36 / 50
第二章 溺愛はいりません
1. 周囲の扱いが
しおりを挟む
今日は学園の授業がある日だったが、とある理由から、エルルーアは中止になった。国王に闇の眷族と遭遇したというのをほのめかしたので、そのことを説明しなければならないからだ。
王女が、闇の眷族と接触したというのは、機密事項なので、限られた人物しかいない。この場には、国王の他には、アルフォンス、宰相の計三人。
本来なら、王妃とフランキスカも参加するはずだったのだが、王妃は体調不良、フランキスカは、進級に関わる試験があるので、どうしても休むわけにはいかなかった。
彩花はそう聞いていた。
「では、どういう経緯で闇の眷族と接触したのか答えてくれるか」
「はい」
彩花は、順番に説明した。ルカたち三人のことは言わなかったが、スラムに行ったときに遭遇し、倒したときの記憶はないが、その闇の眷族は、どこにもいなかったので、おそらく倒したのだろうということを。
「闇の眷族に普通の攻撃は通らないぞ。何を使った?」
「エクスカリバーという聖剣です」
彩花がそう言うと、アルフォンスは国王の方を見る。
国王は、少しだけ宰相の方を見たが、宰相は小さく首を横に振ると、国王が言葉を発した。
「そんな聖剣は聞いたことがない。作ることができるとすれば、クリエイトだろうが、どこで知った?クリエイトは、存在しないものは作れないぞ?」
クリエイトの欠点は、オリジナルは作ることができないことだ。現実に存在しているものでないといけない。
本に書いてある物は、現実にある本という世界に存在しているので、クリエイトで作ることができる。
簡単にいえば、自分で目にしたことがあるものしか作れないということだ。
「それは……えーっと…………どこだったかな……岩に刺さっていたのは覚えてるんだけど……」
彩花の世界では有名なものだったなんて言えるはずもないので、適当にごまかしておく。
いきなり、覚えてませんなどと言えば怪しまれるので、思い出そうとして思い出せないという体で。
そして、少しだけ真実も混ぜておく。これで真実味が増す。
「それなら、本の挿し絵か何かか。それか、記憶の伝達かもな」
「記憶の伝達……ですか?」
そんな言葉は本当に聞いたことがなくて、普通に聞き返した。
「エルフに継がれる魔法のようなものだ。本人が覚えのない記憶を有しているならそうだろう。大抵は、親の何かしらの記憶を受け継ぐが、先祖の場合もあれば、親戚の場合もある。共通しているのは、自分が生まれる前に、死ぬか仮死状態になっていることと、自分と血が繋がっていることだ」
ゲームには、そんな設定はなかったように思える。
エルルーアが、そんなすごい肩書きを持っていることもなかったので、少しずつゲームの流れから外れてきている。
今回の闇の眷族もそうだ。自分が狙われていた理由がそれならしかたないかもしれないが、ゲームが始まる前に、ゲームの敵キャラが現れるなんてことは、まずないだろう。
(これからも気をつけた方がいいかもね)
まだ、命の危機があるのは変わらない。むしろ、幹部クラスの闇の眷族を本当に倒していたのだとしたら、もっと狙われるかもしれない。
芽は早いうちに摘んでおくべきだからだ。
「それじゃあ、もう戻ってもいい」
「はい。これからはなるべくおとなしくしてますので」
エルルーアのその言葉を聞いた国王が、不信な目でエルルーアを見る。
「……カシティアみたいに、自分そっくりの人形を置いてごまかすなんて真似はするなよ?」
「あっ!その手があったか!」
人形とは、魔力で動く魔導人形のことだ。自分の命令に従って、自由に動かしたり、音声を届けることもできるので、簡単に身代わりをさせられる。
じゃじゃ馬だとアルフォンスが知らなかったのはそれが理由かと納得しながらも、自分もそうしていれば怒られなかったのかとも思っては声に出していた。
