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第二章 ユニークスキル
38. 黒のフード集団の謎
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『レオンくんの姿が見えないそうだ』
この言葉を理解するまで、どれくらいかかっただろう。
「レオンが……いない……のですか?」
母さんは体を震わせながらも、言葉を絞り出して尋ねている。
「ああ。家にいたロードに聞けば、十分ほど前に外に出かけたそうなんだが……この時期に外に出るのは妙だろう?」
領主さまの言う通りだ。今の時期は、冬支度の真っ最中であり、早ければ一週間後くらいには雪が降り始めてもおかしくない頃である。
インフラや警備の面でも日本に劣り、防寒具も心もとない状況で、フラフラと出歩くようなレオンではない。
サンくんたちも遊びに誘う余裕はあまりないだろうし……
「ただ散歩したくなったか、近所の子どもと遊んでいるだけかもしれないが……念のため、レオンくんの捜索をしてみようと思ってな。ルーシーとルイくんにも知らせておこうと思ったんだ」
「ありがとうございます、当主さま」
母さんが深々と頭を下げたのを見て、僕も倣うように頭を下げた。
レオンのような子どもじゃ、そう遠くにはいけないだろうから大丈夫だとは思うけど、心配なものは心配だ。
「そこですまないが、事件性がないと判断されるまでは、二人には屋敷にいてもらいたい」
「かしこまりました」
「僕も大丈夫です。父もこちらに?」
レオンはもちろん、家に一人残っている父さんも心配だ。事件性がないならまだしも、もし何か事件に巻き込まれたのなら、父さんの身も危険だろう。
「ああ。我が家の者をつけてこちらに向かわせている。到着したらまた知らせよう」
「かしこまりました」
僕は感謝の意も込めて、再び頭を下げる。レオンが早く見つかればいいと願いながら。
◇◇◇
そんな願いも虚しく、レオンは見つからない。あれから一時間ほどたっているが、それほど捜索が難航することなどあるのだろうか。
僕たちの住んでいる街は、狭いわけではないが広くもない。街を横断するのに、馬車で二時間ほどかかる程度である。
領主さまは、かなり大規模に捜索してくれているらしいので、そろそろ見つかってもおかしくはない頃なのだが……手がかりすら掴めていないそうだ。
「レオンは、このように勝手に出歩いたりはなさらなかったのですよね?」
「はい。少なくとも、出かけることを私たちに伝えてから出ていきます」
リーリアさまの質問に母さんが応答する。
リーリアさまの部屋には、僕と母さんに加えて父さんも一緒にいる。領主さまいわく、一つの部屋に固まってくれているほうがいろいろと都合がいいから、ということらしい。
リーリアさまも嫌な顔をすることなく招き入れてくれて、お茶やお菓子をご馳走してもらっている。
レオンのことを思うとお菓子は喉を通らないけど、喉は渇くのでお茶だけは飲んでいる。
最初はリーリアさまの持っているぬいぐるみのことや、僕が考えた料理のレシピのことを話したりしてたんだけど、さすがに一時間たっても手がかりなしだとリーリアさまも気にかかるのか、両親にいろいろと尋ね始めたのだ。
「今日も、薪が足りないから分けてもらってくると言って出ていきました」
僕が生まれる前は知らないけど、僕が生まれてからのレオンは、どこで何をするのか簡潔に伝えてから出ていっていた。
だから両親も僕も心配していなかったし、今までは普通に帰ってきていた。今回も父さんは出かけていたことを知っていたしそれを疑問に思っていなかったようだから、そんなにおかしな理由でもないのだろう。
なら、本来の用事とは別に何らかのトラブルに巻き込まれて帰れない状況になっていると考えるべきだけど……それは、どう考えても事件性があるとしか思えない。
「この時間帯に出かけるほど足りなかったのですか?」
ただいまの時刻は夕方であり、そろそろ太陽が沈む頃である。
時計がないので正確な時刻はわからないけど、季節を考えると16時~17時といったところだろう。そこから逆算すると、レオンが出かけたのは15時~16時となる。
そんな時間にわざわざ薪を取りに行くのは確かに不自然だ。特に今は、謎のフードの集団がうろついているという話があるから、早めの帰宅を促されているとサンくんたちは言っていたし、レオンもそれを聞いていたから、不用意な外出をしたりはしないだろう。
「薪が足りないかもしれないと呟きはしました。それを聞いたレオンが自分が取りに行くと行って外に出たのです」
父さんの言葉だけで?ますます不自然だ。レオンの性格なら、父さんに薪の残りを確認するはずなのに。
やっぱり、何か裏がありそうだな、これ。
「彼には、外に出る理由が欲しかったのでしょうか」
