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第二章 ユニークスキル
37. ルイの本音
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領主さまから頼まれて、早速リーリアさまの元に会いに来た……んだけど。
「リーリアさま、部屋に入れてくださいませんか?」
「……今は一人がいいのです。お帰りください」
ずっと門前払いされています。最初はノックしても無視されたのを考えると、応じてくれるようになってくれただけましだけど、話ができない以上帰るわけにはいかない。
「お話があるだけです。時間は取らせませんので」
「……今はそのような気分ではありません」
話すらもダメか……。なら、仕方ない。
「かしこまりました。では、勝手に話しますのでお聞きください」
部屋の中からの返事はなかったけど、僕は気にせずに用件を話す。
「領主さまと話をつけてきました。リーリアさまの誕生日パーティーには、領主さまもディアナお嬢さまも僕もレオンもみんなで参加します」
部屋の中から物音が聞こえたのを確認して、僕は話を続ける。
「領主さまの用事が片づく時間である夕方ごろになるため、その間リーリアさまのお相手をするように仰せつかりました。ですので、ドアを開けてくださいませんか」
優しく呼びかけたものの、中から返事はない。手遅れってことはないと思うけど……こんな反応をされると不安になる。
……いや、不安な気持ちを持ったらダメだ。リーリアさまのために一肌脱ぐと決めたじゃないか。
「これは領主さまの命ですので、帰るわけにはいきません。どうか、僕の気持ちをお汲みくださいませんか」
部屋の中の主にそう訴えると、目の前のドアが静かに、ゆっくりと開く。
ドアの向こうには、目元を赤く腫らしたリーリアさまがいた。
「どうぞ。お父さまの命令だと言うので仕方なくですからね」
「ありがとうございます、リーリアさま」
ひとまず、第一関門突破……かな?
◇◇◇
僕が部屋に入ると、リーリアさまは僕に背を向けながらカーペットの上に座る。
僕も座りたいところだけど、部屋の主の許可がないので立ちっぱなしだ。母さんはというと、部屋の隅で小さくなって待機してる。
さて、ここからどうしよう?
こんな気まずすぎる空気のなか、どう会話を展開すればいいのかわからない。一番伝えなきゃいけないことは伝えちゃったし……でも、今の空気で世間話ができるほど僕のメンタルは鋼ではない。
「……ルイが頼んだのですか?」
「何をですか?」
「お父さまがわたくしの誕生日パーティーに出席することです。今までなかったのに」
リーリアさまの背から悲哀のオーラが漂っている。普通なら喜びそうなものなのに。
親子の溝は、僕が思っている以上に深いみたいだ。
「確かに、僕のほうから進言させていただきました。リーリアさまが一人は嫌だとおっしゃっておりましたので」
「……そう、ですか」
表情が見えなくて、どんな思いを抱いているのかわからない。
怒ってるのか、悲しんでるのか、嬉しいのか。いや、少なくとも嬉しそうではないな。そんな声のトーンではない。
リーリアさまの心を代弁するならば、なぜルイが言えば聞いてくれるのか、といったところだろう。
「リーリアさまは、レオンのことがお嫌いですか?」
リーリアさまはピクリと小さく反応を見せる。でも、質問に答えることはしない。
「先ほどは兄共々失礼いたしました。リーリアお嬢さまへの無礼な振る舞いに関して、罰をくださるのなら甘んじて受け入れます」
僕が頭を下げて謝意を示すと、すぐさまリーリアさまが大声をあげた。
「そんなことしない!」
僕がすっと顔をあげると、リーリアさまはハッとした顔で目をそらした。でも、チラチラと僕のほうを見てくる。
