末っ子姫は今日も家族に振り回される

 アベリナ帝国の末っ子姫、フィレンティア。
 末っ子の女の子のため、多くの兄姉や父母にも愛されており、それをフィレンティアもうれしくは感じていた。
 そんな彼女がしばらく家族と暮らしているときに気づいた。

「なんか……愛がおもい?」

 一人では、たとえ庭先であろうとも外出なんて許さない。
 そもそもいつも家族の誰かがすぐ側にいるので、一人になることがない。
 せっかく魔力が強いのに、危険だからと魔法の練習もさせない。

 こんなことでは、誰かに依存しなければ生きていけなくなる。

「なんとか離れないと」

 そう思うも、なかなかうまく行かずーー?

ーーーーーーーーーー

『冷宮の人形姫』の続編となります。
時系列的には、フィレンティアが感情を取り戻してから一ヶ月後くらいからです。
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