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【後日談】杖の下に回る犬は打てない
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「大人げなく、お前の気ぃ引いて、惑わせて、夢中にさせようとしてんの」
触れてくる唇が、少しだけ震えている気がして、無理やり割り開かせて逃げようとする舌を絡め取る。
本当に性質が悪い。何もされてなくても師匠のことで頭がいっぱいなのに、本人がそんなことをして誑し込んで来たら、抗えるわけないだろう。抵抗する気も、ないけど。
オネダリに応えるのは今度にしようと勝手に諦めて、断りもなく体を動かす。
「ふっ、ァ、きゅっ、ぅに……ッ」
あんたがそうやって、俺を誑かそうとするなら。
俺に揺さぶられて翻弄されてぐちゃぐちゃになって、全部喰らい尽くされればいい。
「ゃ、っア、ゃさ……ァっ、あ、やッ……さ、しっ、ない……ぃっ」
「……無理」
優しくないなんて言われたって、今のは絶対に師匠が悪い。俺は悪くない。それに少なくとも俺の飢えが治まらないと丁寧にしてあげるのは難しいし、師匠があざとく俺を篭絡してくるなら、なおさら無理だ。少し泣きが入って、それでも快感を拾って喘いでいる顔は、めちゃくちゃ可愛い。
奥まで俺を受け入れている体が、いや、とか、やだ、とか声を零す。けど、爪を立てて俺にしがみ付いて、足ですらぎゅっと絡めてきてるのには、たぶん、気付いてない。自分の言葉と体が合ってないのがわからなくなるくらい、溺れてくれてるなら嬉しい。
「好き、クライヴ……好き……」
好きって言葉を出すと、きゅうきゅうとナカが締まって反応してくれて、可愛い。
名前を呼ぶと、とろとろになっていても俺の方を見てくれて、可愛い。
「ルイっ、る、ぁ……ア、ァ……ッ!」
イくと同時にぎゅうぎゅうと俺のモノに絡み付いて、奥に引き込むように胎内が蠢いた。誘い込まれるままナカに注いで、健気に俺の種を飲み込んだ腹を撫でる。どうせ綺麗にはしなきゃいけないけど、刻み付けたくて奥にぐりぐりと擦り付ける。動きに合わせて、浮かされたような声を上げる人が可愛い。
「……クライヴ、もっと」
もう一度気持ちいい胎に抜き差しして、振り乱された金髪の頭を撫でる。俺のほんの少しの動きにさえ、敏感に体を震わせているのは可愛いけど、そろそろきついかなといったん待ってあげる。
「るい、ル……イ……っ」
「なぁに、クライヴ」
ぐすぐすと俺を呼ぶ声に、出来るだけ優しく答える。優しく抱いてって言うなら、あんまり俺を煽らないでほしいけど、そうやって俺を繋ぎ止めようとしてくれるのは、すごく嬉しい。師匠の方でも、ちゃんと俺を選んでくれてるのがわかる。
でも、愛してるって言ってくれないのはずるいし、愛してるって言わずに伝えてくるのは、ひどい手管だ。
ずるい大人に、ずぶずぶにされてる。
「まだ……俺、えらび、てぇ?」
あーーーーーもう。本当に性質の悪い。
「クライヴしか、選びたくない」
ちっともそんな素振りを見せずに俺を落としたくせに、ちゃんと俺の方を向いてくれるようになったと思ったら、こっちが戸惑うくらい気持ちを注いでくれる。おかげで動揺させられっぱなしだ。それなのに、俺だけを見てはくれなくて、自分の足で立ってまっすぐ前を見据えている、強くて、格好いい人。
ほっとしたように、嬉しそうに笑うから、悔しくてキスを仕掛けて、今は俺だけに浸ってもらう。少しだけ苦しそうに漏らしている吐息だって、全部俺のにしたいって、きっとそんなの全然わかってない。
「クライヴがほしい……クライヴだけほしい、足りない、もっと」
緩く腰を振ったら艶めいた声を漏らしてくれる。背中に回っている手に力が入ったのは、了承のはずだ。
