オーバードライブ・ユア・ソング

<一部>ホラー要素あり
春先のある夜、二年前の冬に失踪した兄が首を吊っている夢を見た。

御子柴陽とその幼馴染である香西初は、この春に私立菖蒲ヶ崎高等学校に入学したばかりだ。
陽の四歳年上の兄、晴もかつてはこの学校に通っていたが、二年前の冬に突然行方不明になって以降、未だにその消息は掴めていない。
それからというもの、陽の目には幽霊と呼ばれるものが映るようになった。駅のホーム、近所の公園、通学路。あらゆる場所に当然のようにいる「それ」に、陽は好奇心に近いような感情を抱きつつも、自分から関わっていくことは無かった。

高校に入学したからには青春を謳歌しようと息巻く陽は、部活の一覧の中に軽音部を見つける。
放課後、入部届を片手に意気揚々と軽音部の部室である第二視聴覚室に向かった陽と初は、三年生の方保田織、そして和泉惺の二人と出会う。陽は彼らと話す中で、晴も軽音部に所属していたらしいことを知った。

陽と初、織、惺の四人でバンドを組むことになり、大喜びする陽。
そんな陽に、惺は怖い話は好き?と問い掛けた。
この学校の七不思議が本当にあるのかどうか調べたいと言う惺の話に、陽は好奇心に負けて乗ることにする。

バンドは極めて好調な滑り出しを見せたが、一方で織と惺は、陽と初には言えない何かを抱えているようだった。

晴の失踪、菖蒲ヶ崎高校に伝わる七不思議を始めとする数多の怪談話、校内で立て続けに起こる怪異。
それらは全て、この土地が持つ陰惨な記憶に収束していた。


<二部>ホラー要素なし
夏休みを終えて、文化祭に向けて動き出す軽音部の穏やかな日々の話


※ひとつまみくらいのBL要素、またはBLの匂わせがあります。苦手な方はご注意ください。
24h.ポイント 0pt
0
小説 192,045 位 / 192,045件 ライト文芸 7,618 位 / 7,618件

あなたにおすすめの小説

サイダー・ビーツ

津田ぴぴ子
青春
オーバードライブ・ユア・ソングの続編。前作終了から二度目の春。 前作を読んでいなくても読めると思います 男子高校生がわちゃついてるだけの話です

Gsus4

煙 亜月
キャラ文芸
音楽、辞めたいなあ。まあ、辞められたらとっくに辞めてるけどね。

時間のない恋

東雲 周
ライト文芸
アカウント変更しました。 学園ものになっています。 普段あまり本を読まない人にも気楽に読んでもらえて、かつ「ワールド」に引き込めるような作品にしたいと思っています。 シンプルな文章で、複雑な内容を。 どうぞよろしくお願いします。 ~追記~ この作品は、「普段あまり小説を読まない」、「どちらかといえばアニメや漫画派」といった、「長い文字列を見ると疲れる、続きを読む気力がなくなる」という現象がよく見受けられる若者世代に焦点を当てて、「少しでも多くの人に本の楽しさを感じてほしい」という想いから創作が始まったものなので、会話文を多用し漫画やアニメを模した形式で展開を進める、作品になっています。 「句読点の打ち方」や「漢字、カタカナ、ひらがなの使い分け」などにも配慮しているので、気になった方は、ぜひ注目して読んでみて下さい。

ガム

煙 亜月
ライト文芸
―――口さみしい、ってそういう意味の?  喉元の汗が胸に伝い下りて、右か左かに流れる。まあ、おそらくはその間だろうけど。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

寂れた部室に流れる思い出の曲

陸沢宝史
ライト文芸
一人だけの軽音部で活動を続ける高校三年の優は冬の部室で今日もギターを弾いていた。だがその日は、とある曲が歌えずにいた。来年のことも考え部の廃部も検討しているとかつてライブで優の歌声に魅了された桃香が部室に突如現れるのであった。

私の悠々自適な引きこもり生活は、可愛い女の子によって終わりを迎えてしまいました。

神楽咲久來
ライト文芸
引きこもり少女の「秋雨実(あきさめみのり)」。 誰も信用せず、自分ひとりで生きている。生活風景は世間一般で言う「廃人」。 自分でお金を稼ぎ、身の回りのことは自分ひとりでやっている。 だが、私には厄介な女がいる。 彼女の名前は「神楽日菜(かぐらひな)」。 先月から私の家に来るようになった(元)クラスメイトだ。 私は、日菜に(むりやり)学校に連れられ登校することになる。 しかし、その学校、ありとあらゆる意味で普通じゃないのだ。 なんでも、日本一の学力を誇る学校らしい。ついでにいうと設備もものすごい。 私は、この学校で新しい第二の生活を送っていくことになった。 私と日菜は、この学園でつまらない日々をゆっくりと生きている。 これは、ちょっと百合な、私達二人の生きる道。

先生と僕

真白 悟
ライト文芸
 高校2年になり、少年は進路に恋に勉強に部活とおお忙し。まるで乙女のような青春を送っている。  少しだけ年上の美人な先生と、おっちょこちょいな少女、少し頭のネジがはずれた少年の四コマ漫画風ラブコメディー小説。