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第二章 学園生活の始まり
109.
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あれから二週間近くロジャード先生の研究室にカイエンと一緒に通い続けた。
そしてついに……
「はい。アナスタシア王女殿下も終了です」
「やったー!」
ロジャード先生から合格をもらって私は歓喜する。
長い間通い続けていたので、もう私の本性はある程度知られている……というか、三日目あたりでバレた。
初日の反省を生かし、魔力切れになった際には回復するまでロジャード先生の研究室に留まることにしたんだけど、ただでさえ頭がくらくらしているなか、カイエンと話す時はどうしても素が滲み出てしまって、隠し通すのは無理があった。
ロジャード先生にここでは楽にしてくれていいと言われて最後のリミッターが外れた感じだ。
ロジャード先生いわく、自分も恥ずかしいところを見られているからおあいこということらしい。
そのために、ここには魔法の実技の特別措置で来ているはずなのに、そんな雰囲気も何もなく、むしろ……
「では、お茶と菓子を用意しますからゆっくりしてください」
「待ってました~!」
私の学園での休憩スペースのようになってしまっているのが現状だ。
私が魔力石に魔力をこめた後は、この研究室でお茶を飲むのが恒例のようになっている。
きっかけは四日目の時、私が魔力切れを回復するために初日でロジャード先生が寝ていたソファに横になっていたんだけど、ロジャード先生が魔力の回復速度を早めるお茶を出してくれたことだ。
茶葉は普通なんだけど、魔力の回復速度を早める魔法薬を混ぜているらしく、味はミルクティーのようでおいしかった。
そこで私が何気なくカイエンのお菓子と一緒に食べたいと言ったら、その翌日からカイエンが作ってきてくれるようになって、いつの間にかここでロジャード先生のお茶とカイエンのお菓子を食べるのが習慣のようになっていた。
そこから、ロジャード先生もお菓子を持参してくれるようになって、お茶会を行うようになったのだ。
ちなみに、部屋があそこまで散らかっていたのは初日だけで、二日目には床に一枚も資料が落ちていないという清潔な状態が保たれ、テーブルと椅子まで用意されていたから、根は真面目なんだと思う。
ロジャード先生がお茶とお菓子を用意してくれて、向き合うように座ってお茶会開始。
「そういえば、カイエンがアナスタシア王女殿下の側近になったという話を聞いたのですが」
「もう一ヶ月前の話ですけど」
カイエンの冷たい返答に、私はカイエンが側近の誓いをしてくれたときのことを思い出す。
そういえば、カイエンを側近にしてからなんだかんだで一ヶ月。カイエンとあってから二ヶ月か。時間はあっという間だな。
もうこのくらいの時期になるとほとんどの貴族は授業を終えていて、魔法の訓練をしていたり、あちこちで交流をしている……らしい。
らしいというのは、話し相手がカイエン以外にいない私にそういう情報が入ってくることはなく、噂程度に聞いただけだから。
「仕方ないじゃないですか。私はあまり他の先生と話しませんし、カイエンが教えてくれないと……」
「それはこの研究室に引きこもっているからでしょう?研究ばかりしていないで、もう少し交流を持ってはいかがですか?」
「人付き合いは好きじゃないので……」
どうやら、ロジャード先生は典型的なインドアのようで、あまり人と関わりたがらない。
でも、学園の教師として留まるのなら何かを受け持つ必要があるので、それならカイエンがいる中級クラスの魔法実技を引き受けたと本人がぐちぐちと言っていた。
飲んでいるのはお茶のはずなのに、まるで酔っぱらいがくだを巻いているようだった。
「というか、それに関してはカイエンに言われたくないですよ。アナスタシア王女殿下以外と話しているところ見たことないんですけど」
「用事もないのに話しかける必要はありませんから」
いいなぁ……個人の感情で逃げられる人は。私は私的な会話からは逃げられても、学生会議の代表としての報告からは逃げられないんだよ。
今のところ特に衝突があったりするわけじゃないけど……それでも話しているときは結構気まずい。
もう全部カイエンに任せようかな。
私がどう押しつけてやろうかと思案していると、不意にこちらを向いたカイエンと目が合う。
「やりませんよ?」
「何も言ってないよ?」
「どうせ学生会議の報告を俺に押しつけようとしたのでしょう?それはアナスタシアさまの役目ですから」
私の心を見透かしたような発言に私は戸惑ってしまう。
なんで私の考えていることがわかった?