もちろん、無意識ではなくわざとだ。
「やるなと言っているだろうが!」
「それは、やれというふりですか?」
「そんなわけないだろ!」
「そんなに言わなくてもやりませんよ。……多分」
「「「多分!?」」」
エルルーアは、そう言いながら出ていった。彩花の言葉を聞いて、その場にいる全員が大きなため息をついた。
*ー*ー*ー
翌日になり、学園に復帰した日。周りの扱いが一変していた。
変わらないと言われれば、そこまで変わらないが、悪評は聞かなくなっていた。
その理由が気になって、彩花は友人のイルーミアにたずねる。
「それは、エルルーアさまが悪漢を魔法で捕らえたという噂が広まっているからですよ!エルルーアさまは、本当は良い人説が出回ってるんです!」
それを聞いて、彩花は納得すると同時に、少し違和感を感じる。
自分はあのとき、お忍びだったはずだ。騎士がいるとはいえ、第二師団が街の警備をしているのだから、いたとしてもおかしくはない。
それなら、悪漢を自分が捕まえるのはもちろんのこと、自分が詰所に行ったのを見たか、マティアスと一緒にいたのを見られでもしていないと、その悪漢を捕らえたのが自分だという噂は広まらないはずだ。
でも、相手はつけてきたような感じはしなかった。そんなのがあれば気づいている。
「それで、心当たりはある?」
どうにもわからなかったので、授業の終わりにマティアスを捕まえてたずねてみた。
「……あるとすれば、あいつですね」
「あいつ?」
「ほら、以前に城でお会いになられたでしょう。ソルディアですよ」
彩花は、記憶をたどって思い出す。そして、お城を抜け出そうとしたときに会ったのを思い出した。
「そんなのもいたわね」
「それで、王女殿下。夜中まで出歩いていたとお聞きしたのですが」
「失礼ね。夜中までは出歩いてないわよ」
「なるほど。では、出歩いたのは事実なのですね」
「そうよ?悪い?」
まったく悪びれないエルルーアに、マティアスは思わずため息をつく。わがまま放題なのも困っていたが、こんなじゃじゃ馬になられるのも困る。
「王女殿下、ご自分の立場を理解してくださらないと……」
「してるわよ?悪評がなくなってきたから、多分狙ってくるのが増えるでしょ。……あれとかね」
エルルーアの含みのある言葉に、マティアスは少し気になったが、言いたいことはそれではなかった。
自分が言っているのは、そうやって狙ってくるのが多くなってくるから、おとなしくしていてほしいという意味で、おとりをやってくれという意味ではない。
「それなら、もう良い子ちゃんを演じて、おびき寄せてみようかな?」
「いや、だから、そういうことでは……」
マティアスが何かを言う前に、エルルーアは体の向きを女子寮の方に変える。
「じゃあ、私の用はそれだけだから!」
「あっ、ちょっとお待ちください」
「なに?」
もう寮に帰ろうと思っていたところだったが、マティアスに呼び止められたので、体をマティアスに向けた。
「お茶会の招待に応じていないと聞きましたが、本当ですか?」
「ええ。ほとんどのは、見てすらいないわね。でも、なんであなたがそんなことを聞くの?」
「西の公爵家のご令嬢が、あなたが招待に応じてくれないと、私にまで愚痴をこぼしてきましたので」
西の公爵家は、公爵家の中で唯一の令嬢で、何かとフランキスカをライバル視してきた。
フランキスカさえいなければ、自分が社交でトップに立てるからだ。つまり、エルルーアは眼中にすらなかった。それを、急に招待状を送ってくるようになったのは、自分の存在を危険視し始めたということだ。
「こんなじゃじゃ馬王女を呼んで何をしたいのかしらね?」
「自覚があるのなら控えてください」
「それは、私に呼吸をするなと言っているようなものよ」
(そこまで不可能ではないだろ!)
