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1人じゃないよ
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「あれっ?さっき...帰るって言ってたじゃん...拓真さん...」
「…ごめんねそらさん。僕さ、このお兄さんにも用事があるんだ。」
その表情がとても柔らかく、優しいのは見ただけでわかる。
でも、何故だろうか。
怖い。拓真さんが...怖い。
裏に何かを秘めている。
そんな気がする。
というか、拓真さんはなぜ當真のことを
お兄さん
と呼ぶのだろうか。同い年...しかも誕生日も同じなのに...。
「ねえ、そらさん」
「...どうしたの?」
「おまえ...何するつもり?」
「お兄さんの大切な人奪おうと思って」
「え...?」
「っ...!お前...」
「どういう...こと...?」
私はいまいち内容が頭に入ってこなかった。
___________拓真目線____________________
そらさんは分からなくてもしょうがない。
でも、お前は分かるだろ?
當真。
お前は俺が好きだと言った人を短期間で奪いやがった...。
その人は...その人はこそは...
そらさんっ...君なんです。
「そらさんっ...____」
「え...?」
僕はそらさんを抱きしめ、
「そら...」
「っ...!?」
名前を呼んでみた。耳元で囁くように。
君の耳元はみるみる赤くなって言った。
本当にかわいいな...すごく愛しいな...。
そう思った。だけど
「なにやってんの?」
「っ~...!!」
當真がいる。
ここには當真がいる。
當真はそらさんが1度愛した人。
僕みたいに...愛しいな...かわいいな...。
とかって感じた人。
あれ?なんか...自信が無くなってきた...。
『俺さ、彼女できたんだ』
『ん...?誰?』
『その子ね、“そら”っていうんだ...。』
『あれ...?その子、僕の好きな人と同じ名前だ。ほら、この前話したじゃん』
『あ、そうだったね。その子だよ。
俺の彼女。』
『え...?』
...気づくと、いつのまにか頬を雫がつたっていた。
「なんで泣いてんだよ」
「當真っ...。俺の好きな人...覚えてたんだよな」
「っ...」
當真は一瞬驚いた表情をし、それから、ゆっくりと微笑んだ。
そう。悪魔のように。
「あ、そうだったね。その子。俺の彼女だったよ?」
今にも暴走しそうな僕が暴走しないのはそらさんのおかげだ。
まだ僕が抱きしめ続けているから。
でも、そんなとき。
“ぎゅっ”
さっきまで抱きしめていたのは僕だけだった。
でも、今はそらさんも僕のことを抱きしめてくれていた。
「大丈夫。1人じゃないよ。」
その一言を聞いた瞬間、僕は倒れた。
「…ごめんねそらさん。僕さ、このお兄さんにも用事があるんだ。」
その表情がとても柔らかく、優しいのは見ただけでわかる。
でも、何故だろうか。
怖い。拓真さんが...怖い。
裏に何かを秘めている。
そんな気がする。
というか、拓真さんはなぜ當真のことを
お兄さん
と呼ぶのだろうか。同い年...しかも誕生日も同じなのに...。
「ねえ、そらさん」
「...どうしたの?」
「おまえ...何するつもり?」
「お兄さんの大切な人奪おうと思って」
「え...?」
「っ...!お前...」
「どういう...こと...?」
私はいまいち内容が頭に入ってこなかった。
___________拓真目線____________________
そらさんは分からなくてもしょうがない。
でも、お前は分かるだろ?
當真。
お前は俺が好きだと言った人を短期間で奪いやがった...。
その人は...その人はこそは...
そらさんっ...君なんです。
「そらさんっ...____」
「え...?」
僕はそらさんを抱きしめ、
「そら...」
「っ...!?」
名前を呼んでみた。耳元で囁くように。
君の耳元はみるみる赤くなって言った。
本当にかわいいな...すごく愛しいな...。
そう思った。だけど
「なにやってんの?」
「っ~...!!」
當真がいる。
ここには當真がいる。
當真はそらさんが1度愛した人。
僕みたいに...愛しいな...かわいいな...。
とかって感じた人。
あれ?なんか...自信が無くなってきた...。
『俺さ、彼女できたんだ』
『ん...?誰?』
『その子ね、“そら”っていうんだ...。』
『あれ...?その子、僕の好きな人と同じ名前だ。ほら、この前話したじゃん』
『あ、そうだったね。その子だよ。
俺の彼女。』
『え...?』
...気づくと、いつのまにか頬を雫がつたっていた。
「なんで泣いてんだよ」
「當真っ...。俺の好きな人...覚えてたんだよな」
「っ...」
當真は一瞬驚いた表情をし、それから、ゆっくりと微笑んだ。
そう。悪魔のように。
「あ、そうだったね。その子。俺の彼女だったよ?」
今にも暴走しそうな僕が暴走しないのはそらさんのおかげだ。
まだ僕が抱きしめ続けているから。
でも、そんなとき。
“ぎゅっ”
さっきまで抱きしめていたのは僕だけだった。
でも、今はそらさんも僕のことを抱きしめてくれていた。
「大丈夫。1人じゃないよ。」
その一言を聞いた瞬間、僕は倒れた。
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