「アナスタシアさまは表情に出ますから」
「そ、そんなに……?」
お兄さまたちにもよく言われるんだよなぁ……。気をつけてるつもりなんだけど、まだまだ修行が足りないのか。
でもでも、表情だけでここまで的確に言い当てるのはおかしいんじゃない?
「それだけ?」
「……アナスタシアさまは、学生会議から戻られる度に報告の憂鬱さを俺に語られるので」
「だってさぁ……」
本当に憂鬱なんだもん。
最初の頃はほとんどの人が教室にいたので、教室にさえ出向けば報告できたけど、今となってはほとんどの人が試験を合格していて、わざわざこちらが探さないといけないのだ。
それなら伝言役を教室で待機させればと思うかもしれないけど、学生会議は会議に参加する人たちにしか日時が伝えられず、内容は当日になるまでわからないため、待機させるのはほぼ不可能。
一年生に共有する必要のない議題が上がったことも何度もあるし。
学生会議は今まで五、六回ほど行われているけど、そのなかで一年生に共有したのは初回のパーティーと魔法の実技の補佐、二回目の認定試験の時くらいだからね。
あっ、一応四回目の衣替えについてと五回目の長期休暇が始まることも知らせたか。でも、それくらいだしな。
この学園にも、夏服というものは存在して、日差しが強くなってきた今は私もカイエンも夏服を着用している。
夏服は、女子はかなりデザインが変わって、ダークグリーンと紺色のチェック柄の半袖のワンピースに紺色の制帽。強制ではないけど茶色のベルト。
男子はあまり変わらず、白の半袖のシャツにダークグリーンのチェック柄のズボン。ではないけど茶色のベルトと、ローブがあるかどうかくらいの違いしかない。
「……急にどうしたんですか?人のことをじろじろと見て」
視線が気になったのか、カイエンは私を訝しむように見る。
私は、そんなカイエンの様子にクスッと笑って答えた。
「男子の夏服は冬服と変わらないなって思って」
「なんで突然そんなことを……」
「ふと思い浮かんだだけ。別にいいでしょ」
私の答えにカイエンはますます困惑している。
側近となってからのカイエンは、私にいろいろな表情を見せてくるようになった。決して隠していたわけではなく、気が抜けたときにしか出てこない素の姿なんだと思う。
「ずいぶんと子どもらしくなりましたねぇ、カイエンは」
「なに笑ってるんですか」
ニヤニヤしているロジャード先生にカイエンが噛みつく。そんなカイエンを気にも止めずに、ロジャード先生は私のほうに視線を向けた。
「アナスタシア王女殿下。今後もカイエンのことを頼みます」
そう告げる眼差しは、まるで子を思う親のようだった。
血は繋がっていないけど、確かな繋がりがあるんだと感じられる瞳だ。
「はい。カイエンが呆れて見捨てるまでは主として頑張ります」
「アナスタシアさまは俺のことをなんだと思ってるんですか」
「いや、だってさぁ……」
カイエンがはぁとため息をつく。
「見捨てるくらいならそもそも側近になりませんよ」
「……本当に?」
カイエンの普段の態度を知っている身としては、どうしても疑心暗鬼になってしまう。私の扱いはいつも雑だし。
私が疑いの目を向けていると、カイエンは椅子から立ち上がり、その場に跪き私の手を取った。
「お疑いになるのでしたら、行動で示して見せましょうか?我が君」
「そのままで結構です!」
私は反射的にそう返していた。
そしてついに……
「はい。アナスタシア王女殿下も終了です」
「やったー!」
ロジャード先生から合格をもらって私は歓喜する。
長い間通い続けていたので、もう私の本性はある程度知られている……というか、三日目あたりでバレた。
初日の反省を生かし、魔力切れになった際には回復するまでロジャード先生の研究室に留まることにしたんだけど、ただでさえ頭がくらくらしているなか、カイエンと話す時はどうしても素が滲み出てしまって、隠し通すのは無理があった。
