わたしの青春クロニクル

しずな

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幕  思い出はいつでも心のなかに 當真

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俺の名前は當真。
今回の一人称だ。
~前回の続き~
「そして付き合って。」
「幸せだったね」
今、そらは
〝幸せだった〟 
と言った。
「「・・・・」」
今は幸せじゃない?
俺と別れたいって、言ったの、お前なのに。
「ねぇ」
「ん?なに?當真」
「なんで俺じゃダメなの?」
「・・・」
「俺のこと、嫌い?」
「・・・」
ずっとおもっていた心の声。
それに対してそらは何も言ってくれなくて。
俺は逃げた。
涙が目にどんどんたまってきていたから。
泣いてるとこ、好きな人に見られたくなかったから。
でも、そらも逃げる俺を止めてくれなくて。
そして俺は今日は早退することにした。
目がパンパンなのだ。
こんな姿、見られたくない。
俺は帰ってから、ずっと、昔のことを考えていた。
そして、押し入れからアルバムを引っ張り出した。
そのアルバムの一番最初のページに入っている写真が、俺とそらの写真で。
「今こんなの見たら、泣くぞっ・・・」
俺は涙をぐっとこらえた。
でも、悲しいという気持ちには勝てず、俺は涙を流した。
大粒の涙を。
「そら・・・っ!」
もう、そらは、俺のことを好きではないという事は分かっている。
でもさ。
好きなんだよ・・・。
俺はそらが。
そらが好きなんだ。
他のだれでもない。
そらが。
そらは、もう、俺とは付き合ってくれない。
俺の気持ちを嘘だと心得ている。
嘘な訳がないよ。
そらは、俺の大切な人だ。


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