだ。
また、この世界の魔法の概念として、全部で8つの属性があり、順に火、水、風、土、雷、光、闇、無がある。ただ、誰もが魔法を持つわけではなく、そのほとんどが貴族で、1人1つの属性を持っている。この学園に貴族が多い理由はそれだ。
1人が2つの属性を持つことや平民で魔法が発現することも本当に稀なケース。加えて、その中でも光や闇、無属性は希少性が高く、人数も少ない。
しかし、魔法の属性で強い弱いということはなく、使う環境や魔法の相性でその強さは変わる。そして、私たちの担任は雷だったということだ。
実際、このクラスの担任ということもあって、アーノルド先生は有名な学者であり、有名な魔法使いだ。ソフィアは一瞬、女学生のことも忘れ、アーノルド先生との対峙に一人感動していた。
「では、早速だが、このクラスの自己紹介から進めていこうと思う。手前に座っているそこの君から、順に頼む。」
「はい、自分は____」
クラス内の自己紹介が進んでいき、それぞれ家名や魔法の属性を話していく。
「では次。」
「はっ、はい!私、アンナと申します。魔法の専攻は光です。よろしくお願いいたしますっ」
ざわざわっ______
これにはさすがのソフィアも驚いた。
まず、家名を名乗らなかったこと。
家名とはソフィアで言うなら「アーガスト」がそれにあたる。家名がないことはつまり、平民ということだ。この学園には特待生という枠で平民も入学することが可能ではあるが、それは非常に狭き門だ。この学園でトップ10を張れるくらいの頭と魔法の実力がないと入学はまず不可能。平民であるということもそうではあるが、まずその能力値の高さに驚いた。
そして、一番驚いたのが、その属性だ。光というのは先ほども説明したように、希少性が非常に高い。
それは現在でも世界中で2人しか見つかっていないほどの希少性だ。つまり、アンナを含めて3人目ということになる。
この瞬間、これから荒れるなと考えたと同時に、「この方しかいない」とソフィアは強く思った。
ー-----------------------------------------------
キーンコーンカーンコーン
「では、午前は一旦ここで終わりとする。だが、これからビシバシ鍛えていくから、覚悟してけよ!解散!!!!」
自己紹介が終わり、雑談を交えながら、ある程度の学校のルールの説明をするとチャイムが鳴り、今日の午前の学校の終了を告げた。
ソフィアはここでいち早く行動に移した。
まず、アンナに声をかけ、少し人気の少ない校舎裏へ移動した。平民である彼女はいきなり貴族令嬢に声を掛けられ、人気のないところに驚いたのか、とてもびくびくしていたがそんなことは今は気にしない。
到着するなり、ソフィアは満面の笑みで言い放った。
「あなたヒロインに興味はない?」
.............................................................こんな感じかしらね。」
「悪役令嬢になって婚約破棄を果たす」という作戦を思いついた昨晩、ソフィアは大まかな作戦を詰め、一旦眠ることにした。その作戦とは
①自分が「悪役令嬢になりきる」こと
②「ヒロインとなる存在を見つけ、協力を依頼する」こと
③あくまでヒロインはヒロインらしき存在であって、「実際に王子とくっつけるわけではない」こと(ヒロインと王子が両思いであると勘違いして、自分がヒロインをいじめる設定)
④ヒロインをいじめることで、一定の罪をかぶり、婚約破棄の説得を行うが、「家の名は汚さない」ようにすること
などだ。
まだ、具体的な策は考えていない部分が多いが、まずは行動しながら作戦を軌道修正していこうと考えている。
というわけで、早朝一発目に悪役令嬢になりきってみたのだが、これが正しいのか微妙なところだ。
もっと悪役令嬢ものの小説を読み込まなければとソフィアは決意した。
「お嬢様!?!?なにやら早朝から高笑いが聞こえたのですが、お体に何かございましたか!?!?!やはりお疲れがたまっていらっしゃるとか....?」
ベットで上体を起こしたまま、次にすべきことを考えていると、さきほどの高笑いに反応したのか、マリーが心配そうな様子で部屋に入ってきた。
「....いえ、全く問題ないわ。あぁ...そうね。昨日の「悪役令嬢になる」ってのを実行してただけなのよ。心配無用よ。」
「昨晩も思いましたが、その「悪役令嬢になる」とはどういうことなのですか...?マリーにお手伝いできることがあれば、何でもおっしゃってください。」
非常にまずい。気合を入れるために行ったことだったが、突然やるとやっぱりただの変人にしか見えないとこの時気が付いた。次から気を付けなくては。
「今はあまり話せないけれど、何か手を借りたいときはお願いするわ。ありがとうね」
「いえいえ!身に余るお言葉です!__では、食堂にご朝食の準備ができましたので、お嬢様の準備をお手伝いしますね。」
「ええ、よろしく頼むわ。いつもありがとうマリー」
「それこそ身に余るお言葉です///」
ソフィアはマリーに日ごろから本当に感謝していたため、そのままその感情を表すと同時に、その思いが表情にも表れていた。
しかし、ソフィアはいつも見ている顔だから気が付いていないようだが、そのはにかむような笑顔は何人も魅了するようなそんな表情だった。
マリーはソフィアと同じように、ソフィアの顔を毎日見ている人物の一人ではあるが、主人の表情に顔を赤らめることを避けられなかった。
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「おはよう、リリー!」
「あら、おはよう、ソフィア」
今日は学校の授業開始1日目だ。
まだ、席順は決まってはいないため、教室に入り、親友のリリーの隣に座り、授業の準備をしながら今日することを考える。
とりあえず、今日は「ヒロインとなる存在を見つけ、協力を依頼する」までやってしまいたいわね。慎重に選ぶ必要もあるけれど、時間もないことだし。できれば、密に連絡が取りやすい同じクラスのご令嬢の方がいいわ。
____かと言って、どのご令嬢もどうにもぴんと来ない。この学園に入学するということは、ソフィアの「顔見知り」である貴族が多い。そういった理由から、名前だったり評判を知らない令嬢はほとんどいなくなる。したがって、ほとんどが一度はソフィアがパーティーなどで顔を合わせたり、情報を持っている令嬢が多いのだが、どうにもヒロインに抜擢したいと思えるほどの方がいない。どうしたものかと頭を悩ませていると....
