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幼少期
3 顔合わせ(セルネス視点)
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セルネス・ユア・サーティファクルス。
ジーアス王国の第二王子として生を受けた彼は、異能を持って生まれた。
その異能は、心眼。
心眼は、簡単に言えばすべてを見通す目を持つ。壁越しの景色も視認することができ、目を塞がれていても視認が可能。
たとえ、死角とされる真後ろであっても。
それは、そこまで隠されているものではなかった。知らぬ者はいないとまでは言わないが、知っている者は知っている。
そんなセルネスの異能は、一つだけ、公表していないものがあった。
それは、人の心が見えること。心の声が聞こえるというわけではなく、考えていることが文字として見える。そのために、自分の知らない言語を使っている場合ではわからない。
当然だが、知らなければ読めないのだから。
国王は、よくも悪くもしたたかなので、そんな王子の力を利用するために、様々な言語を学ばせているので、セルネスはこの大陸に存在する言語はほとんどマスターしてしまっていた。
そんなわけで、大抵なら心が読めてしまうセルネスは、軽い人間不信に陥っていた。
脳内で考えている本音が見えてしまうのだから当然だろう。
セルネスは、幼いながらも、人の心の闇というのを知ってしまった。それからは、当たり障りない性格を演じるようになってきた。
セルネスはかなり腹黒い性格だと自覚している。この異能のせいでもあるが、まず人なんて信用しないし、たとえ信用が置けない人間でも、利用できそうならばとことん利用する。
心が読めるのだから、それとなく会話を誘導することも容易かった。
そんな風に過ごしてきたセルネスが言い渡された今回の婚約。相手のアドリアンネ・ワーズソウルは、いろんな意味で有名だったので、セルネスもすぐに顔立ちを思い浮かべることができた。
ワーズソウルの真珠と呼ばれるほどの美しい容姿を持っているが、致命的とも言える欠点が一つ。
病気で話せないことだった。ろくに会話もできないような令嬢を、ほとんどの家は嫁に迎えようなどとは思わないだろう。貴族社会はそんなものだ。
だからこそ、父が婚約させたのが意外だった。
普通ならば、話せない令嬢が王子の相手など務まるはずがない。ならば、それを差し引いても彼女が欲しかった理由がある。
そう考えたセルネスは、顔合わせのときに、わざと時間をかけて応接室に向かってみることにした。
もしセルネスの異能が理由で、彼女が選ばれたのが性格上の問題であるならば、これで本性が少しは見え隠れするのではないかと思ったからだ。
案内を任されていた侍女に雑談の一つや二つでも話していれば、自然と足は遅くなるもの。
客人、それも王子となれば、なるべく待たせないようにするはずなので、きっと到着を侍女が知らせたら、彼女は急いでそこに向かうはずだ。
計算外だったのは、思ったよりもその侍女が話し好きだったために、予想よりも遅くなってしまったことだ。
でも、計算外ではありながらも、これは都合がよかった。これで彼女がどう出るか。その言葉には嘘はないのか。それが遅れたことでよりはっきりするはずだと。
そう思いながら応接室に近づくと、ちょうど誰かが部屋から出てきた。その表情は、少し悩んでいるようにも見える。
すると、気配を感じたのか偶然なのか、彼女がこちらのほうを見た。
そして、彼女は慌てて頭を下げている。
頭をあげてもいいと許可を出すと、彼女は伺うようにそっと顔を上げていた。
そして、おそるおそるという風に自己紹介の紙を見せてくる。
どうやら、話せないというのは本当のようだった。
王子という立場の自分に怯えているのかと思い、なるべく優しい口調で話しかけた。
紙を持ち歩いているのかと聞けば、彼女は頷くだけ。
普通ならば、不敬罪だ。でも、彼女は話すことができないと公表しているために問題ない。
話せないのに声を出して返事を返さなかったから不敬罪など、こじつけもいいところだからだ。
でも、彼女はそうは思わなかったようだった。
(不躾よね)
その文字がセルネスには見えた。
話せないんだから仕方ないとか、そんな風に考えていない。自分が話せないからと言って、こんな対応は失礼ではないか、と彼女は考えていた。
