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第二章 ユニークスキル
39. ルイの憶測
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僕の質問に真っ先に口を開いたのはリーリアさまだった。
「それは、この辺りの出身ではないからでは」
「では、彼らは遠方から来た旅人ということになりますね」
「……それが何か?」
リーリアさまはこてんと首をかしげる。父さんや母さんもピンと来ていないらしい。
「吹雪が始まるかもしれない時期にわざわざこの街までやってくる理由がありますか?」
僕の言葉に、リーリアさまはハッとなる。まだ吹雪のことを知らなかったのなら、たまたまこの時期に来てしまった哀れな旅人で終わる。
でも、黒いフードの集団は自分たちのほうから吹雪の時期を聞いているのだから、この街では吹雪が起こることを知っていたと思われる。
もちろん、宿の人間に注意されたとかそういう可能性もあるけど、目が合うだけで逃げたという噂があるのを考えると、必要以上にこの街の人間と関わろうとはしていないように思う。
そんな状況で、吹雪の話題が出るほど親しくなっているとは思えない。
「では、彼らは何かの目的を持ってこの街に来たと?」
「はっきりしたことは言えません。なので、あくまでも推測なのですが」
僕がそう前置きすると、全員の目つきが真剣になる。子どもの言葉なのに、きちんと耳を傾けようとしてくれているのが嬉しい。
「その黒いフードの集団は、吹雪が起こる日を知りたがっているのかもしれません」
「吹雪が起こる日?そんなの、当日にならなきゃわからねぇだろ」
父さんの最もな言葉に心のなかで頷きつつも、僕はたずねた。
「その話しかけられたって人、お年寄りだったりしない?」
「うん?……ああ、確かに俺よりも年上のじいさんだが」
「なら、この街にも長く住んでるってことだよね?」
「……ああ」
父さんが何が言いたいんだという目をしてきたので、僕は考えを述べた。
「街に長く住んでるならさ、吹雪の前兆とかがわかるでしょ?」
僕は前世では吹雪を経験したことはないけど、今世では雪を見たことはあるし、強く吹雪いていたのも家の中から見たことある。
壁がギシギシと揺れて、家が壊れるんじゃないかと怯えていたっけ。今は慣れたものだけど。
でも、そんな僕でも吹雪の前兆はなんとなく掴めている。
まず当然だけど気温が低いこと。そして、吹雪が始まる前には強い風が吹いている。なので、この街の住人は手だけを外に出して、風の強さで外出するか決めているくらいだ。外出していても、風が強くなってきたら近くの建物に入れてもらったりすることもあるのだとか。
父さんと母さんにも、この時期に僕やレオンが外で遊ぼうとすると、風が強くなったら近くの家に入れてもらいなさいとよく言われる。
「この街の人間なら吹雪の危険性は知っているから、その前兆をいち早く感じ取れるくらいに鋭い感覚がある。でも、街の外から来た人間ってそうでもないじゃない?」
「そうね……店には旅人もよく来るけど、雪を知らないって聞いたときは驚いたわ」
そんな遠方から来る人もいるのか。まぁ、旅人ならおかしくないか。
「だから、知ってそうな人に聞いたんだよ。お年寄りなら、旅人じゃなくてこの街に住んでる人って思うだろうし」
「……確かに筋が通る話だが、なぜ吹雪の日を知りたがったんだ?」
「そこまではわからないよ。だけど、吹雪の日に何かあるのは確かだと思う」
わかっている情報から状況を分析してみたが、結果はわからないままだ。
「では、その集団の泊まっている宿を中心に探せば……」
「まだその人たちがレオンの失踪に関わっているとは限りません。ひょっこり帰ってくる可能性もありますし」
たとえ黒いフードの集団がレオンの失踪に関わっていたとして、レオンをどうしようというのかまるで想像がつかない。もう少し情報がいる。
「残念ながら、その可能性は低い」
そう言いながら入ってきたのは領主さまだった。
部屋の主の許可なく入ってきたことや、その表情から見て、ただごとではなさそうだ。
「どういう意味でしょうか」
「先ほど、捜索隊の者がこれを持ってきた」
領主さまは、僕たちに黒いカードを見せる。それは、平民用のコントラクトカードだ。
僕はまさかと思い、領主さまに尋ねる。
「それは、レオンのものですか?」
「ああ。特別な鑑定道具を使えばカードに記録されている内容を調べることができるが、それを使ったらレオンの名が刻まれていた」
僕が両親の様子を伺うと、母さんは顔を青くして、父さんは目を見開いていた。
リーリアさまも、手で口を覆うくらいに動揺している。
僕は、自分でも驚くくらいに冷静だった。想定していたことではあったからかもしれない。
「どこで見つかったのですか?」