ロジャード先生にここでは楽にしてくれていいと言われて最後のリミッターが外れた感じだ。
ロジャード先生いわく、自分も恥ずかしいところを見られているからおあいこということらしい。
そのために、ここには魔法の実技の特別措置で来ているはずなのに、そんな雰囲気も何もなく、むしろ……
「では、お茶と菓子を用意しますからゆっくりしてください」
「待ってました~!」
私の学園での休憩スペースのようになってしまっているのが現状だ。
私が魔力石に魔力をこめた後は、この研究室でお茶を飲むのが恒例のようになっている。
きっかけは四日目の時、私が魔力切れを回復するために初日でロジャード先生が寝ていたソファに横になっていたんだけど、ロジャード先生が魔力の回復速度を早めるお茶を出してくれたことだ。
茶葉は普通なんだけど、魔力の回復速度を早める魔法薬を混ぜているらしく、味はミルクティーのようでおいしかった。
そこで私が何気なくカイエンのお菓子と一緒に食べたいと言ったら、その翌日からカイエンが作ってきてくれるようになって、いつの間にかここでロジャード先生のお茶とカイエンのお菓子を食べるのが習慣のようになっていた。
そこから、ロジャード先生もお菓子を持参してくれるようになって、お茶会を行うようになったのだ。
ちなみに、部屋があそこまで散らかっていたのは初日だけで、二日目には床に一枚も資料が落ちていないという清潔な状態が保たれ、テーブルと椅子まで用意されていたから、根は真面目なんだと思う。
ロジャード先生がお茶とお菓子を用意してくれて、向き合うように座ってお茶会開始。
「そういえば、カイエンがアナスタシア王女殿下の側近になったという話を聞いたのですが」
「もう一ヶ月前の話ですけど」
カイエンの冷たい返答に、私はカイエンが側近の誓いをしてくれたときのことを思い出す。
そういえば、カイエンを側近にしてからなんだかんだで一ヶ月。カイエンとあってから二ヶ月か。時間はあっという間だな。
もうこのくらいの時期になるとほとんどの貴族は授業を終えていて、魔法の訓練をしていたり、あちこちで交流をしている……らしい。
らしいというのは、話し相手がカイエン以外にいない私にそういう情報が入ってくることはなく、噂程度に聞いただけだから。
「仕方ないじゃないですか。私はあまり他の先生と話しませんし、カイエンが教えてくれないと……」
「それはこの研究室に引きこもっているからでしょう?研究ばかりしていないで、もう少し交流を持ってはいかがですか?」
「人付き合いは好きじゃないので……」
どうやら、ロジャード先生は典型的なインドアのようで、あまり人と関わりたがらない。
でも、学園の教師として留まるのなら何かを受け持つ必要があるので、それならカイエンがいる中級クラスの魔法実技を引き受けたと本人がぐちぐちと言っていた。
飲んでいるのはお茶のはずなのに、まるで酔っぱらいがくだを巻いているようだった。
「というか、それに関してはカイエンに言われたくないですよ。アナスタシア王女殿下以外と話しているところ見たことないんですけど」
「用事もないのに話しかける必要はありませんから」
いいなぁ……個人の感情で逃げられる人は。私は私的な会話からは逃げられても、学生会議の代表としての報告からは逃げられないんだよ。
今のところ特に衝突があったりするわけじゃないけど……それでも話しているときは結構気まずい。
もう全部カイエンに任せようかな。
私がどう押しつけてやろうかと思案していると、不意にこちらを向いたカイエンと目が合う。
「やりませんよ?」
「何も言ってないよ?」
「どうせ学生会議の報告を俺に押しつけようとしたのでしょう?それはアナスタシアさまの役目ですから」
私の心を見透かしたような発言に私は戸惑ってしまう。
なんで私の考えていることがわかった?