「わ、わたくしのほうも、少し言いすぎたかもしれないから……別にいいのです」
「では、レオンをお招きしても?」
「お父さまが決めたことですもの」
「領主さまが、ではなくリーリアさまのお言葉が聞きたいのです」
仕方なくというように言うリーリアさまの手を取り、僕は訴えかけるように言う。
リーリアさまは僕が手を掴んできたことには驚いていたようだけど、ゆっくりと口を開いた。
「……あまり、好ましくは思えません。彼が来てしまえば、ルイは彼のお祝いばかりするのでしょう?それを目の前で見たくありませんもの」
「それは当然ですよ。家族ですから」
ここでそんなことはありませんと言ったら嘘になる。リーリアさまとレオンだったら、レオンのほうをお祝いしたいのは本心なのだから、ごまかしたってしょうがない。
なら、本音をぶつけるべきだ。
「リーリアさまのお誘いに乗っていたのも、家族に迷惑をかけないためというのが大きかったです。領主さまのお嬢さまの誘いを断ってしまえば、どんな罰を受けるかわかりませんから」
「そんなことはしないって言ってるじゃない!」
「ですが、それが平民と貴族の違いなのです。リーリアさまのお誘いは、平民の僕にとっては命令に等しいですから」
僕が静かに告げると、リーリアさまは口を噤む。今までのことを後悔でもしているのだろうか?でも、そんな必要はない。
僕は、後悔してほしくて話しているわけではないから。
「ですが、リーリアさまは断りの余地を作ってくださいました。僕が本気で嫌がることを強要したりはなさらなかったでしょう」
「……ルイはわたくしの友人ですもの」
「ありがとうございます。ですが、僕はその言葉に甘えていたのかもしれません」
「……どういう、意味ですか?」
リーリアさまは顔だけをこちらに向ける。その顔は、本気でわからないと言っているような顔だ。
「リーリアさまは友人だから、自分の気持ちを汲み取って遠慮してくださるだろうと驕っていたのです。僕自身は、リーリアさまのお気持ちなど欠片も理解していなかったというのに」
領主さまと話してわかった。リーリアさまの家族関係は、自分が想像している以上に希薄だった。
そんななかで、最も交流している友人に依存するのは無理もないことだし、自分の生まれた日をお祝いして欲しいというのもわかる。
それに、僕に非がないわけでもないのだ。約束は去年から言われていたのだから、来年は参加できないことを伝えるチャンスはいくらでもあった。
リーリアさまも、事前に伝えられていたのなら心の整理ができていたことだろう。その上で話し合いを重ねて、お互いに納得のいく結論を出せたかもしれない。
結局は、リーリアさまの思いを軽視し、甘えていた僕が悪いのだ。
「大変申し訳ございませんでした、リーリアさま」
僕は、改めて深く頭を下げる。これが僕の本音だ。これでリーリアさまにどう思われようと、後悔はない。
「……頭を、上げてください」
リーリアさまの言葉に従い顔を上げると、リーリアさまの瞳には涙が滲んでいた。
「そのようなことを言わせたいのではありません。ですので、頭を下げる必要はありません」
リーリアさまはそう言うと、涙を拭う。泣いている自覚はあったようだ。
「わたくしのほうこそ、浅はかな行いでした。ずっとわたくしのほうをお祝いしてもらっていたというのに、欲張りだったかもしれません」
リーリアさまは目だけで謝罪をする。いくら友人関係とはいえ、平民に貴族が頭を下げるのはよろしくない。
そのため、リーリアさまは直接的な謝罪の言葉は口にしていない。でも、態度や言葉の節々から謝意は充分に伝わってくる。
「今年は、彼ーーレオンも屋敷に招きましょう。主役が二人いるパーティーも楽しそうですもの」
「ありがとうございます、リーリアさま!」
これで今年はレオンをお祝いすることができる!