「君たちの家から2ブロックほど離れた場所にある路地だ。ただ気づかずに落としただけかもしれないが、嫌な予感が拭えない」
「領主さまの『直感』ですか?」
「……いや、『大英断』だ」
周りはなんの話だとばかりに不思議そうに僕たちを見ている。
僕も領主さまも周りの様子には気づいていたけど、今は説明する暇はない。
「その『大英断』が、君なら解決できると訴えているんだ」
領主さまは僕をまっすぐ見据える。『大英断』というスキルがどんなものかはわからない。でも、領主さまが僕に期待を寄せているのは確かだろう。
それがスキルを信じているのか、自分の判断かはわからないけど。
「……私は、奥さまに関してのことしか聞いておりません」
母さんが僕を抱き寄せて、領主さまに訴える。
直訳するなら、僕にそんな危険なことをさせるわけにはいかないといったところか。
母さんも、言葉の節々からレオンが危険な目に合っている可能性が高いことや、それを解決するために僕に助力を求めようとしていることに気づいたのだろう。
母さんもディアナお嬢さまの針子として屋敷を出入りしている身なので、貴族のマナーはそれなりに詳しいし、振る舞いも身につけている。
貴族特有の遠回しの会話もそれなりにできるのだ。
時折見られるかっこいい母さんだ。
「このコントラクトカードが見つかったのはつい先ほどのことだからな。話す余裕もなかった」
「ですが、私は『大英断』というものも知りませんでした。ルイはご存じのようでしたが」
母さんの目が鋭い。下手をすれば無礼と取られる……というか、無礼そのものだ。
「申し訳ないが、それは私の口からは話せんな」
欠片も申し訳ないと思っていなさそうな顔で領主さまは言う。
母さんは納得のいかない顔をしているけど、これ以上踏み込むことはせず、僕のほうに顔を向ける。
僕は、ごくりと息を飲んだ。
「……ルイ、あなたが決めなさい」
僕は、すぐに返事ができなかった。それどころか、呼吸も一瞬止まったような気がした。
いつもの母さんじゃない。僕を見る目も、その顔も、言葉の抑揚も、息子に向けるものではない。リーリアさまの友人であり、ヴァレンの民のルイに向けるものだ。
「……当主さまのご用命とあらば」
命令とは言わなかった。領主さま……いや、当主さまもそのような意味で僕に話を持ちかけたわけではないだろうから。
母さんは、朗らかに笑った。それが、母さんの答えなんだろう。
僕が母さんから離れて、当主さまに向き直ると、当主さまは僕に背を向ける。
「では、行こうか」
「はい」
僕は、当主さまの後を静かについていった。
「それは、この辺りの出身ではないからでは」
「では、彼らは遠方から来た旅人ということになりますね」
「……それが何か?」
リーリアさまはこてんと首をかしげる。父さんや母さんもピンと来ていないらしい。
「吹雪が始まるかもしれない時期にわざわざこの街までやってくる理由がありますか?」
僕の言葉に、リーリアさまはハッとなる。まだ吹雪のことを知らなかったのなら、たまたまこの時期に来てしまった哀れな旅人で終わる。
でも、黒いフードの集団は自分たちのほうから吹雪の時期を聞いているのだから、この街では吹雪が起こることを知っていたと思われる。
もちろん、宿の人間に注意されたとかそういう可能性もあるけど、目が合うだけで逃げたという噂があるのを考えると、必要以上にこの街の人間と関わろうとはしていないように思う。
そんな状況で、吹雪の話題が出るほど親しくなっているとは思えない。
「では、彼らは何かの目的を持ってこの街に来たと?」
「はっきりしたことは言えません。なので、あくまでも推測なのですが」
僕がそう前置きすると、全員の目つきが真剣になる。子どもの言葉なのに、きちんと耳を傾けようとしてくれているのが嬉しい。
「その黒いフードの集団は、吹雪が起こる日を知りたがっているのかもしれません」
「吹雪が起こる日?そんなの、当日にならなきゃわからねぇだろ」
父さんの最もな言葉に心のなかで頷きつつも、僕はたずねた。
「その話しかけられたって人、お年寄りだったりしない?」
「うん?……ああ、確かに俺よりも年上のじいさんだが」
「なら、この街にも長く住んでるってことだよね?」
「……ああ」
父さんが何が言いたいんだという目をしてきたので、僕は考えを述べた。
「街に長く住んでるならさ、吹雪の前兆とかがわかるでしょ?」
僕は前世では吹雪を経験したことはないけど、今世では雪を見たことはあるし、強く吹雪いていたのも家の中から見たことある。
壁がギシギシと揺れて、家が壊れるんじゃないかと怯えていたっけ。今は慣れたものだけど。
でも、そんな僕でも吹雪の前兆はなんとなく掴めている。
まず当然だけど気温が低いこと。そして、吹雪が始まる前には強い風が吹いている。なので、この街の住人は手だけを外に出して、風の強さで外出するか決めているくらいだ。外出していても、風が強くなってきたら近くの建物に入れてもらったりすることもあるのだとか。