そんなセルネスが今まで見てきた令嬢とは違う毛色の彼女に、少し興味を掻き立てられるのを感じた。
そのまま当たり障りない会話を続ける。
そして、しばらくすると、彼女がこんなことを考える。
(本心からの言葉ではなさそうだけど、嘘やお世辞を言っているようにも見えないのよね……)
彼女のそんな心の声に、セルネスは少しばかり動揺した。
自分の言葉の意が読み取られたことなど、今までなかったからだ。
いや、側近や父親である国王には見破られているだろう。でも、貴族の令嬢は初めてだった。
セルネスは、会話では何も嘘はついていなかった。
普通のペンでは不便だろうと思ったのも本当だし、インクがなくとも書けるペンを便利だと思ったのも本当だ。
でも、だからなんだと聞かれれば何も答えられない。
不便だろうとは思ったものの、彼女の心配をしていたわけではないし、便利だとは思うが、自分が使いたいとか、そこまでは思わなかった。
もちろん、あれば使うだろうが、わざわざ取り寄せてまで使おうとは思わない。
今のペンに特に不満はない。持ち歩けなくても全然困らないので、あったところで飾りになるのが目に見えている。
そんなだから、便利だとは思うが、欲しいとか利用しようとは思わなかった。それは事実だ。
でも、その真意を読み取られたのは初めてだった。自分で言うのもなんだが、セルネスはポーカーフェイス等はうまいほうだという自覚がある。
もちろん、国王として他国とやりあっている父にはよく見破られるが、兄にすら見破られたことはない。
もちろん、兄は本性を知っているので、疑いの眼差しを向けてくることはあるが。
それを、伯爵家の令嬢が見破った。普段は動揺なんて表に出ないセルネスも、今回ばかりは動揺してしまった。
そして、先ほどまで興味を向けていた彼女に、別の興味が向くのを感じた。
一体、どうやって見破ったというのだろうか。彼女も、自分と同じような異能を持っているとでも言うのだろうか。
そんな考えが頭を巡り、少し疑心暗鬼になっていると、彼女の思考がだんだんと焦りに変化しているように感じた。
(何か失礼なことを?あまりにも素っ気ない答え方だったのかしら。でも、紙に書く文字にどうやって真心を込めれば……)
焦りながら様々な思考を巡らせて、彼女が出したのは、『私が何か?』と直接尋ねてくることだった。
セルネスは、思わずクスクスと笑ってしまう。
先ほどまでは自分と同類な気がして、警戒を向けていたというのに、急に年頃の女の子らしくなってしまって、そんなことを一瞬でも考えた自分が馬鹿らしくなってしまったからだ。
アドリアンネ嬢との顔合わせのときのことを思い出してクスクス笑っていると、正面から歩いてきた存在に声をかけられる。
「珍しいな。お前が人目もはばからず笑みを浮かべるのは」
「私だって感情を出すときは出しますよ、兄上」
声をかけてきたのは自分の兄であるクーファ・ロア・サーティファクルス。
第一王子で王太子。腹黒いところもあるが、基本的には優しい人だ。
(なにか面白いことでもあったのか?)
文字で見えているだけだというのに、兄の声でそんな言葉が聞こえてくる。
「婚約者になった令嬢が毛色が違いまして」
「……お前の観察対象に入ったか?」
「失礼ですね。婚約者をおもちゃみたいには思いませんよ。興味深いだけです」
セルネスが笑みを浮かべながらそう言うと、(それがおもちゃ扱いしていると言うんじゃないか)という文字が見えた。
もちろん、それをセルネスが気づいていることは、この聡い兄はわかっているのだろう。なぜなら、顔にも書いてあるから。
王太子である兄が取り繕いなどできないわけがないので、わざと取り繕っていないということになる。
いくら顔でごまかしても、この弟には通じないとわかっているから、下手にごまかしたりしないのだ。
「お前がそのような性格になってしまったのはこちらの責任でもある。だが、お前の趣味趣向を令嬢に押しつけるようなことはするなよ。彼女は婚約者ではあるが、お前の物ではないのだからな」
「もちろんですよ、兄上」
セルネスは兄にそう言って微笑む。
兄はじーっと見てきたが、言うことはなくなったのか、すぐにその場を後にした。来た道を引き返しているということは、わざわざ自分に会いに来て、警告をしたかっただけのようだった。