僕が嬉しさのあまり手を握ると、リーリアさまは頬を紅潮させる。おっと、レディにこれは失礼だったか。
僕がパッと手を離した瞬間、ドアを乱暴にノックする音が響く。
「リーリア、ルーシー、ルイくん。私だ。急遽、伝えたいことがある!」
バンと開けると同時に、早口で捲し立てる。入ってきたのは領主さまだ。
「どうかしましたか、お父さま」
無許可の入室については何も言わずに、リーリアさまは静かに用件だけを尋ねた。
「先ほど君たちの家に使いを送ったのだがーーレオンくんの姿が見えないそうだ」
「リーリアさま、部屋に入れてくださいませんか?」
「……今は一人がいいのです。お帰りください」
ずっと門前払いされています。最初はノックしても無視されたのを考えると、応じてくれるようになってくれただけましだけど、話ができない以上帰るわけにはいかない。
「お話があるだけです。時間は取らせませんので」
「……今はそのような気分ではありません」
話すらもダメか……。なら、仕方ない。
「かしこまりました。では、勝手に話しますのでお聞きください」
部屋の中からの返事はなかったけど、僕は気にせずに用件を話す。
「領主さまと話をつけてきました。リーリアさまの誕生日パーティーには、領主さまもディアナお嬢さまも僕もレオンもみんなで参加します」
部屋の中から物音が聞こえたのを確認して、僕は話を続ける。
「領主さまの用事が片づく時間である夕方ごろになるため、その間リーリアさまのお相手をするように仰せつかりました。ですので、ドアを開けてくださいませんか」
優しく呼びかけたものの、中から返事はない。手遅れってことはないと思うけど……こんな反応をされると不安になる。
……いや、不安な気持ちを持ったらダメだ。リーリアさまのために一肌脱ぐと決めたじゃないか。
「これは領主さまの命ですので、帰るわけにはいきません。どうか、僕の気持ちをお汲みくださいませんか」
部屋の中の主にそう訴えると、目の前のドアが静かに、ゆっくりと開く。
ドアの向こうには、目元を赤く腫らしたリーリアさまがいた。
「どうぞ。お父さまの命令だと言うので仕方なくですからね」
「ありがとうございます、リーリアさま」
ひとまず、第一関門突破……かな?
◇◇◇
僕が部屋に入ると、リーリアさまは僕に背を向けながらカーペットの上に座る。
僕も座りたいところだけど、部屋の主の許可がないので立ちっぱなしだ。母さんはというと、部屋の隅で小さくなって待機してる。
さて、ここからどうしよう?
こんな気まずすぎる空気のなか、どう会話を展開すればいいのかわからない。一番伝えなきゃいけないことは伝えちゃったし……でも、今の空気で世間話ができるほど僕のメンタルは鋼ではない。
「……ルイが頼んだのですか?」
「何をですか?」
「お父さまがわたくしの誕生日パーティーに出席することです。今までなかったのに」
リーリアさまの背から悲哀のオーラが漂っている。普通なら喜びそうなものなのに。
親子の溝は、僕が思っている以上に深いみたいだ。
「確かに、僕のほうから進言させていただきました。リーリアさまが一人は嫌だとおっしゃっておりましたので」
「……そう、ですか」
表情が見えなくて、どんな思いを抱いているのかわからない。
怒ってるのか、悲しんでるのか、嬉しいのか。いや、少なくとも嬉しそうではないな。そんな声のトーンではない。
リーリアさまの心を代弁するならば、なぜルイが言えば聞いてくれるのか、といったところだろう。
「リーリアさまは、レオンのことがお嫌いですか?」
リーリアさまはピクリと小さく反応を見せる。でも、質問に答えることはしない。
「先ほどは兄共々失礼いたしました。リーリアお嬢さまへの無礼な振る舞いに関して、罰をくださるのなら甘んじて受け入れます」
僕が頭を下げて謝意を示すと、すぐさまリーリアさまが大声をあげた。
「そんなことしない!」
僕がすっと顔をあげると、リーリアさまはハッとした顔で目をそらした。でも、チラチラと僕のほうを見てくる。
「わ、わたくしのほうも、少し言いすぎたかもしれないから……別にいいのです」
「では、レオンをお招きしても?」
