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15 (シューゼン視点)
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マルクスを引き連れて、国境警備隊との会議に向かっている道中。
シューゼンは、気になるものを見つけた。
「うん?」
思わずそんな声をあげながら、それに近づくと、負のオーラを漂わせている誰かがいる。
それは、シューゼンにも、マルクスにも見覚えがあった。
「レンディア。こんなところで何をしているんだ?もうすぐ会議が始まるぞ」
「シューゼンか……」
シューゼンが声をかけると、レンディアはシューゼンのほうに顔を向けた。
「フィーから……フィーから手紙が来たのだが……!」
レンディアは、そこまで言うと涙を浮かべる。シューゼンは、一瞬、従妹からの手紙が届いて嬉しくて泣いているのかと思った。
レンディアの従妹好きは有名な話だ。従妹好きすぎて、元は近衛騎士だったものの、その従妹の父親……レンディアからすれば伯父にあたる存在に、地方に飛ばされてしまったという噂まである。
もちろん、これは不確定な噂だ。真偽のほどは定かではない。
そんなわけだから、嬉し泣きかと思ったのだが、すぐに違うということに気づいた。
「手紙が……どうしたんだ?」
なるべく刺激しないように、気分をうかがいながら聞くと、少しずつ話し出す。
「フィーから……返信の手紙の数を減らしてくれと……そう、書いてあったんだ……。私の、何が悪かったんだ……?」
本当に、この世の終わりという表情でそう言うレンディアに、シューゼンは呆れた視線を向ける。
それを聞いたシューゼンは、従妹はそれなりには常識があるようだと安堵する。
「そりゃあ、あんな手紙を書いてたらそうなるだろ」
騎士の書く手紙は、情報漏洩を防ぐために、必ず鑑査にかけられる。そして、その鑑査には、団長であるマルクスと、副団長であるシューゼンも含まれていた。
レンディアは、従妹からの手紙が届いた瞬間に、返事を10枚以上書く。
その度に、シューゼンはあんな重すぎる手紙を見ていた。
内容のほとんどは、その従妹がどれだけ好きなのかという内容。そして、早く会いたいということだ。甘ったるすぎて、シューゼンは軽い吐き気を感じたこともあったくらいだ。
シューゼンですらこれだ。当の本人は、もっときついものがあっただろう。
「あれの何がいけないというんだ!」
「全部に決まってるだろうが!バカかお前は!お前の従妹が優しいからいいかもしれねぇが、普通だったら、気持ち悪がられてもおかしくねぇぞ!」
「気持ち……悪い……?」
真剣な表情で怒鳴ってきたので、シューゼンも大きな声で言い返す。少しの間、大きな声を出しただけだが、シューゼンには疲れが溜まっていた。
そんなシューゼンとは裏腹に、自分の従妹に気持ち悪がられるのを想像したのか、レンディアの顔が白けている。
「……あっ、そうだ。マルクス、お前宛の私信が来てるぞ」
「私に?」
レンディアは、まだ気分は落ち込んでいるままのようだが、思い出したという風に、懐から手紙を取り出して、マルクスに渡した。
「なんて書いてあるんだ?誰から?」
手紙の内容が気になるシューゼンは、マルクスに詰め寄る。
マルクスは、仕方なくその場で手紙を取り出す。シューゼンが覗き見た結果、それを書いたのは、マルクスの妻であるフィリスということがわかった。
そこには、かなり強い筆圧が残っており、相当な思いを込めて書かれたのがよくわかるものだった。
内容を読み進めていると、どうやら頼み事のようだった。
一つは、従兄であるレンディアに自分と結婚したことを話さないでほしいということ。もう一つは、弟妹たちの泊まりの許可がほしいということだ。
前半はともかく、後半は完全に事後報告のような感じになっている。だが、今の時間帯にアリジェントの血筋を家に帰すわけにはいかないということも理解している。
マルクスが手紙を閉じようとしたとき、最後の行にこう書いてあった。
お兄様に見られたらまずいので、この手紙を読み終わったら燃やしてください。
マルクスは、書かれている通りに手紙を燃やした。
「うおっ!」
内容が気になり、近くで手紙を覗いていたシューゼンは、急に火が目の前に現れたので、声を荒らげる。
そんなシューゼンに、マルクスは冷たい視線を向けた。
「人の手紙を盗み見るとは、随分な趣味をしているな」
「だって、気になるだろ~?愛妻からの手紙なんて」
「私は愛妻家などではないぞ」
マルクスは、自分をからかいながら乗せてきた、シューゼンの手を振り払う。
すると、蚊帳の外だったレンディアがたずねてくる。