「でも、僕の婚約者なんだから、欲張りになってしまうのはしかたないですよね?兄上」
そうボソッと呟きながら、セルネスは自分の部屋に戻った。
ジーアス王国の第二王子として生を受けた彼は、異能を持って生まれた。
その異能は、心眼。
心眼は、簡単に言えばすべてを見通す目を持つ。壁越しの景色も視認することができ、目を塞がれていても視認が可能。
たとえ、死角とされる真後ろであっても。
それは、そこまで隠されているものではなかった。知らぬ者はいないとまでは言わないが、知っている者は知っている。
そんなセルネスの異能は、一つだけ、公表していないものがあった。
それは、人の心が見えること。心の声が聞こえるというわけではなく、考えていることが文字として見える。そのために、自分の知らない言語を使っている場合ではわからない。
当然だが、知らなければ読めないのだから。
国王は、よくも悪くもしたたかなので、そんな王子の力を利用するために、様々な言語を学ばせているので、セルネスはこの大陸に存在する言語はほとんどマスターしてしまっていた。
そんなわけで、大抵なら心が読めてしまうセルネスは、軽い人間不信に陥っていた。
脳内で考えている本音が見えてしまうのだから当然だろう。
セルネスは、幼いながらも、人の心の闇というのを知ってしまった。それからは、当たり障りない性格を演じるようになってきた。
セルネスはかなり腹黒い性格だと自覚している。この異能のせいでもあるが、まず人なんて信用しないし、たとえ信用が置けない人間でも、利用できそうならばとことん利用する。
心が読めるのだから、それとなく会話を誘導することも容易かった。
そんな風に過ごしてきたセルネスが言い渡された今回の婚約。相手のアドリアンネ・ワーズソウルは、いろんな意味で有名だったので、セルネスもすぐに顔立ちを思い浮かべることができた。
ワーズソウルの真珠と呼ばれるほどの美しい容姿を持っているが、致命的とも言える欠点が一つ。
病気で話せないことだった。ろくに会話もできないような令嬢を、ほとんどの家は嫁に迎えようなどとは思わないだろう。貴族社会はそんなものだ。
だからこそ、父が婚約させたのが意外だった。
普通ならば、話せない令嬢が王子の相手など務まるはずがない。ならば、それを差し引いても彼女が欲しかった理由がある。
そう考えたセルネスは、顔合わせのときに、わざと時間をかけて応接室に向かってみることにした。
もしセルネスの異能が理由で、彼女が選ばれたのが性格上の問題であるならば、これで本性が少しは見え隠れするのではないかと思ったからだ。
案内を任されていた侍女に雑談の一つや二つでも話していれば、自然と足は遅くなるもの。
客人、それも王子となれば、なるべく待たせないようにするはずなので、きっと到着を侍女が知らせたら、彼女は急いでそこに向かうはずだ。
計算外だったのは、思ったよりもその侍女が話し好きだったために、予想よりも遅くなってしまったことだ。
でも、計算外ではありながらも、これは都合がよかった。これで彼女がどう出るか。その言葉には嘘はないのか。それが遅れたことでよりはっきりするはずだと。
そう思いながら応接室に近づくと、ちょうど誰かが部屋から出てきた。その表情は、少し悩んでいるようにも見える。
すると、気配を感じたのか偶然なのか、彼女がこちらのほうを見た。
そして、彼女は慌てて頭を下げている。
頭をあげてもいいと許可を出すと、彼女は伺うようにそっと顔を上げていた。
そして、おそるおそるという風に自己紹介の紙を見せてくる。
どうやら、話せないというのは本当のようだった。
王子という立場の自分に怯えているのかと思い、なるべく優しい口調で話しかけた。
紙を持ち歩いているのかと聞けば、彼女は頷くだけ。
普通ならば、不敬罪だ。でも、彼女は話すことができないと公表しているために問題ない。
話せないのに声を出して返事を返さなかったから不敬罪など、こじつけもいいところだからだ。
でも、彼女はそうは思わなかったようだった。
(不躾よね)
その文字がセルネスには見えた。
話せないんだから仕方ないとか、そんな風に考えていない。自分が話せないからと言って、こんな対応は失礼ではないか、と彼女は考えていた。
そんなセルネスが今まで見てきた令嬢とは違う毛色の彼女に、少し興味を掻き立てられるのを感じた。
そのまま当たり障りない会話を続ける。