「アナスタシアさまは表情に出ますから」
「そ、そんなに……?」
お兄さまたちにもよく言われるんだよなぁ……。気をつけてるつもりなんだけど、まだまだ修行が足りないのか。
でもでも、表情だけでここまで的確に言い当てるのはおかしいんじゃない?
「それだけ?」
「……アナスタシアさまは、学生会議から戻られる度に報告の憂鬱さを俺に語られるので」
「だってさぁ……」
本当に憂鬱なんだもん。
最初の頃はほとんどの人が教室にいたので、教室にさえ出向けば報告できたけど、今となってはほとんどの人が試験を合格していて、わざわざこちらが探さないといけないのだ。
それなら伝言役を教室で待機させればと思うかもしれないけど、学生会議は会議に参加する人たちにしか日時が伝えられず、内容は当日になるまでわからないため、待機させるのはほぼ不可能。
一年生に共有する必要のない議題が上がったことも何度もあるし。
学生会議は今まで五、六回ほど行われているけど、そのなかで一年生に共有したのは初回のパーティーと魔法の実技の補佐、二回目の認定試験の時くらいだからね。
あっ、一応四回目の衣替えについてと五回目の長期休暇が始まることも知らせたか。でも、それくらいだしな。
この学園にも、夏服というものは存在して、日差しが強くなってきた今は私もカイエンも夏服を着用している。
夏服は、女子はかなりデザインが変わって、ダークグリーンと紺色のチェック柄の半袖のワンピースに紺色の制帽。強制ではないけど茶色のベルト。
男子はあまり変わらず、白の半袖のシャツにダークグリーンのチェック柄のズボン。ではないけど茶色のベルトと、ローブがあるかどうかくらいの違いしかない。
「……急にどうしたんですか?人のことをじろじろと見て」
視線が気になったのか、カイエンは私を訝しむように見る。
私は、そんなカイエンの様子にクスッと笑って答えた。
「男子の夏服は冬服と変わらないなって思って」
「なんで突然そんなことを……」
「ふと思い浮かんだだけ。別にいいでしょ」
私の答えにカイエンはますます困惑している。
側近となってからのカイエンは、私にいろいろな表情を見せてくるようになった。決して隠していたわけではなく、気が抜けたときにしか出てこない素の姿なんだと思う。
「ずいぶんと子どもらしくなりましたねぇ、カイエンは」
「なに笑ってるんですか」
ニヤニヤしているロジャード先生にカイエンが噛みつく。そんなカイエンを気にも止めずに、ロジャード先生は私のほうに視線を向けた。
「アナスタシア王女殿下。今後もカイエンのことを頼みます」
そう告げる眼差しは、まるで子を思う親のようだった。
血は繋がっていないけど、確かな繋がりがあるんだと感じられる瞳だ。
「はい。カイエンが呆れて見捨てるまでは主として頑張ります」
「アナスタシアさまは俺のことをなんだと思ってるんですか」
「いや、だってさぁ……」
カイエンがはぁとため息をつく。
「見捨てるくらいならそもそも側近になりませんよ」
「……本当に?」
カイエンの普段の態度を知っている身としては、どうしても疑心暗鬼になってしまう。私の扱いはいつも雑だし。
私が疑いの目を向けていると、カイエンは椅子から立ち上がり、その場に跪き私の手を取った。
「お疑いになるのでしたら、行動で示して見せましょうか?我が君」
「そのままで結構です!」
私は反射的にそう返していた。
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