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二話
しおりを挟むもうすぐ日を跨ごうとしている時計を盗み見て、未汐は小さく溜息を吐いた。
あの後、父の車に乗せられて、県内でも有数の大病院に連れてこられた。地域住民に「金の使い所を間違えている」などと陰口を叩かれている豪勢な正面玄関は閉じられているため、夜間救急の出入口を使う。
車を出ると、ほとんど寝巻きのままの女性が立っていた。年は五十代後半と言ったところで、肩を過ぎたくらいの長さの明るい茶髪を雑に後ろで纏めている。父は未汐に、僕の姉さんだよ、と耳打ちした。面識は無いが、叔母と言うことになる。未汐が軽く会釈をすると、ふん、と鼻を鳴らした女性が父に何事か言っていたようだが、よく聞き取れなかった。
病室には入れて貰えなかった。集まった親戚の無言の圧が、未汐の入室を許さなかったのだ。父は申し訳なさそうに肩を竦めて、送っていくからもう少し待っていてと曖昧に笑っている。
態々連れて来ておいてそれかとも思ったが、死にかけている人間を目の当たりにして嫌味を言えるほど豪胆でも無遠慮でもないので黙っていた。
暇を持て余した未汐は、病室から少し離れたエレベーターホール横の、共有スペースにある椅子に腰掛ける。消灯後の病院は最低限の灯りのみで薄暗く、やはり不気味だった。長い廊下の向こうに誰かが立っている気がする。
次にエレベーターの扉が開いたら、そこに乗っているのは人間だろうか?ざわざわと全身の産毛が震えるのが分かる。呼吸が浅くなり、些細な物音にさえ敏感になってしまう。気にしないようにしようとすればするほど「それ」が輪郭を濃くしていくように思えて、未汐は目を強く瞑って頭を振った。変な手紙を見たせいか、疲れているのかも知れない。
嫌でもあの手紙のことを考えてしまう。短い文面が尚のこと不気味だった。汚い紙と赤黒い文字が生理的嫌悪をこれでもかと煽り立ててくる。「みつけた」と言われても、未汐には何のことを言っているのか見当もつかない。
こんな悪趣味な悪戯をする友人は思い当たらず、ストーカーに遭うような心当たりも無かった。
何度目かの溜息を漏らして目を開けると、未汐の足元に小さな、顔のふやけた乳児が這いつくばってニタニタと笑っていた。
「あ」
ヒュッ、と呼吸が喉の奥で堰き止められて、脂汗が吹き出す。その乳児は張り付いたような満面の笑みを浮かべながら、未汐の右足首を掴んだ。
ま、ま、ま
ごぼごぼと小さな口から黄色い泡を吹いて、まるで溺れながら喋っているようだった。掴まれた右足がじっとりと濡れているのが分かる。
乳児の身体には所々にフジツボや蜂の巣を思わせる密集した穴が空いていた。本能的な恐怖でざわざわと背筋が粟立つ。椅子の上によじ登ったそいつは眼球が溶けて無くなってしまったかのような空っぽの眼窩をめいっぱい細めて、痰が絡んだような甲高い笑い声を上げた。
それはっきりとした発音で未汐を「まま」と呼んで、未汐の腹に触れる。
絞られるような、内側から刺されるような激痛が下腹部を襲った。酷い生理痛のような痛みに、意識が朦朧としていく。
そこから先の記憶は無い。
父に揺すられて目を覚ました。いつの間にか眠ってしまっていたらしい。乳児は跡形もなく姿を消していて、眩しいほどの蛍光灯の光が共有スペースを照らしていた。
救急搬送口付近の駐車場に停められていた父の車に乗り込んで帰途につく。ナビの時計は午前四時を示していた。カーステレオから流れる平成初期に流行ったらしい女性歌手の流暢な英語だけが、車内を満たしている。
「みっちゃん」
「なーに」
「今日はごめんね」
「いいよ」
おじいちゃんな、だめだったよ、と父が絞り出すように言った。
未汐が病室を締め出されてホラー映画さながらの恐怖体験をしている頃、祖父は苦しみながら息を引き取ったと言う。小さい頃の祖父に関しての記憶が殆ど無い未汐は大した悲しみも持てず、ただ頷くことしか出来なかった。
「何でわたしのこと呼んだの」
結局未汐は祖父の死に立ち会えなかったばかりか、病室に入ることすら許されなかったのだ。これではただ親戚連中に渋い顔をされるために出向いたようなものだし、そもそも病院に行かなければあんな化け物じみた乳児に母親呼ばわりされることも無かった。
父は空いた方の手で頭をガリガリと掻き、数秒考え込んだあと口を開いた。
「おじいちゃんがね、みっちゃんのこと呼んだんだよ」
「なに?」
「おじいちゃん、ここ二週間くらいずっと意識が無かったんだ。それが昨夜顔を見に行ったら、突然ぱっと目を開けて「未汐を連れて来い」って言ったんだよね」
予想外の父の答えに、返事に詰まってしまう。