「なんだ、マルクス。お前、結婚してたのか?」
国境の地方に配属されていて、情勢には疎かったのだろう。不思議そうにたずねている。
「あぁ、陛下からの命でな」
「誰と?」
「貴族の令嬢」
なんてことないような表情でそう言うマルクスに、シューゼンが呆れた視線を向ける。
(そりゃそうだろ)
マルクスは、公爵家の当主であり、騎士団長も務めるような腕前だ。普通は、貴族から令嬢を迎えて妻にするのが習わし。それも、公爵家となると、せいぜいが伯爵家などそこらの辺りだ。子爵家や男爵家を迎え入れるのはあり得ない。
ユールフェースは特殊すぎるだけだ。公女が、平民になるという宣言をしたのと、王国に領地が残っていたということが重なって、平民上がりの男爵家になったという奇跡。男爵家でありながら、両国の王家の血を引いている。
そんな血筋と、王命によって、公爵家へ玉の輿になっただけである。通常なら、そこらの次男坊や、下級貴族の当主が普通だったというのに。
「すまないが、妻から言うなと言われているのでな。公表するまで待っていろ」
伝えるのを禁止されているのは、レンディアだけだが、それを正直に伝えると怪しまれる可能性がある。それを考慮しての発言だろう。従妹に関してのことだけは、無駄に勘がいいやつだから。
レンディアが普段からフィーと呼んでいた従妹が、マルクスの妻になっているのは驚いたが、それをこのレンディアに正直に伝えるようなことをしてしまえば、レンディアかマルクスかどちらかが戦闘不能になるまで、永遠と争いが続くことになるだろう。レンディアのかわいい従妹も、それはわかっていたようだった。
この手紙をレンディアに見られたらアウトだろうが……人の手紙をこっそり読むようなやつではないというか、従妹からの手紙以外は欠片も興味を示さないから、見ていないだろう。
公爵家の家紋を使っていたし、見られるのを恐れてか、差出人の名前は、アルスフェイス公爵夫人としか書いていないし。これが自分の従妹だとたどり着くには、アルスフェイスと婚姻関係にあるのを知っていないとまず不可能だ。
結婚式をしたら、すぐに噂は広まって、こいつの耳にも届くだろうが……その頃には、今よりも隣国の状況は落ち着いているだろうから、好きなだけ争ってくれればいい。自分を巻き込んでくれなければ。
(間に挟まれるフィリスちゃんがかわいそうだけどね)
まだ見ぬ彼女を思い浮かべながら、自分勝手に同情したシューゼンだった。
シューゼンは、気になるものを見つけた。
「うん?」
思わずそんな声をあげながら、それに近づくと、負のオーラを漂わせている誰かがいる。
それは、シューゼンにも、マルクスにも見覚えがあった。
「レンディア。こんなところで何をしているんだ?もうすぐ会議が始まるぞ」
「シューゼンか……」
シューゼンが声をかけると、レンディアはシューゼンのほうに顔を向けた。
「フィーから……フィーから手紙が来たのだが……!」
レンディアは、そこまで言うと涙を浮かべる。シューゼンは、一瞬、従妹からの手紙が届いて嬉しくて泣いているのかと思った。
レンディアの従妹好きは有名な話だ。従妹好きすぎて、元は近衛騎士だったものの、その従妹の父親……レンディアからすれば伯父にあたる存在に、地方に飛ばされてしまったという噂まである。
もちろん、これは不確定な噂だ。真偽のほどは定かではない。
そんなわけだから、嬉し泣きかと思ったのだが、すぐに違うということに気づいた。
「手紙が……どうしたんだ?」
なるべく刺激しないように、気分をうかがいながら聞くと、少しずつ話し出す。
「フィーから……返信の手紙の数を減らしてくれと……そう、書いてあったんだ……。私の、何が悪かったんだ……?」
本当に、この世の終わりという表情でそう言うレンディアに、シューゼンは呆れた視線を向ける。
それを聞いたシューゼンは、従妹はそれなりには常識があるようだと安堵する。
「そりゃあ、あんな手紙を書いてたらそうなるだろ」
騎士の書く手紙は、情報漏洩を防ぐために、必ず鑑査にかけられる。そして、その鑑査には、団長であるマルクスと、副団長であるシューゼンも含まれていた。
レンディアは、従妹からの手紙が届いた瞬間に、返事を10枚以上書く。
その度に、シューゼンはあんな重すぎる手紙を見ていた。
内容のほとんどは、その従妹がどれだけ好きなのかという内容。そして、早く会いたいということだ。甘ったるすぎて、シューゼンは軽い吐き気を感じたこともあったくらいだ。
シューゼンですらこれだ。当の本人は、もっときついものがあっただろう。
「あれの何がいけないというんだ!」
「全部に決まってるだろうが!バカかお前は!お前の従妹が優しいからいいかもしれねぇが、普通だったら、気持ち悪がられてもおかしくねぇぞ!」
「気持ち……悪い……?」
真剣な表情で怒鳴ってきたので、シューゼンも大きな声で言い返す。少しの間、大きな声を出しただけだが、シューゼンには疲れが溜まっていた。
そんなシューゼンとは裏腹に、自分の従妹に気持ち悪がられるのを想像したのか、レンディアの顔が白けている。
「……あっ、そうだ。マルクス、お前宛の私信が来てるぞ」
「私に?」
レンディアは、まだ気分は落ち込んでいるままのようだが、思い出したという風に、懐から手紙を取り出して、マルクスに渡した。
「なんて書いてあるんだ?誰から?」
手紙の内容が気になるシューゼンは、マルクスに詰め寄る。
マルクスは、仕方なくその場で手紙を取り出す。シューゼンが覗き見た結果、それを書いたのは、マルクスの妻であるフィリスということがわかった。
そこには、かなり強い筆圧が残っており、相当な思いを込めて書かれたのがよくわかるものだった。
内容を読み進めていると、どうやら頼み事のようだった。
一つは、従兄であるレンディアに自分と結婚したことを話さないでほしいということ。もう一つは、弟妹たちの泊まりの許可がほしいということだ。
前半はともかく、後半は完全に事後報告のような感じになっている。だが、今の時間帯にアリジェントの血筋を家に帰すわけにはいかないということも理解している。
マルクスが手紙を閉じようとしたとき、最後の行にこう書いてあった。
お兄様に見られたらまずいので、この手紙を読み終わったら燃やしてください。
マルクスは、書かれている通りに手紙を燃やした。
「うおっ!」
内容が気になり、近くで手紙を覗いていたシューゼンは、急に火が目の前に現れたので、声を荒らげる。
そんなシューゼンに、マルクスは冷たい視線を向けた。
「人の手紙を盗み見るとは、随分な趣味をしているな」
「だって、気になるだろ~?愛妻からの手紙なんて」
「私は愛妻家などではないぞ」
マルクスは、自分をからかいながら乗せてきた、シューゼンの手を振り払う。
すると、蚊帳の外だったレンディアがたずねてくる。
「なんだ、マルクス。お前、結婚してたのか?」
国境の地方に配属されていて、情勢には疎かったのだろう。不思議そうにたずねている。
「あぁ、陛下からの命でな」
「誰と?」
「貴族の令嬢」
なんてことないような表情でそう言うマルクスに、シューゼンが呆れた視線を向ける。
(そりゃそうだろ)
マルクスは、公爵家の当主であり、騎士団長も務めるような腕前だ。普通は、貴族から令嬢を迎えて妻にするのが習わし。それも、公爵家となると、せいぜいが伯爵家などそこらの辺りだ。子爵家や男爵家を迎え入れるのはあり得ない。
ユールフェースは特殊すぎるだけだ。公女が、平民になるという宣言をしたのと、王国に領地が残っていたということが重なって、平民上がりの男爵家になったという奇跡。男爵家でありながら、両国の王家の血を引いている。
そんな血筋と、王命によって、公爵家へ玉の輿になっただけである。通常なら、そこらの次男坊や、下級貴族の当主が普通だったというのに。
「すまないが、妻から言うなと言われているのでな。公表するまで待っていろ」
伝えるのを禁止されているのは、レンディアだけだが、それを正直に伝えると怪しまれる可能性がある。それを考慮しての発言だろう。従妹に関してのことだけは、無駄に勘がいいやつだから。
レンディアが普段からフィーと呼んでいた従妹が、マルクスの妻になっているのは驚いたが、それをこのレンディアに正直に伝えるようなことをしてしまえば、レンディアかマルクスかどちらかが戦闘不能になるまで、永遠と争いが続くことになるだろう。レンディアのかわいい従妹も、それはわかっていたようだった。
この手紙をレンディアに見られたらアウトだろうが……人の手紙をこっそり読むようなやつではないというか、従妹からの手紙以外は欠片も興味を示さないから、見ていないだろう。
公爵家の家紋を使っていたし、見られるのを恐れてか、差出人の名前は、アルスフェイス公爵夫人としか書いていないし。これが自分の従妹だとたどり着くには、アルスフェイスと婚姻関係にあるのを知っていないとまず不可能だ。
結婚式をしたら、すぐに噂は広まって、こいつの耳にも届くだろうが……その頃には、今よりも隣国の状況は落ち着いているだろうから、好きなだけ争ってくれればいい。自分を巻き込んでくれなければ。
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まだ見ぬ彼女を思い浮かべながら、自分勝手に同情したシューゼンだった。
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