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第二章 ユニークスキル
40. ロナード
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リーリアさまの部屋から出て、当主さまのあとをついていく道すがら、当主さまが声をかけてきた。
「よかったのか」
その言葉に、僕は淡々と答える。
「僕は家族が大切なんです。自分のことは二の次ですよ」
あのまま子どものふりをするのは簡単だ。余計なことは話さず、バカみたいにヘラヘラしながらはいはいと頷いていればいい。
でも、それは家族の身を危険に晒し続けてまで行うべきではない。
これから家族が僕を見る目が変わろうとも、それでも構わない。
「そんなことより、僕は何をすべきなのですか」
「詳しいことは私の私室で話す。あまり口外するものでもないからな」
「……では、急いだほうがいいですね」
僕は、前を歩く当主さまの服の裾を掴む。当主さまは歩みを止めて、僕のほうに振り向いた。
「僕の足では遅いので、抱えてください」
「……は?」
訳がわからないという反応をする当主さまに、僕は語気を強めて言う。
「急ぐのでしょう?子どもの足では時間がかかるので、抱えてください」
「まったく君は……!」
いろいろと言いたいことはあるだろうに、当主さまは言葉を飲み込んで僕を抱き抱えた。
僕は、当主さまに顔を近づけて囁く。
「このまま話してくれていいんですよ?」
「本当の目的はそれか……」
当主さまは呆れたようにため息をつくけど、諦めたのか話してくれる。
「君には『複合』のスキルを使ってほしい」
ずいぶんと端的に話されたけど、自分に求められている役割はわかった。
「それは『大英断』の判断なのですか?」
「そうだ」
当主さまは即答した。その顔は苦渋に満ちているように見えた。
◇◇◇
当主さまの私室へとやってくると、そこには一人の男がいた。
当主さまが現れると同時に、この空間に緊張が走ったのを感じ取る。
「対象は彼ですね」
「捜索隊に加わっている我が家の兵士だ」
当主さまはそう言ってあるものを渡してくる。
**********
ロナード
魔法適性:青 緑
魔力強度:4
スキル
剣術 閃光 魔弾
**********
あの男のコントラクトカードのようだ。色が黒いから、身分は平民なのだろう。
僕が銀色の貴族用のコントラクトカードで見たときとはスキルの部分の表示が違う。貴族用のしかスキルの詳細を見られないと神官は言っていたけど、こういうことだったらしい。
銀色ですでに知っていたから、黒いほうで確認してなかったんだよね。
「この人が僕のスキルに適すると?」
「いや、口が堅い者を優先した。だが、『大英断』の判断ではこの者で充分という結論にいたった」
そう言いながら、当主さまは一枚の紙を手渡してくる。
「これは?」
「スキルの詳細が書かれたものだ。詳細を知らねば何を対象にすべきかわからないだろうと思ってな」
「ありがとうございます」
僕はしっかりとその資料に目を通す。
ーーーーーーーーーー
剣術:大剣、短剣、長剣を扱うことができる。本人の力量に左右される。
閃光:自分の周囲に瞬間的に強い光を発生させる
魔弾:魔力を弾丸にして飛ばす。消費量によって威力や飛距離が異なる。
ーーーーーーーーーー
ざっと確認した感じだと、閃光と魔弾が複合できそうかな?何の役に立つのかと聞かれてもわからないけど。
領主さま相手に一発で成功させたから、同じ要領でいけばやれないこともないだろう。油断するつもりはないけど、そこまで不安を抱いてはいない。
むしろ、レオンが危険な目に合っているかもしれないのに、自分が動けないことのほうにもどかしさを感じる。
ちゃんと助けてくれると信じてるけど、ただ待っているだけなのも嫌だ。
「……わかりました。条件があります」
「私に条件を提示すると?」
当主さまの眼光が鋭くなる。僕は、決して目をそらさず、静かに見つめ返す。
「僕も一緒に連れていってください」
「……わかっているのか?」
「危険があるかもしれないということでしたら承知しております。一人で行動はしません。その場でレオンの無事を確認したいだけです」