「お父さまが決めたことですもの」
「領主さまが、ではなくリーリアさまのお言葉が聞きたいのです」
仕方なくというように言うリーリアさまの手を取り、僕は訴えかけるように言う。
リーリアさまは僕が手を掴んできたことには驚いていたようだけど、ゆっくりと口を開いた。
「……あまり、好ましくは思えません。彼が来てしまえば、ルイは彼のお祝いばかりするのでしょう?それを目の前で見たくありませんもの」
「それは当然ですよ。家族ですから」
ここでそんなことはありませんと言ったら嘘になる。リーリアさまとレオンだったら、レオンのほうをお祝いしたいのは本心なのだから、ごまかしたってしょうがない。
なら、本音をぶつけるべきだ。
「リーリアさまのお誘いに乗っていたのも、家族に迷惑をかけないためというのが大きかったです。領主さまのお嬢さまの誘いを断ってしまえば、どんな罰を受けるかわかりませんから」
「そんなことはしないって言ってるじゃない!」
「ですが、それが平民と貴族の違いなのです。リーリアさまのお誘いは、平民の僕にとっては命令に等しいですから」
僕が静かに告げると、リーリアさまは口を噤む。今までのことを後悔でもしているのだろうか?でも、そんな必要はない。
僕は、後悔してほしくて話しているわけではないから。
「ですが、リーリアさまは断りの余地を作ってくださいました。僕が本気で嫌がることを強要したりはなさらなかったでしょう」
「……ルイはわたくしの友人ですもの」
「ありがとうございます。ですが、僕はその言葉に甘えていたのかもしれません」
「……どういう、意味ですか?」
リーリアさまは顔だけをこちらに向ける。その顔は、本気でわからないと言っているような顔だ。
「リーリアさまは友人だから、自分の気持ちを汲み取って遠慮してくださるだろうと驕っていたのです。僕自身は、リーリアさまのお気持ちなど欠片も理解していなかったというのに」
領主さまと話してわかった。リーリアさまの家族関係は、自分が想像している以上に希薄だった。
そんななかで、最も交流している友人に依存するのは無理もないことだし、自分の生まれた日をお祝いして欲しいというのもわかる。
それに、僕に非がないわけでもないのだ。約束は去年から言われていたのだから、来年は参加できないことを伝えるチャンスはいくらでもあった。
リーリアさまも、事前に伝えられていたのなら心の整理ができていたことだろう。その上で話し合いを重ねて、お互いに納得のいく結論を出せたかもしれない。
結局は、リーリアさまの思いを軽視し、甘えていた僕が悪いのだ。
「大変申し訳ございませんでした、リーリアさま」
僕は、改めて深く頭を下げる。これが僕の本音だ。これでリーリアさまにどう思われようと、後悔はない。
「……頭を、上げてください」
リーリアさまの言葉に従い顔を上げると、リーリアさまの瞳には涙が滲んでいた。
「そのようなことを言わせたいのではありません。ですので、頭を下げる必要はありません」
リーリアさまはそう言うと、涙を拭う。泣いている自覚はあったようだ。
「わたくしのほうこそ、浅はかな行いでした。ずっとわたくしのほうをお祝いしてもらっていたというのに、欲張りだったかもしれません」
リーリアさまは目だけで謝罪をする。いくら友人関係とはいえ、平民に貴族が頭を下げるのはよろしくない。
そのため、リーリアさまは直接的な謝罪の言葉は口にしていない。でも、態度や言葉の節々から謝意は充分に伝わってくる。
「今年は、彼ーーレオンも屋敷に招きましょう。主役が二人いるパーティーも楽しそうですもの」
「ありがとうございます、リーリアさま!」
これで今年はレオンをお祝いすることができる!
僕が嬉しさのあまり手を握ると、リーリアさまは頬を紅潮させる。おっと、レディにこれは失礼だったか。
僕がパッと手を離した瞬間、ドアを乱暴にノックする音が響く。
「リーリア、ルーシー、ルイくん。私だ。急遽、伝えたいことがある!」
バンと開けると同時に、早口で捲し立てる。入ってきたのは領主さまだ。
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