未汐は祖父の顔を殆ど覚えていない。最後に会ったのは、十数年前かその辺りだ。
未汐は十歳前後より前の記憶がごっそり抜け落ちている。両親からは足を滑らせ階段から転落して、その影響で一部の記憶が消失したのだと聞いた。
それ以上の後遺症は無く、生活に支障もきたしていないので放置している。
だから、記憶が消失するよりも前に祖父と会っていて、話をしていたとしても、遊んで貰っていたとしても、覚えていないのだ。何だか申し訳ない気持ちになって俯くと、足元の暗がりからあの乳児が湧いて出てきそうで、体の奥から震えが来る。
顔を上げると、自宅アパートの近くまで差し掛かっていた。父は、葬儀には無理して来なくてもいいと言う。行っても良かったけれど、またあの親戚たちと顔を合わせるのは御免だった。未汐は素直に頷いて、鞄から部屋の鍵を取り出す。
アパート脇に止まった車から降りて、運転席を覗き込んだ。
「気をつけて帰ってね」
「みっちゃん」
「なに」
「何か変なことがあったら、すぐに連絡してきなさい」
いいね?と、父は念を押した。
穏やかで気弱な彼らしくなく、芯を持った強い声音だ。
一瞬、手紙と先程の乳児のことが頭を掠める。しかし、これから祖父の葬儀の手続きや仕事のスケジュールの調整などで忙しくなるだろう父に、そんなことを相談出来るわけもなかった。話すにしても今である必要は無い。祖父のことが落ち着いてからでも充分だ。
「わかったよ、何かあったら連絡するね」
未汐が笑いながら言うと、父は安心したように息を吐いた。助手席のドアを閉めて、走っていく父の車に手を振る。
錆びた階段を登り、一番奥の部屋の前に立つ。二〇五号室、角部屋だ。ポストには何も入っていない。
鍵を開けて玄関で靴を脱ぎ捨て、ベッドに寝転がる。着替えるのも、靴下を脱ぐのも億劫だった。外は夜明け独特の赤紫に覆われている。
手紙はテーブルの上に放られていた。これがホラー映画なら内容が変わっていたり、手紙そのものが消えてなくなっていたりするものだが、そんなことは起こらなかった。仰向けになって、ぼんやりと天井を眺める。
葬儀に行かないにしても祖父が死んだのは事実なのだから、バイトを休んでも許されるのでは、などと考えていた。下腹部の痛みは殆どなりを潜めている。
携帯のアラームを三時間後に設定して、未汐は押し寄せる眠気に意識を手放した。
あの後、父の車に乗せられて、県内でも有数の大病院に連れてこられた。地域住民に「金の使い所を間違えている」などと陰口を叩かれている豪勢な正面玄関は閉じられているため、夜間救急の出入口を使う。
車を出ると、ほとんど寝巻きのままの女性が立っていた。年は五十代後半と言ったところで、肩を過ぎたくらいの長さの明るい茶髪を雑に後ろで纏めている。父は未汐に、僕の姉さんだよ、と耳打ちした。面識は無いが、叔母と言うことになる。未汐が軽く会釈をすると、ふん、と鼻を鳴らした女性が父に何事か言っていたようだが、よく聞き取れなかった。
病室には入れて貰えなかった。集まった親戚の無言の圧が、未汐の入室を許さなかったのだ。父は申し訳なさそうに肩を竦めて、送っていくからもう少し待っていてと曖昧に笑っている。
態々連れて来ておいてそれかとも思ったが、死にかけている人間を目の当たりにして嫌味を言えるほど豪胆でも無遠慮でもないので黙っていた。
暇を持て余した未汐は、病室から少し離れたエレベーターホール横の、共有スペースにある椅子に腰掛ける。消灯後の病院は最低限の灯りのみで薄暗く、やはり不気味だった。長い廊下の向こうに誰かが立っている気がする。
次にエレベーターの扉が開いたら、そこに乗っているのは人間だろうか?ざわざわと全身の産毛が震えるのが分かる。呼吸が浅くなり、些細な物音にさえ敏感になってしまう。気にしないようにしようとすればするほど「それ」が輪郭を濃くしていくように思えて、未汐は目を強く瞑って頭を振った。変な手紙を見たせいか、疲れているのかも知れない。
嫌でもあの手紙のことを考えてしまう。短い文面が尚のこと不気味だった。汚い紙と赤黒い文字が生理的嫌悪をこれでもかと煽り立ててくる。「みつけた」と言われても、未汐には何のことを言っているのか見当もつかない。
こんな悪趣味な悪戯をする友人は思い当たらず、ストーカーに遭うような心当たりも無かった。
何度目かの溜息を漏らして目を開けると、未汐の足元に小さな、顔のふやけた乳児が這いつくばってニタニタと笑っていた。
「あ」
ヒュッ、と呼吸が喉の奥で堰き止められて、脂汗が吹き出す。その乳児は張り付いたような満面の笑みを浮かべながら、未汐の右足首を掴んだ。
ま、ま、ま