ガラガラガラ____
「おっ、おはようございますっ.....。あっ、お隣失礼しますっ.....」
どうみてもこの学校の制服とは言えない服を着て、授業ぎりぎりに教室に入ってきた女子生徒がいた。
彼女はおどおどとした様子で、唯一空いていた席に申し訳なさそうな様子で、腰を掛けたようだ。
ただ、ピンクの髪の毛と目を持ったとてもかわいらしい風貌で、ある意味庇護欲をそそられるような、貴族にはない雰囲気をもった生徒であった。
そういった様々な理由から、教室内では異質であり、注目を一身に浴びていた。
「あの生徒は誰だ?」「知らない」「もしかして平民風情が間違えて入学してきたのか?」「でも、かわいいな」
そんな様々な会話が教室内を駆け巡った。
「ソフィア、あの子知ってる?」
「いえ、わからないわ。はじめてお目にかかる方よ。」
「ソフィアでもわからないなら、私も本当に見たことないわね。おそらく今日クラスで自己紹介があるだろうし、そこで確認することにするわ。」
「それがいいわね。」
ソフィアもわからなかったように、リリーも知らないようで、2人でそんな会話をしていると___
ガラガラガラ____
「おはよう諸君!今日からこのクラスの担任となるアーノルド・アーチボルドだ。学問の専攻は数学、魔法の専攻は雷だ。このクラスは学年の優秀層が集まっているが、そんなことは関係なくビシバシ鍛えていくから覚悟しておくように。」
教室に入ってきたかと思えば、急に教室だけではなく、このフロア全体に響くかという大きな声で、挨拶をしたのはこのクラスの担任だった。
この学校は、1年次から成績順にクラスが決められ、上から順にA~Eクラスまで存在する。ソフィアやリリーはそのうちのAクラスだ。
また、この世界の魔法の概念として、全部で8つの属性があり、順に火、水、風、土、雷、光、闇、無がある。ただ、誰もが魔法を持つわけではなく、そのほとんどが貴族で、1人1つの属性を持っている。この学園に貴族が多い理由はそれだ。
1人が2つの属性を持つことや平民で魔法が発現することも本当に稀なケース。加えて、その中でも光や闇、無属性は希少性が高く、人数も少ない。
しかし、魔法の属性で強い弱いということはなく、使う環境や魔法の相性でその強さは変わる。そして、私たちの担任は雷だったということだ。
実際、このクラスの担任ということもあって、アーノルド先生は有名な学者であり、有名な魔法使いだ。ソフィアは一瞬、女学生のことも忘れ、アーノルド先生との対峙に一人感動していた。
「では、早速だが、このクラスの自己紹介から進めていこうと思う。手前に座っているそこの君から、順に頼む。」
「はい、自分は____」
クラス内の自己紹介が進んでいき、それぞれ家名や魔法の属性を話していく。
「では次。」
「はっ、はい!私、アンナと申します。魔法の専攻は光です。よろしくお願いいたしますっ」
ざわざわっ______
これにはさすがのソフィアも驚いた。
まず、家名を名乗らなかったこと。
家名とはソフィアで言うなら「アーガスト」がそれにあたる。家名がないことはつまり、平民ということだ。この学園には特待生という枠で平民も入学することが可能ではあるが、それは非常に狭き門だ。この学園でトップ10を張れるくらいの頭と魔法の実力がないと入学はまず不可能。平民であるということもそうではあるが、まずその能力値の高さに驚いた。
そして、一番驚いたのが、その属性だ。光というのは先ほども説明したように、希少性が非常に高い。
それは現在でも世界中で2人しか見つかっていないほどの希少性だ。つまり、アンナを含めて3人目ということになる。
この瞬間、これから荒れるなと考えたと同時に、「この方しかいない」とソフィアは強く思った。
ー-----------------------------------------------
キーンコーンカーンコーン
「では、午前は一旦ここで終わりとする。だが、これからビシバシ鍛えていくから、覚悟してけよ!解散!!!!」
自己紹介が終わり、雑談を交えながら、ある程度の学校のルールの説明をするとチャイムが鳴り、今日の午前の学校の終了を告げた。
ソフィアはここでいち早く行動に移した。
まず、アンナに声をかけ、少し人気の少ない校舎裏へ移動した。平民である彼女はいきなり貴族令嬢に声を掛けられ、人気のないところに驚いたのか、とてもびくびくしていたがそんなことは今は気にしない。
到着するなり、ソフィアは満面の笑みで言い放った。
「あなたヒロインに興味はない?」
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