ダメだと言われてもついていくつもりだけど。
僕の揺らがない意志を感じ取ったのか、当主さまは深くため息をついた。
「わかった。捜索隊の人員をもう少し増やす。必ず二人……いや、三人以上で行動するように」
「かしこまりました」
僕が了承すると、当主さまはコントラクトカードを僕のほうにかざしてくる。
まぁ、口約束じゃ信用ならないんだろうな。僕も信用してないし。
僕は貴族用の銀のコントラクトカードを取り出した。
「レオンの捜索隊に僕を同行させること」
「捜索隊と行動を共にしている場合は三人以上で行動すること」
僕たちがお互いのコントラクトカードに魔力を通して『契約』を完了する。
「では、やってくれ」
「はい」
僕は立ち上がると、ロナードさん前に立つ。
「失礼します」
一応、声をかけてから、僕は意識を集中させた。
閃光と魔弾。二つの効能を合わせるなら、魔力で自由自在に扱える閃光の銃弾といったところだろうか。
指先から光が飛び出し、強くきらめくといった感じだろうか。光は高温だから、当たればやけどとかもしそうだ。
地味な感じはあるけど、使いどころは多そうだな。
(『閃光』と『魔弾』を『複合』)
僕が一際強く念じると、強い脱力感に襲われる。
膝が崩れ落ちたものの、地面に伏せることはなかった。目の前に立っていたロナードさんがさっと支えてくれたからだ。
「どうかなさいましたか?」
ロナードさんは心配そうに僕の顔を覗き込んでくる。
兵士らしいけど、顔も態度も全然兵士らしくない。どちらかといえば、貴公子のような雰囲気だ。貴族の隠し子と言われても信じるだろうくらいには顔もいいし。
まぁ、顔とか抜きにしても、この行動だけで僕の株価は急上昇しているのだけど。
「いえ、スキルを使うといつもこうなるんです。気にしないでください」
「そのようなことはできません。今回は脱力で済みましたが、気を失うようなことがあればどうされるのですか」
「今のところは大丈夫です。これ以上スキルを使うつもりはありませんから」
「ですが、後に悪化する可能性もないとは言えないのでしょう?スキルだけでなく魔法の使用もお控えになるべきでは……」
僕が気にするなと言っても、ロナードさんもなかなか退こうとしない。
「話はそれくらいにしてくれ。今はレオンくんを探す必要がある」
どうするべきかと思い始めると、当主さまが口を挟んできた。
もっと早くせんかい。
文句を言ってやりたかったけど、それはレオンの無事を確認してからにしておくことにしよう。
「ひとまず、ロナードはこちらでルイによって複合されたスキルを確認してくれ」
当主さまは金属の板のようなものを取り出す。それは、以前に見た更新の道具によく似ていた。違いといえば、更新の道具は石材のようだったけどこれは金属のようだということと、厚さが薄いことだろうか。
ロナードさんが窪みにコントラクトカードを嵌めると、石板に光の文字が浮かび上がってくる。
更新の道具もそうだけど、一体どういう仕組みなんだろう?
ーーーーーーーーーー
ロナード
魔法適性:青 緑
魔力強度:4
スキル
『剣術』:大剣、短剣、長剣を扱うことができる。本人の力量に左右される。
複合スキル
『閃光弾』:魔力を消費して閃光の弾丸を飛ばす。魔力の消費量によって威力や飛距離が異なる。『閃光』と『魔弾』を複合したスキル
ーーーーーーーーーー
まるで貴族用のコントラクトカードで見たような詳細な説明つきで表示されていた。
本当に、どういう仕組みなんだか。説明されたところで理解できないと思うから、そういうものだと思っておくけど。
「このように表示されるのですね」
ロナードさんが感心するように板を覗き込んでいる。まぁ、貴族用のコントラクトカードを持ってない限り、スキルの詳細を知る機会なんてほとんどないだろうしね。
というか、当たり前のように文字を読んでいるけど、平民なのに字が読めるのか。
僕みたいな特殊なケースを除けば、商人でもない限りは字を習う機会はないはずなんだけど。
兵士なのにやけにへりくだった態度といい、ロナードさんにも何かありそうだな。
「複合スキルも通常のスキルと同じように使うことができる。複合する前のスキルも使うことが可能だ。状況に応じて使い分けるように」