そして、しばらくすると、彼女がこんなことを考える。
(本心からの言葉ではなさそうだけど、嘘やお世辞を言っているようにも見えないのよね……)
彼女のそんな心の声に、セルネスは少しばかり動揺した。
自分の言葉の意が読み取られたことなど、今までなかったからだ。
いや、側近や父親である国王には見破られているだろう。でも、貴族の令嬢は初めてだった。
セルネスは、会話では何も嘘はついていなかった。
普通のペンでは不便だろうと思ったのも本当だし、インクがなくとも書けるペンを便利だと思ったのも本当だ。
でも、だからなんだと聞かれれば何も答えられない。
不便だろうとは思ったものの、彼女の心配をしていたわけではないし、便利だとは思うが、自分が使いたいとか、そこまでは思わなかった。
もちろん、あれば使うだろうが、わざわざ取り寄せてまで使おうとは思わない。
今のペンに特に不満はない。持ち歩けなくても全然困らないので、あったところで飾りになるのが目に見えている。
そんなだから、便利だとは思うが、欲しいとか利用しようとは思わなかった。それは事実だ。
でも、その真意を読み取られたのは初めてだった。自分で言うのもなんだが、セルネスはポーカーフェイス等はうまいほうだという自覚がある。
もちろん、国王として他国とやりあっている父にはよく見破られるが、兄にすら見破られたことはない。
もちろん、兄は本性を知っているので、疑いの眼差しを向けてくることはあるが。
それを、伯爵家の令嬢が見破った。普段は動揺なんて表に出ないセルネスも、今回ばかりは動揺してしまった。
そして、先ほどまで興味を向けていた彼女に、別の興味が向くのを感じた。
一体、どうやって見破ったというのだろうか。彼女も、自分と同じような異能を持っているとでも言うのだろうか。
そんな考えが頭を巡り、少し疑心暗鬼になっていると、彼女の思考がだんだんと焦りに変化しているように感じた。
(何か失礼なことを?あまりにも素っ気ない答え方だったのかしら。でも、紙に書く文字にどうやって真心を込めれば……)
焦りながら様々な思考を巡らせて、彼女が出したのは、『私が何か?』と直接尋ねてくることだった。
セルネスは、思わずクスクスと笑ってしまう。
先ほどまでは自分と同類な気がして、警戒を向けていたというのに、急に年頃の女の子らしくなってしまって、そんなことを一瞬でも考えた自分が馬鹿らしくなってしまったからだ。
アドリアンネ嬢との顔合わせのときのことを思い出してクスクス笑っていると、正面から歩いてきた存在に声をかけられる。
「珍しいな。お前が人目もはばからず笑みを浮かべるのは」
「私だって感情を出すときは出しますよ、兄上」
声をかけてきたのは自分の兄であるクーファ・ロア・サーティファクルス。
第一王子で王太子。腹黒いところもあるが、基本的には優しい人だ。
(なにか面白いことでもあったのか?)
文字で見えているだけだというのに、兄の声でそんな言葉が聞こえてくる。
「婚約者になった令嬢が毛色が違いまして」
「……お前の観察対象に入ったか?」
「失礼ですね。婚約者をおもちゃみたいには思いませんよ。興味深いだけです」
セルネスが笑みを浮かべながらそう言うと、(それがおもちゃ扱いしていると言うんじゃないか)という文字が見えた。
もちろん、それをセルネスが気づいていることは、この聡い兄はわかっているのだろう。なぜなら、顔にも書いてあるから。
王太子である兄が取り繕いなどできないわけがないので、わざと取り繕っていないということになる。
いくら顔でごまかしても、この弟には通じないとわかっているから、下手にごまかしたりしないのだ。
「お前がそのような性格になってしまったのはこちらの責任でもある。だが、お前の趣味趣向を令嬢に押しつけるようなことはするなよ。彼女は婚約者ではあるが、お前の物ではないのだからな」
「もちろんですよ、兄上」
セルネスは兄にそう言って微笑む。
兄はじーっと見てきたが、言うことはなくなったのか、すぐにその場を後にした。来た道を引き返しているということは、わざわざ自分に会いに来て、警告をしたかっただけのようだった。
「でも、僕の婚約者なんだから、欲張りになってしまうのはしかたないですよね?兄上」
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