父さんと母さんにも、この時期に僕やレオンが外で遊ぼうとすると、風が強くなったら近くの家に入れてもらいなさいとよく言われる。
「この街の人間なら吹雪の危険性は知っているから、その前兆をいち早く感じ取れるくらいに鋭い感覚がある。でも、街の外から来た人間ってそうでもないじゃない?」
「そうね……店には旅人もよく来るけど、雪を知らないって聞いたときは驚いたわ」
そんな遠方から来る人もいるのか。まぁ、旅人ならおかしくないか。
「だから、知ってそうな人に聞いたんだよ。お年寄りなら、旅人じゃなくてこの街に住んでる人って思うだろうし」
「……確かに筋が通る話だが、なぜ吹雪の日を知りたがったんだ?」
「そこまではわからないよ。だけど、吹雪の日に何かあるのは確かだと思う」
わかっている情報から状況を分析してみたが、結果はわからないままだ。
「では、その集団の泊まっている宿を中心に探せば……」
「まだその人たちがレオンの失踪に関わっているとは限りません。ひょっこり帰ってくる可能性もありますし」
たとえ黒いフードの集団がレオンの失踪に関わっていたとして、レオンをどうしようというのかまるで想像がつかない。もう少し情報がいる。
「残念ながら、その可能性は低い」
そう言いながら入ってきたのは領主さまだった。
部屋の主の許可なく入ってきたことや、その表情から見て、ただごとではなさそうだ。
「どういう意味でしょうか」
「先ほど、捜索隊の者がこれを持ってきた」
領主さまは、僕たちに黒いカードを見せる。それは、平民用のコントラクトカードだ。
僕はまさかと思い、領主さまに尋ねる。
「それは、レオンのものですか?」
「ああ。特別な鑑定道具を使えばカードに記録されている内容を調べることができるが、それを使ったらレオンの名が刻まれていた」
僕が両親の様子を伺うと、母さんは顔を青くして、父さんは目を見開いていた。
リーリアさまも、手で口を覆うくらいに動揺している。
僕は、自分でも驚くくらいに冷静だった。想定していたことではあったからかもしれない。
「どこで見つかったのですか?」
「君たちの家から2ブロックほど離れた場所にある路地だ。ただ気づかずに落としただけかもしれないが、嫌な予感が拭えない」
「領主さまの『直感』ですか?」
「……いや、『大英断』だ」
周りはなんの話だとばかりに不思議そうに僕たちを見ている。
僕も領主さまも周りの様子には気づいていたけど、今は説明する暇はない。
「その『大英断』が、君なら解決できると訴えているんだ」
領主さまは僕をまっすぐ見据える。『大英断』というスキルがどんなものかはわからない。でも、領主さまが僕に期待を寄せているのは確かだろう。
それがスキルを信じているのか、自分の判断かはわからないけど。
「……私は、奥さまに関してのことしか聞いておりません」
母さんが僕を抱き寄せて、領主さまに訴える。
直訳するなら、僕にそんな危険なことをさせるわけにはいかないといったところか。
母さんも、言葉の節々からレオンが危険な目に合っている可能性が高いことや、それを解決するために僕に助力を求めようとしていることに気づいたのだろう。
母さんもディアナお嬢さまの針子として屋敷を出入りしている身なので、貴族のマナーはそれなりに詳しいし、振る舞いも身につけている。
貴族特有の遠回しの会話もそれなりにできるのだ。
時折見られるかっこいい母さんだ。
「このコントラクトカードが見つかったのはつい先ほどのことだからな。話す余裕もなかった」
「ですが、私は『大英断』というものも知りませんでした。ルイはご存じのようでしたが」
母さんの目が鋭い。下手をすれば無礼と取られる……というか、無礼そのものだ。
「申し訳ないが、それは私の口からは話せんな」
欠片も申し訳ないと思っていなさそうな顔で領主さまは言う。
母さんは納得のいかない顔をしているけど、これ以上踏み込むことはせず、僕のほうに顔を向ける。
僕は、ごくりと息を飲んだ。
「……ルイ、あなたが決めなさい」
僕は、すぐに返事ができなかった。それどころか、呼吸も一瞬止まったような気がした。
いつもの母さんじゃない。僕を見る目も、その顔も、言葉の抑揚も、息子に向けるものではない。リーリアさまの友人であり、ヴァレンの民のルイに向けるものだ。
「……当主さまのご用命とあらば」
命令とは言わなかった。領主さま……いや、当主さまもそのような意味で僕に話を持ちかけたわけではないだろうから。
母さんは、朗らかに笑った。それが、母さんの答えなんだろう。
僕が母さんから離れて、当主さまに向き直ると、当主さまは僕に背を向ける。
「では、行こうか」
「はい」
僕は、当主さまの後を静かについていった。
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