「かしこまりました」
「では、行くぞ」
「「はい」」
部屋を出ていった当主さまの後を、僕とロナードさんは静かについていった。
「よかったのか」
その言葉に、僕は淡々と答える。
「僕は家族が大切なんです。自分のことは二の次ですよ」
あのまま子どものふりをするのは簡単だ。余計なことは話さず、バカみたいにヘラヘラしながらはいはいと頷いていればいい。
でも、それは家族の身を危険に晒し続けてまで行うべきではない。
これから家族が僕を見る目が変わろうとも、それでも構わない。
「そんなことより、僕は何をすべきなのですか」
「詳しいことは私の私室で話す。あまり口外するものでもないからな」
「……では、急いだほうがいいですね」
僕は、前を歩く当主さまの服の裾を掴む。当主さまは歩みを止めて、僕のほうに振り向いた。
「僕の足では遅いので、抱えてください」
「……は?」
訳がわからないという反応をする当主さまに、僕は語気を強めて言う。
「急ぐのでしょう?子どもの足では時間がかかるので、抱えてください」
「まったく君は……!」
いろいろと言いたいことはあるだろうに、当主さまは言葉を飲み込んで僕を抱き抱えた。
僕は、当主さまに顔を近づけて囁く。
「このまま話してくれていいんですよ?」
「本当の目的はそれか……」
当主さまは呆れたようにため息をつくけど、諦めたのか話してくれる。
「君には『複合』のスキルを使ってほしい」
ずいぶんと端的に話されたけど、自分に求められている役割はわかった。
「それは『大英断』の判断なのですか?」
「そうだ」
当主さまは即答した。その顔は苦渋に満ちているように見えた。
◇◇◇
当主さまの私室へとやってくると、そこには一人の男がいた。
当主さまが現れると同時に、この空間に緊張が走ったのを感じ取る。
「対象は彼ですね」
「捜索隊に加わっている我が家の兵士だ」
当主さまはそう言ってあるものを渡してくる。
**********
ロナード
魔法適性:青 緑
魔力強度:4
スキル
剣術 閃光 魔弾
**********
あの男のコントラクトカードのようだ。色が黒いから、身分は平民なのだろう。
僕が銀色の貴族用のコントラクトカードで見たときとはスキルの部分の表示が違う。貴族用のしかスキルの詳細を見られないと神官は言っていたけど、こういうことだったらしい。
銀色ですでに知っていたから、黒いほうで確認してなかったんだよね。
「この人が僕のスキルに適すると?」
「いや、口が堅い者を優先した。だが、『大英断』の判断ではこの者で充分という結論にいたった」
そう言いながら、当主さまは一枚の紙を手渡してくる。
「これは?」
「スキルの詳細が書かれたものだ。詳細を知らねば何を対象にすべきかわからないだろうと思ってな」
「ありがとうございます」
僕はしっかりとその資料に目を通す。
ーーーーーーーーーー
剣術:大剣、短剣、長剣を扱うことができる。本人の力量に左右される。
閃光:自分の周囲に瞬間的に強い光を発生させる
魔弾:魔力を弾丸にして飛ばす。消費量によって威力や飛距離が異なる。
ーーーーーーーーーー
ざっと確認した感じだと、閃光と魔弾が複合できそうかな?何の役に立つのかと聞かれてもわからないけど。
領主さま相手に一発で成功させたから、同じ要領でいけばやれないこともないだろう。油断するつもりはないけど、そこまで不安を抱いてはいない。
むしろ、レオンが危険な目に合っているかもしれないのに、自分が動けないことのほうにもどかしさを感じる。
ちゃんと助けてくれると信じてるけど、ただ待っているだけなのも嫌だ。
「……わかりました。条件があります」
「私に条件を提示すると?」
当主さまの眼光が鋭くなる。僕は、決して目をそらさず、静かに見つめ返す。
「僕も一緒に連れていってください」
「……わかっているのか?」
「危険があるかもしれないということでしたら承知しております。一人で行動はしません。その場でレオンの無事を確認したいだけです」
ダメだと言われてもついていくつもりだけど。
僕の揺らがない意志を感じ取ったのか、当主さまは深くため息をついた。
「わかった。捜索隊の人員をもう少し増やす。必ず二人……いや、三人以上で行動するように」
「かしこまりました」