馬鹿じゃないのというような顔でため息をつきながらそう言われて、マティアスは内心、腹を立てる。
「まぁ、おとなしくしようかなとは思っていたから、ちょっとはおとなしくしてるわ。向こうが手を出してこなければね」
「“ちょっと”ではなく、“かなり”くらいにしておいてください」
「愛しい婚約者にそう言われたらしかたないわね。じゃあ、私が動かなくても良いように守ってくれる?」
ニコニコ微笑みながら、そう言ってくるエルルーアに乗せられたような感じはしながらも、彼女の言うとおり、自分が守っていれば、彼女が動き回るようなことはしないと理解した。
ちょっとやり返してやろうという子供心が芽生えて、エルルーアの右手をとって、そこに口づけをする。
「もちろんですよ、愛しい婚約者殿」
「……あなたにそれを言われると、寒気しかしないわね」
「それはこちらのセリフです。合わせてあげたのに、それはないでしょう」
予想外の返答が返ってきて、思わず生意気な口調で言い返してしまった。
「じゃあ、もう用はないわね?私は戻るから」
「はい。どうぞ」
ちょっとからかうつもりでやったのに、思ったよりも響かなかったことに、少しだけふて腐れながら、マティアスは男子寮に戻った。
「まさか、手の甲にキスしてくるとは思わなかった……!」
彩花は、少しだけ頬を赤くしながらも、あれは急にされて驚いただけだと、女子寮に走って帰っていった。
王女が、闇の眷族と接触したというのは、機密事項なので、限られた人物しかいない。この場には、国王の他には、アルフォンス、宰相の計三人。
本来なら、王妃とフランキスカも参加するはずだったのだが、王妃は体調不良、フランキスカは、進級に関わる試験があるので、どうしても休むわけにはいかなかった。
彩花はそう聞いていた。
「では、どういう経緯で闇の眷族と接触したのか答えてくれるか」
「はい」
彩花は、順番に説明した。ルカたち三人のことは言わなかったが、スラムに行ったときに遭遇し、倒したときの記憶はないが、その闇の眷族は、どこにもいなかったので、おそらく倒したのだろうということを。
「闇の眷族に普通の攻撃は通らないぞ。何を使った?」
「エクスカリバーという聖剣です」
彩花がそう言うと、アルフォンスは国王の方を見る。
国王は、少しだけ宰相の方を見たが、宰相は小さく首を横に振ると、国王が言葉を発した。
「そんな聖剣は聞いたことがない。作ることができるとすれば、クリエイトだろうが、どこで知った?クリエイトは、存在しないものは作れないぞ?」
クリエイトの欠点は、オリジナルは作ることができないことだ。現実に存在しているものでないといけない。
本に書いてある物は、現実にある本という世界に存在しているので、クリエイトで作ることができる。
簡単にいえば、自分で目にしたことがあるものしか作れないということだ。
「それは……えーっと…………どこだったかな……岩に刺さっていたのは覚えてるんだけど……」
彩花の世界では有名なものだったなんて言えるはずもないので、適当にごまかしておく。
いきなり、覚えてませんなどと言えば怪しまれるので、思い出そうとして思い出せないという体で。
そして、少しだけ真実も混ぜておく。これで真実味が増す。
「それなら、本の挿し絵か何かか。それか、記憶の伝達かもな」
「記憶の伝達……ですか?」
そんな言葉は本当に聞いたことがなくて、普通に聞き返した。
「エルフに継がれる魔法のようなものだ。本人が覚えのない記憶を有しているならそうだろう。大抵は、親の何かしらの記憶を受け継ぐが、先祖の場合もあれば、親戚の場合もある。共通しているのは、自分が生まれる前に、死ぬか仮死状態になっていることと、自分と血が繋がっていることだ」
ゲームには、そんな設定はなかったように思える。
エルルーアが、そんなすごい肩書きを持っていることもなかったので、少しずつゲームの流れから外れてきている。
今回の闇の眷族もそうだ。自分が狙われていた理由がそれならしかたないかもしれないが、ゲームが始まる前に、ゲームの敵キャラが現れるなんてことは、まずないだろう。
(これからも気をつけた方がいいかもね)
まだ、命の危機があるのは変わらない。むしろ、幹部クラスの闇の眷族を本当に倒していたのだとしたら、もっと狙われるかもしれない。
芽は早いうちに摘んでおくべきだからだ。
「それじゃあ、もう戻ってもいい」