リーリアさまの考えに僕も賛同する。どう考えてもそうとしか思えない。でも、僕に心当たりはないし、レオンがいなくなったことに動揺していた母さんもないだろう。
あるとするなら薪を取りに行くと言って出ていったレオンを止めなかった父さんくらいだ。
「……確信はないのですが、心当たりがないわけではないです」
そう口にしたのは父さんだった。全員が父さんのほうに注目すると、父さんは僕のほうを見て尋ねる。
「ルイ。以前に、黒いフードの集団が現れるという話をしてくれたことがあるだろう?」
「うん」
僕もサンくんたちから話を聞いただけだから詳しくは知らないけど……ここでその話題を出すということは、やっぱり善良な旅人というわけではなかったみたいだな。
「お前たちの身の安全もあるし、その集団について話していた常連客に詳しく聞いてみたんだ」
なんと、聞き取り調査をしてくれていたらしい。
今まで僕たちに何も言わなかったのなら、特に実のある結果が出ていたわけではないのだろうけど……
「そのなかに、その集団と思われる存在に話しかけられたという人がいた」
これには、僕は素直に驚いた。
サンくんたちから聞いた話では、街の人と目が合うだけで逃げていくと言っていた。それなのに、街の人に話しかけるなんて矛盾している。
もちろん噂話だから、サンくんたちの話がすべて真実とは限らないけど……噂というのは、誇張されていくものなので、話に尾ひれがつくことはあっても、正反対の情報が流れることはまずないはずだ。
「どのような話をされたのですか?」
「吹雪はいつから始まるのかと聞かれただけのようです。当人も少し不思議に思いながらも正直に答えると、彼らはお礼を言って去っていったと」
「……そう、ですか」
リーリアさまは呆然としている。多分、もう少し物騒なことでも言われていると思ったんだろうけど、ここで気になることはそこではない。
母さんも意外そうな顔をしているので、この質問のおかしさに気づいてないみたいだ。
「……その人たちは、どうして吹雪が始まる時を聞いたの?」
「そりゃあ、危険がないようにだろ?長く留まるつもりなら冬支度をしなくちゃならないし、吹雪の日は外に出たらいけねぇしな」
「違うよ」
僕が父さんの答えをピシャリと切り捨てると、その瞬間、空気が強ばったのがわかった。
……あまり、子どもらしからぬ行動は取りたくなかった。でも、レオンの身がかかっているなら。
「その人たちは、どうして吹雪が始まる時を知らなかったのって聞いたの」
この言葉を理解するまで、どれくらいかかっただろう。
「レオンが……いない……のですか?」
母さんは体を震わせながらも、言葉を絞り出して尋ねている。
「ああ。家にいたロードに聞けば、十分ほど前に外に出かけたそうなんだが……この時期に外に出るのは妙だろう?」
領主さまの言う通りだ。今の時期は、冬支度の真っ最中であり、早ければ一週間後くらいには雪が降り始めてもおかしくない頃である。
インフラや警備の面でも日本に劣り、防寒具も心もとない状況で、フラフラと出歩くようなレオンではない。
サンくんたちも遊びに誘う余裕はあまりないだろうし……
「ただ散歩したくなったか、近所の子どもと遊んでいるだけかもしれないが……念のため、レオンくんの捜索をしてみようと思ってな。ルーシーとルイくんにも知らせておこうと思ったんだ」
「ありがとうございます、当主さま」
母さんが深々と頭を下げたのを見て、僕も倣うように頭を下げた。
レオンのような子どもじゃ、そう遠くにはいけないだろうから大丈夫だとは思うけど、心配なものは心配だ。
「そこですまないが、事件性がないと判断されるまでは、二人には屋敷にいてもらいたい」
「かしこまりました」
「僕も大丈夫です。父もこちらに?」
レオンはもちろん、家に一人残っている父さんも心配だ。事件性がないならまだしも、もし何か事件に巻き込まれたのなら、父さんの身も危険だろう。
「ああ。我が家の者をつけてこちらに向かわせている。到着したらまた知らせよう」
「かしこまりました」
僕は感謝の意も込めて、再び頭を下げる。レオンが早く見つかればいいと願いながら。
◇◇◇
そんな願いも虚しく、レオンは見つからない。あれから一時間ほどたっているが、それほど捜索が難航することなどあるのだろうか。
僕たちの住んでいる街は、狭いわけではないが広くもない。街を横断するのに、馬車で二時間ほどかかる程度である。
領主さまは、かなり大規模に捜索してくれているらしいので、そろそろ見つかってもおかしくはない頃なのだが……手がかりすら掴めていないそうだ。
「レオンは、このように勝手に出歩いたりはなさらなかったのですよね?」
「はい。少なくとも、出かけることを私たちに伝えてから出ていきます」
リーリアさまの質問に母さんが応答する。