ごぼごぼと小さな口から黄色い泡を吹いて、まるで溺れながら喋っているようだった。掴まれた右足がじっとりと濡れているのが分かる。
乳児の身体には所々にフジツボや蜂の巣を思わせる密集した穴が空いていた。本能的な恐怖でざわざわと背筋が粟立つ。椅子の上によじ登ったそいつは眼球が溶けて無くなってしまったかのような空っぽの眼窩をめいっぱい細めて、痰が絡んだような甲高い笑い声を上げた。
それはっきりとした発音で未汐を「まま」と呼んで、未汐の腹に触れる。
絞られるような、内側から刺されるような激痛が下腹部を襲った。酷い生理痛のような痛みに、意識が朦朧としていく。
そこから先の記憶は無い。
父に揺すられて目を覚ました。いつの間にか眠ってしまっていたらしい。乳児は跡形もなく姿を消していて、眩しいほどの蛍光灯の光が共有スペースを照らしていた。
救急搬送口付近の駐車場に停められていた父の車に乗り込んで帰途につく。ナビの時計は午前四時を示していた。カーステレオから流れる平成初期に流行ったらしい女性歌手の流暢な英語だけが、車内を満たしている。
「みっちゃん」
「なーに」
「今日はごめんね」
「いいよ」
おじいちゃんな、だめだったよ、と父が絞り出すように言った。
未汐が病室を締め出されてホラー映画さながらの恐怖体験をしている頃、祖父は苦しみながら息を引き取ったと言う。小さい頃の祖父に関しての記憶が殆ど無い未汐は大した悲しみも持てず、ただ頷くことしか出来なかった。
「何でわたしのこと呼んだの」
結局未汐は祖父の死に立ち会えなかったばかりか、病室に入ることすら許されなかったのだ。これではただ親戚連中に渋い顔をされるために出向いたようなものだし、そもそも病院に行かなければあんな化け物じみた乳児に母親呼ばわりされることも無かった。
父は空いた方の手で頭をガリガリと掻き、数秒考え込んだあと口を開いた。
「おじいちゃんがね、みっちゃんのこと呼んだんだよ」
「なに?」
「おじいちゃん、ここ二週間くらいずっと意識が無かったんだ。それが昨夜顔を見に行ったら、突然ぱっと目を開けて「未汐を連れて来い」って言ったんだよね」
予想外の父の答えに、返事に詰まってしまう。
未汐は祖父の顔を殆ど覚えていない。最後に会ったのは、十数年前かその辺りだ。
未汐は十歳前後より前の記憶がごっそり抜け落ちている。両親からは足を滑らせ階段から転落して、その影響で一部の記憶が消失したのだと聞いた。
それ以上の後遺症は無く、生活に支障もきたしていないので放置している。
だから、記憶が消失するよりも前に祖父と会っていて、話をしていたとしても、遊んで貰っていたとしても、覚えていないのだ。何だか申し訳ない気持ちになって俯くと、足元の暗がりからあの乳児が湧いて出てきそうで、体の奥から震えが来る。
顔を上げると、自宅アパートの近くまで差し掛かっていた。父は、葬儀には無理して来なくてもいいと言う。行っても良かったけれど、またあの親戚たちと顔を合わせるのは御免だった。未汐は素直に頷いて、鞄から部屋の鍵を取り出す。
アパート脇に止まった車から降りて、運転席を覗き込んだ。
「気をつけて帰ってね」
「みっちゃん」
「なに」
「何か変なことがあったら、すぐに連絡してきなさい」
いいね?と、父は念を押した。
穏やかで気弱な彼らしくなく、芯を持った強い声音だ。
一瞬、手紙と先程の乳児のことが頭を掠める。しかし、これから祖父の葬儀の手続きや仕事のスケジュールの調整などで忙しくなるだろう父に、そんなことを相談出来るわけもなかった。話すにしても今である必要は無い。祖父のことが落ち着いてからでも充分だ。
「わかったよ、何かあったら連絡するね」
未汐が笑いながら言うと、父は安心したように息を吐いた。助手席のドアを閉めて、走っていく父の車に手を振る。
錆びた階段を登り、一番奥の部屋の前に立つ。二〇五号室、角部屋だ。ポストには何も入っていない。
鍵を開けて玄関で靴を脱ぎ捨て、ベッドに寝転がる。着替えるのも、靴下を脱ぐのも億劫だった。外は夜明け独特の赤紫に覆われている。
手紙はテーブルの上に放られていた。これがホラー映画なら内容が変わっていたり、手紙そのものが消えてなくなっていたりするものだが、そんなことは起こらなかった。仰向けになって、ぼんやりと天井を眺める。
葬儀に行かないにしても祖父が死んだのは事実なのだから、バイトを休んでも許されるのでは、などと考えていた。下腹部の痛みは殆どなりを潜めている。
携帯のアラームを三時間後に設定して、未汐は押し寄せる眠気に意識を手放した。
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