「はい。これからはなるべくおとなしくしてますので」
エルルーアのその言葉を聞いた国王が、不信な目でエルルーアを見る。
「……カシティアみたいに、自分そっくりの人形を置いてごまかすなんて真似はするなよ?」
「あっ!その手があったか!」
人形とは、魔力で動く魔導人形のことだ。自分の命令に従って、自由に動かしたり、音声を届けることもできるので、簡単に身代わりをさせられる。
じゃじゃ馬だとアルフォンスが知らなかったのはそれが理由かと納得しながらも、自分もそうしていれば怒られなかったのかとも思っては声に出していた。
もちろん、無意識ではなくわざとだ。
「やるなと言っているだろうが!」
「それは、やれというふりですか?」
「そんなわけないだろ!」
「そんなに言わなくてもやりませんよ。……多分」
「「「多分!?」」」
エルルーアは、そう言いながら出ていった。彩花の言葉を聞いて、その場にいる全員が大きなため息をついた。
*ー*ー*ー
翌日になり、学園に復帰した日。周りの扱いが一変していた。
変わらないと言われれば、そこまで変わらないが、悪評は聞かなくなっていた。
その理由が気になって、彩花は友人のイルーミアにたずねる。
「それは、エルルーアさまが悪漢を魔法で捕らえたという噂が広まっているからですよ!エルルーアさまは、本当は良い人説が出回ってるんです!」
それを聞いて、彩花は納得すると同時に、少し違和感を感じる。
自分はあのとき、お忍びだったはずだ。騎士がいるとはいえ、第二師団が街の警備をしているのだから、いたとしてもおかしくはない。
それなら、悪漢を自分が捕まえるのはもちろんのこと、自分が詰所に行ったのを見たか、マティアスと一緒にいたのを見られでもしていないと、その悪漢を捕らえたのが自分だという噂は広まらないはずだ。
でも、相手はつけてきたような感じはしなかった。そんなのがあれば気づいている。
「それで、心当たりはある?」
どうにもわからなかったので、授業の終わりにマティアスを捕まえてたずねてみた。
「……あるとすれば、あいつですね」
「あいつ?」
「ほら、以前に城でお会いになられたでしょう。ソルディアですよ」
彩花は、記憶をたどって思い出す。そして、お城を抜け出そうとしたときに会ったのを思い出した。
「そんなのもいたわね」
「それで、王女殿下。夜中まで出歩いていたとお聞きしたのですが」
「失礼ね。夜中までは出歩いてないわよ」
「なるほど。では、出歩いたのは事実なのですね」
「そうよ?悪い?」
まったく悪びれないエルルーアに、マティアスは思わずため息をつく。わがまま放題なのも困っていたが、こんなじゃじゃ馬になられるのも困る。
「王女殿下、ご自分の立場を理解してくださらないと……」
「してるわよ?悪評がなくなってきたから、多分狙ってくるのが増えるでしょ。……あれとかね」
エルルーアの含みのある言葉に、マティアスは少し気になったが、言いたいことはそれではなかった。
自分が言っているのは、そうやって狙ってくるのが多くなってくるから、おとなしくしていてほしいという意味で、おとりをやってくれという意味ではない。
「それなら、もう良い子ちゃんを演じて、おびき寄せてみようかな?」
「いや、だから、そういうことでは……」
マティアスが何かを言う前に、エルルーアは体の向きを女子寮の方に変える。
「じゃあ、私の用はそれだけだから!」
「あっ、ちょっとお待ちください」
「なに?」
もう寮に帰ろうと思っていたところだったが、マティアスに呼び止められたので、体をマティアスに向けた。
「お茶会の招待に応じていないと聞きましたが、本当ですか?」
「ええ。ほとんどのは、見てすらいないわね。でも、なんであなたがそんなことを聞くの?」
「西の公爵家のご令嬢が、あなたが招待に応じてくれないと、私にまで愚痴をこぼしてきましたので」
西の公爵家は、公爵家の中で唯一の令嬢で、何かとフランキスカをライバル視してきた。
フランキスカさえいなければ、自分が社交でトップに立てるからだ。つまり、エルルーアは眼中にすらなかった。それを、急に招待状を送ってくるようになったのは、自分の存在を危険視し始めたということだ。
「こんなじゃじゃ馬王女を呼んで何をしたいのかしらね?」
「自覚があるのなら控えてください」
「それは、私に呼吸をするなと言っているようなものよ」
(そこまで不可能ではないだろ!)