「気持ち良くなろうよ、クライヴ」
もっと、俺を夢中にさせてよ。
触れてくる唇が、少しだけ震えている気がして、無理やり割り開かせて逃げようとする舌を絡め取る。
本当に性質が悪い。何もされてなくても師匠のことで頭がいっぱいなのに、本人がそんなことをして誑し込んで来たら、抗えるわけないだろう。抵抗する気も、ないけど。
オネダリに応えるのは今度にしようと勝手に諦めて、断りもなく体を動かす。
「ふっ、ァ、きゅっ、ぅに……ッ」
あんたがそうやって、俺を誑かそうとするなら。
俺に揺さぶられて翻弄されてぐちゃぐちゃになって、全部喰らい尽くされればいい。
「ゃ、っア、ゃさ……ァっ、あ、やッ……さ、しっ、ない……ぃっ」
「……無理」
優しくないなんて言われたって、今のは絶対に師匠が悪い。俺は悪くない。それに少なくとも俺の飢えが治まらないと丁寧にしてあげるのは難しいし、師匠があざとく俺を篭絡してくるなら、なおさら無理だ。少し泣きが入って、それでも快感を拾って喘いでいる顔は、めちゃくちゃ可愛い。
奥まで俺を受け入れている体が、いや、とか、やだ、とか声を零す。けど、爪を立てて俺にしがみ付いて、足ですらぎゅっと絡めてきてるのには、たぶん、気付いてない。自分の言葉と体が合ってないのがわからなくなるくらい、溺れてくれてるなら嬉しい。
「好き、クライヴ……好き……」
好きって言葉を出すと、きゅうきゅうとナカが締まって反応してくれて、可愛い。
名前を呼ぶと、とろとろになっていても俺の方を見てくれて、可愛い。
「ルイっ、る、ぁ……ア、ァ……ッ!」
イくと同時にぎゅうぎゅうと俺のモノに絡み付いて、奥に引き込むように胎内が蠢いた。誘い込まれるままナカに注いで、健気に俺の種を飲み込んだ腹を撫でる。どうせ綺麗にはしなきゃいけないけど、刻み付けたくて奥にぐりぐりと擦り付ける。動きに合わせて、浮かされたような声を上げる人が可愛い。
「……クライヴ、もっと」
もう一度気持ちいい胎に抜き差しして、振り乱された金髪の頭を撫でる。俺のほんの少しの動きにさえ、敏感に体を震わせているのは可愛いけど、そろそろきついかなといったん待ってあげる。
「るい、ル……イ……っ」
「なぁに、クライヴ」
ぐすぐすと俺を呼ぶ声に、出来るだけ優しく答える。優しく抱いてって言うなら、あんまり俺を煽らないでほしいけど、そうやって俺を繋ぎ止めようとしてくれるのは、すごく嬉しい。師匠の方でも、ちゃんと俺を選んでくれてるのがわかる。
でも、愛してるって言ってくれないのはずるいし、愛してるって言わずに伝えてくるのは、ひどい手管だ。
ずるい大人に、ずぶずぶにされてる。
「まだ……俺、えらび、てぇ?」
あーーーーーもう。本当に性質の悪い。
「クライヴしか、選びたくない」
ちっともそんな素振りを見せずに俺を落としたくせに、ちゃんと俺の方を向いてくれるようになったと思ったら、こっちが戸惑うくらい気持ちを注いでくれる。おかげで動揺させられっぱなしだ。それなのに、俺だけを見てはくれなくて、自分の足で立ってまっすぐ前を見据えている、強くて、格好いい人。
ほっとしたように、嬉しそうに笑うから、悔しくてキスを仕掛けて、今は俺だけに浸ってもらう。少しだけ苦しそうに漏らしている吐息だって、全部俺のにしたいって、きっとそんなの全然わかってない。
「クライヴがほしい……クライヴだけほしい、足りない、もっと」
緩く腰を振ったら艶めいた声を漏らしてくれる。背中に回っている手に力が入ったのは、了承のはずだ。
「気持ち良くなろうよ、クライヴ」
もっと、俺を夢中にさせてよ。
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