僕が了承すると、当主さまはコントラクトカードを僕のほうにかざしてくる。
まぁ、口約束じゃ信用ならないんだろうな。僕も信用してないし。
僕は貴族用の銀のコントラクトカードを取り出した。
「レオンの捜索隊に僕を同行させること」
「捜索隊と行動を共にしている場合は三人以上で行動すること」
僕たちがお互いのコントラクトカードに魔力を通して『契約』を完了する。
「では、やってくれ」
「はい」
僕は立ち上がると、ロナードさん前に立つ。
「失礼します」
一応、声をかけてから、僕は意識を集中させた。
閃光と魔弾。二つの効能を合わせるなら、魔力で自由自在に扱える閃光の銃弾といったところだろうか。
指先から光が飛び出し、強くきらめくといった感じだろうか。光は高温だから、当たればやけどとかもしそうだ。
地味な感じはあるけど、使いどころは多そうだな。
(『閃光』と『魔弾』を『複合』)
僕が一際強く念じると、強い脱力感に襲われる。
膝が崩れ落ちたものの、地面に伏せることはなかった。目の前に立っていたロナードさんがさっと支えてくれたからだ。
「どうかなさいましたか?」
ロナードさんは心配そうに僕の顔を覗き込んでくる。
兵士らしいけど、顔も態度も全然兵士らしくない。どちらかといえば、貴公子のような雰囲気だ。貴族の隠し子と言われても信じるだろうくらいには顔もいいし。
まぁ、顔とか抜きにしても、この行動だけで僕の株価は急上昇しているのだけど。
「いえ、スキルを使うといつもこうなるんです。気にしないでください」
「そのようなことはできません。今回は脱力で済みましたが、気を失うようなことがあればどうされるのですか」
「今のところは大丈夫です。これ以上スキルを使うつもりはありませんから」
「ですが、後に悪化する可能性もないとは言えないのでしょう?スキルだけでなく魔法の使用もお控えになるべきでは……」
僕が気にするなと言っても、ロナードさんもなかなか退こうとしない。
「話はそれくらいにしてくれ。今はレオンくんを探す必要がある」
どうするべきかと思い始めると、当主さまが口を挟んできた。
もっと早くせんかい。
文句を言ってやりたかったけど、それはレオンの無事を確認してからにしておくことにしよう。
「ひとまず、ロナードはこちらでルイによって複合されたスキルを確認してくれ」
当主さまは金属の板のようなものを取り出す。それは、以前に見た更新の道具によく似ていた。違いといえば、更新の道具は石材のようだったけどこれは金属のようだということと、厚さが薄いことだろうか。
ロナードさんが窪みにコントラクトカードを嵌めると、石板に光の文字が浮かび上がってくる。
更新の道具もそうだけど、一体どういう仕組みなんだろう?
ーーーーーーーーーー
ロナード
魔法適性:青 緑
魔力強度:4
スキル
『剣術』:大剣、短剣、長剣を扱うことができる。本人の力量に左右される。
複合スキル
『閃光弾』:魔力を消費して閃光の弾丸を飛ばす。魔力の消費量によって威力や飛距離が異なる。『閃光』と『魔弾』を複合したスキル
ーーーーーーーーーー
まるで貴族用のコントラクトカードで見たような詳細な説明つきで表示されていた。
本当に、どういう仕組みなんだか。説明されたところで理解できないと思うから、そういうものだと思っておくけど。
「このように表示されるのですね」
ロナードさんが感心するように板を覗き込んでいる。まぁ、貴族用のコントラクトカードを持ってない限り、スキルの詳細を知る機会なんてほとんどないだろうしね。
というか、当たり前のように文字を読んでいるけど、平民なのに字が読めるのか。
僕みたいな特殊なケースを除けば、商人でもない限りは字を習う機会はないはずなんだけど。
兵士なのにやけにへりくだった態度といい、ロナードさんにも何かありそうだな。
「複合スキルも通常のスキルと同じように使うことができる。複合する前のスキルも使うことが可能だ。状況に応じて使い分けるように」
「かしこまりました」
「では、行くぞ」
「「はい」」
部屋を出ていった当主さまの後を、僕とロナードさんは静かについていった。
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