リーリアさまの部屋には、僕と母さんに加えて父さんも一緒にいる。領主さまいわく、一つの部屋に固まってくれているほうがいろいろと都合がいいから、ということらしい。
リーリアさまも嫌な顔をすることなく招き入れてくれて、お茶やお菓子をご馳走してもらっている。
レオンのことを思うとお菓子は喉を通らないけど、喉は渇くのでお茶だけは飲んでいる。
最初はリーリアさまの持っているぬいぐるみのことや、僕が考えた料理のレシピのことを話したりしてたんだけど、さすがに一時間たっても手がかりなしだとリーリアさまも気にかかるのか、両親にいろいろと尋ね始めたのだ。
「今日も、薪が足りないから分けてもらってくると言って出ていきました」
僕が生まれる前は知らないけど、僕が生まれてからのレオンは、どこで何をするのか簡潔に伝えてから出ていっていた。
だから両親も僕も心配していなかったし、今までは普通に帰ってきていた。今回も父さんは出かけていたことを知っていたしそれを疑問に思っていなかったようだから、そんなにおかしな理由でもないのだろう。
なら、本来の用事とは別に何らかのトラブルに巻き込まれて帰れない状況になっていると考えるべきだけど……それは、どう考えても事件性があるとしか思えない。
「この時間帯に出かけるほど足りなかったのですか?」
ただいまの時刻は夕方であり、そろそろ太陽が沈む頃である。
時計がないので正確な時刻はわからないけど、季節を考えると16時~17時といったところだろう。そこから逆算すると、レオンが出かけたのは15時~16時となる。
そんな時間にわざわざ薪を取りに行くのは確かに不自然だ。特に今は、謎のフードの集団がうろついているという話があるから、早めの帰宅を促されているとサンくんたちは言っていたし、レオンもそれを聞いていたから、不用意な外出をしたりはしないだろう。
「薪が足りないかもしれないと呟きはしました。それを聞いたレオンが自分が取りに行くと行って外に出たのです」
父さんの言葉だけで?ますます不自然だ。レオンの性格なら、父さんに薪の残りを確認するはずなのに。
やっぱり、何か裏がありそうだな、これ。
「彼には、外に出る理由が欲しかったのでしょうか」
リーリアさまの考えに僕も賛同する。どう考えてもそうとしか思えない。でも、僕に心当たりはないし、レオンがいなくなったことに動揺していた母さんもないだろう。
あるとするなら薪を取りに行くと言って出ていったレオンを止めなかった父さんくらいだ。
「……確信はないのですが、心当たりがないわけではないです」
そう口にしたのは父さんだった。全員が父さんのほうに注目すると、父さんは僕のほうを見て尋ねる。
「ルイ。以前に、黒いフードの集団が現れるという話をしてくれたことがあるだろう?」
「うん」
僕もサンくんたちから話を聞いただけだから詳しくは知らないけど……ここでその話題を出すということは、やっぱり善良な旅人というわけではなかったみたいだな。
「お前たちの身の安全もあるし、その集団について話していた常連客に詳しく聞いてみたんだ」
なんと、聞き取り調査をしてくれていたらしい。
今まで僕たちに何も言わなかったのなら、特に実のある結果が出ていたわけではないのだろうけど……
「そのなかに、その集団と思われる存在に話しかけられたという人がいた」
これには、僕は素直に驚いた。
サンくんたちから聞いた話では、街の人と目が合うだけで逃げていくと言っていた。それなのに、街の人に話しかけるなんて矛盾している。
もちろん噂話だから、サンくんたちの話がすべて真実とは限らないけど……噂というのは、誇張されていくものなので、話に尾ひれがつくことはあっても、正反対の情報が流れることはまずないはずだ。
「どのような話をされたのですか?」
「吹雪はいつから始まるのかと聞かれただけのようです。当人も少し不思議に思いながらも正直に答えると、彼らはお礼を言って去っていったと」
「……そう、ですか」
リーリアさまは呆然としている。多分、もう少し物騒なことでも言われていると思ったんだろうけど、ここで気になることはそこではない。
母さんも意外そうな顔をしているので、この質問のおかしさに気づいてないみたいだ。
「……その人たちは、どうして吹雪が始まる時を聞いたの?」
「そりゃあ、危険がないようにだろ?長く留まるつもりなら冬支度をしなくちゃならないし、吹雪の日は外に出たらいけねぇしな」
「違うよ」
僕が父さんの答えをピシャリと切り捨てると、その瞬間、空気が強ばったのがわかった。
……あまり、子どもらしからぬ行動は取りたくなかった。でも、レオンの身がかかっているなら。
「その人たちは、どうして吹雪が始まる時を知らなかったのって聞いたの」
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