馬鹿じゃないのというような顔でため息をつきながらそう言われて、マティアスは内心、腹を立てる。
「まぁ、おとなしくしようかなとは思っていたから、ちょっとはおとなしくしてるわ。向こうが手を出してこなければね」
「“ちょっと”ではなく、“かなり”くらいにしておいてください」
「愛しい婚約者にそう言われたらしかたないわね。じゃあ、私が動かなくても良いように守ってくれる?」
ニコニコ微笑みながら、そう言ってくるエルルーアに乗せられたような感じはしながらも、彼女の言うとおり、自分が守っていれば、彼女が動き回るようなことはしないと理解した。
ちょっとやり返してやろうという子供心が芽生えて、エルルーアの右手をとって、そこに口づけをする。
「もちろんですよ、愛しい婚約者殿」
「……あなたにそれを言われると、寒気しかしないわね」
「それはこちらのセリフです。合わせてあげたのに、それはないでしょう」
予想外の返答が返ってきて、思わず生意気な口調で言い返してしまった。
「じゃあ、もう用はないわね?私は戻るから」
「はい。どうぞ」
ちょっとからかうつもりでやったのに、思ったよりも響かなかったことに、少しだけふて腐れながら、マティアスは男子寮に戻った。
「まさか、手の甲にキスしてくるとは思わなかった……!」
彩花は、少しだけ頬を赤くしながらも、あれは急にされて驚いただけだと、女子寮に走って帰っていった。
22
お気に入りに追加
3,547
あなたにおすすめの小説

「君を愛するつもりはない」と言ったら、泣いて喜ばれた
菱田もな
恋愛
完璧令嬢と名高い公爵家の一人娘シャーロットとの婚約が決まった第二皇子オズワルド。しかし、これは政略結婚で、婚約にもシャーロット自身にも全く興味がない。初めての顔合わせの場で「悪いが、君を愛するつもりはない」とはっきり告げたオズワルドに、シャーロットはなぜか歓喜の涙を浮かべて…?
※他サイトでも掲載中しております。

【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革
うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。
優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。
家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。
主人公は、魔法・知識チートは持っていません。
加筆修正しました。
お手に取って頂けたら嬉しいです。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。
克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。
加護を疑われ婚約破棄された後、帝国皇子の契約妃になって隣国を豊かに立て直しました
黎
ファンタジー
幼い頃、神獣ヴァレンの加護を期待され、ロザリアは王家に買い取られて王子の婚約者となった。しかし、侍女を取り上げられ、将来の王妃だからと都合よく仕事を押し付けられ、一方で、公爵令嬢があたかも王子の婚約者であるかのように振る舞う。そんな風に冷遇されながらも、ロザリアはヴァレンと共にたくましく生き続けてきた。
そんな中、王子がロザリアに「君との婚約では神獣の加護を感じたことがない。公爵令嬢が加護を持つと判明したし、彼女と結婚する」と婚約破棄をつきつける。
家も職も金も失ったロザリアは、偶然出会った帝国皇子ラウレンツに雇われることになる。元皇妃の暴政で荒廃した帝国を立て直そうとする彼の契約妃となったロザリアは、ヴァレンの力と自身の知恵と経験を駆使し、帝国を豊かに復興させていき、帝国とラウレンツの心に希望を灯す存在となっていく。
*短編に続きをとのお声をたくさんいただき、始めることになりました。引き続きよろしくお願いします。
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる