悪役令嬢?それがどうした!~好き勝手生きて何が悪い~

りーさん

文字の大きさ
46 / 53
公爵令嬢?それがどうした!

第46話 衝撃の事実

しおりを挟む
「う~ん……」

 すごくだるい。動きたくない。そんな思いとともに天井が映る。

「目が覚めたんですか」

 隣から声が聞こえて、目線だけをそっちに向ける。そこには、私と同い年くらいの男の子がいる。誰だ……?それに、どこかで見たような……?

「あなたは……?」
「レイですけど」

 …………えっ?どう見ても、あのレイの半分くらいの年に見えるんですけど?……あれ?ちょっと待てよ、こんなキャラがゲームにいたような……?

「レイ……?」
「動けないならそのままで良いですよ。旦那様達を連れてきても良いですか?意識が戻ったら言うように言われてるので」

 レイが敬語を使うという事は、近くに他人がいるかもしれないのかな。とりあえず、起き上がってみる。

「動けるから大丈夫。連れてきても良いわよ」

 私は微笑みながらレイの方に返事をしたが、内心は涙目になっていた。
 それを知ってか知らないか、レイはポケットからブローチを取り出して、胸につける。すると、元の大人サイズに戻って、部屋の外に出ていく。
 でも、私はそれに驚いている場合ではなかった。

 めちゃくちゃ痛えよおおおぉおおおおぉおおお!!!
 起き上がっただけで、頭と首と腰辺りに激痛が走っている。やっぱり粉塵爆発を至近距離はヤバかったか……!!下手したらバラバラになるらしいからなぁ……
 五体満足なだけマシか……と私は手足を見ながらそう思った。

ーーーーーーーーーーーーーー

 それから、数分は経過しただろう。寝転がろうとするだけでも、死ぬほど痛いので、もうずっと起き上がったままだ。夜になったらどうしよう……?寝られるかな?

「エリー!」

 外から声がして、目線だけでそちらの方を見ると、そこにはパパさんがいた。首を動かすだけでも痛いので。

「お父さん」
「もう大丈夫か?」
「うん。ちょっと痛みがあるくらい」

 あまり心配はかけたくないので、本当の事は言わない。死ぬほど痛いなんて言ったら、部屋どころか、ベッドから降りる事も許されなさそうだから。
 私がパパさんに微笑みかけていると、パパさんの後ろから小さな影が現れる。
 シシーちゃんとカルディアだ。

「ねえさま……大丈夫?」
「お体の調子は……」
「全然へーきよ!」

 シシーちゃんに心配させる訳にはいかず、笑顔で右腕をブンブン振り回す。

「それでも、おとなしく寝ていなさい」
「……分かりました」

 私、おとなしくするの苦手なんだけどなぁ。動き回るのだーいすきなアウトドアな女子高生でしたから。

 あの襲ってきた人がどうなったのか聞きたかったところだけど、シシーちゃんやカルディアに聞かれる訳にはいかない。
 パパさんは、シシーちゃんとカルディアを外に連れ出した。
 でも、レイはその場に留まっている。

「それで、お嬢様。実際のところ腕は?」
「めっちゃくちゃ痛いわよ……!」

 平気な訳がないでしょうが!で、こいつは気づいていたのね。

「で、あの姿はどういう事なの?」
「あれが本来の俺達の姿です。大人の姿があった方が都合が良いから、これで変化してたんですよ」

 マジっすか!?いつもブローチつけてるなぁと思ってはいたけど、まさかそんな理由だったとは……!

「……待って?俺“達”?」
「俺もアルトもケーナもシズハも同い年の10歳ですけど?」

 何ですとぉーーーーー!!?じゃあ、本当は私と同い年なの……?なら私は、10歳のお子様に電流を浴びせてたと……?あぁ、完全にヤバイ奴だ……悪役令嬢よりも質が悪いわ……

「どうしたんですか?」
「私と同い年に電流浴びせるなんて完全にヤバイ奴じゃない……」
「同い年じゃなかったら良いのかよ」

 だって、電気風呂の強力版みたいな感じだし……私も耐えろと言われれば多分耐えられたし……

「そうだ。私を襲った奴はどこにいるのよ」
「影雷なら、俺やアルト達がいた地下牢ですけど。直接狙われたのはお嬢様だし、あの爆発はお嬢様が引き起こしたものだからって事で、処分はお嬢様に任せるって」

 とりあえず、死んではいなかったのね……隷属紋を消したのに、死んでいたら後味が悪いどころじゃなかった。
 ……待って。影雷?それって、どこかで聞いたような……?そう思った瞬間、頭にノイズが走る。
 影雷……影雷……あっ!影雷って、『Dual Eyes β』の隠しキャラじゃないの!!そして、1の『             Dual Eyes』の隠しキャラは、確か……

「神影……って……」

 そう言いながら、思わずレイの方を見てしまった。すると、本当に不思議そうな顔をして、こう言った。

「何でお嬢様が、俺の通り名知ってるんです?」

 ……へっ?あんたなの!?隠しキャラってあんたなの!?
 確かにいつもイケメンだとは思っていたけども!まさか、攻略対象なんて思わないよ!10も離れてそうだったのに!

「あなたが神影なの!?」
「カマかけだったのか!?」

 あっ、素の口調が出た。さっきからずっと敬語だったから、てっきり周りに人がいるかと思っていたんだけど……
 ずっと“お嬢様”でいつもの“お前”呼びが出ないし。それに、もう隷属紋も魔道具もないんだから、ここにいる必要はなくない?
 と思って、首もとを見てみると、なぜか復活している魔道具。あれ?私、あれは私の部屋に置いておいたはずなんだけど……それに、刺客の襲撃で壊れてるかと思ったのに……

「あなたのその首と腕についてるのって……」
「あぁ。旦那様につけられましたけど?同じ魔道具です」

 何やってるんですかパパさん!!しおらしいなぁと思っていたら、電撃を恐れてたとかじゃないのか!?

「お嬢様を守りきらなかった罰、だそうですよ。ほら、お嬢様の腕にあるでしょう」
「はい?」

 何を言ってるんだと思いながらも、痛いのを我慢して見てみると、左腕に着いていた。えっ!?いつの間に!?

「お嬢様は一週間も眠ってらしたので、その間に改良したそうです。効果は以前と変わりませんが、それは、魔力を通して使えるもので、それは外せないそうですよ」

 呪いのアイテムですか?まさかとは思うけど、パパさんは、あれをレイが自力で外したと思ってるんじゃあ……?で、一人で逃げたけど、罪悪感か何かで戻ってきた、みたいな。そんな風に思っているんじゃないだろうか。
 改良って、魔道具屋に依頼したの……?私、変な風に思われません!?使用人に拷問器具使ってるみたいな!さすがにそれはキャラ崩壊だ!

「お父さんと話し合わないと……」
「呼んだか?」

 噂をすればなんとやらとはよく言ったものですね……うん?
 パパさあああん!!?まったく気配感じなかったんだけど!?
 さらっと、レイが目をそらしてるし!おいお前!パパさんがいるのを知ってて黙ってたな!?だから敬語だったのか!私に敬語を使わなければ、説教(物理)だから!

「レイ、エリーと二人で話すから下がれ」
「かしこまりました」

 パパさんの指示で、レイが部屋から出ていった。

「さて、話し合いたいんだったな?どうしたんだ?」

 良いでしょう。こうなったらとことん、聞き出してやろう!
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢

岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか? 「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」 「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」 マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。

樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」 大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。 はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!! 私の必死の努力を返してー!! 乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。 気付けば物語が始まる学園への入学式の日。 私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!! 私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ! 所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。 でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!! 攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢! 必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!! やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!! 必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。 ※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。

悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。

槙村まき
恋愛
 スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。  それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。  挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。  そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……! 第二章以降は、11時と23時に更新予定です。 他サイトにも掲載しています。 よろしくお願いします。 25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!

婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。

黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」 豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。 しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~

夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」  弟のその言葉は、晴天の霹靂。  アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。  しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。  醤油が欲しい、うにが食べたい。  レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。  既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・? 小説家になろうにも掲載しています。

痩せすぎ貧乳令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます

ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。 そして前世の私は… ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。 とあるお屋敷へ呼ばれて行くと、そこには細い細い風に飛ばされそうなお嬢様がいた。 お嬢様の悩みは…。。。 さぁ、お嬢様。 私のゴッドハンドで世界を変えますよ? ********************** 転生侍女シリーズ第三弾。 『おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』 『醜いと蔑まれている令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』 の続編です。 続編ですが、これだけでも楽しんでいただけます。 前作も読んでいただけるともっと嬉しいです!

転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎

水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。 もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。 振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!! え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!? でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!? と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう! 前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい! だからこっちに熱い眼差しを送らないで! 答えられないんです! これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。 または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。 小説家になろうでも投稿してます。 こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。

変な転入生が現れましたので色々ご指摘さしあげたら、悪役令嬢呼ばわりされましたわ

奏音 美都
恋愛
上流階級の貴族子息や令嬢が通うロイヤル学院に、庶民階級からの特待生が転入してきましたの。  スチュワートやロナルド、アリアにジョセフィーンといった名前が並ぶ中……ハルコだなんて、おかしな

処理中です...