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無我夢中で森を突き進む。
幸い、今までモンスターなどとは合っていない。
ただ、そろそろ日が暮れてきた。
夜になってしまっては森を進むことは不可能だろう。
せめて寝れる所を探さなければ。

「ん?」

少し先の様子がおかしい。
ボヤっと緑色に発光しているように見える。
とりあえずそこに向かう事にした。

「これは…」

たどり着いたところはお椀状に大きく陥没していた。
その真ん中には大きな木が生えていた。
世界樹を彷彿とさせる大きな木だ。
その大きな木が淡く緑に発光してる。
とても神聖な場所のようだ。

俺は下に降りることにした。
斜面は段々になっていて降りることは簡単だった。

一体ここは何なのだろうか?
俺には、とても神聖な場所のように感じた。

今日はここで一泊することにした。
森の真っ暗な所で泊まるよりはマシだろう。

世界樹の下に落ちている枝や葉っぱを集める。
幸い、乾ききっている物ばかりだった。
これで火が起こせる。

世界樹の隣で火をおこすのは些か気が引けたので段々になっているところで火を起こすことにした。
枝を2本交差させ、片方を動かして擦りまくる。
とても疲れるやり方だが用意するものが簡単だ。

こんなところで前世の知識が生きるとは思わなかった。
よく一人でキャンプに行ったものだ。
そこでライターなどを使わずに火を起こす。
疲れるが、疲れた分達成感がある。

しばらく擦り続けていると煙が上がってきた。
擦る速度を更に上げた。

「お!」

火種が出た。
俺は急いで乾いた葉っぱで包み息を吹きかける。

「やった!」

炎が上がる。
何度やってもこの瞬間が一番嬉しい。
燃える葉っぱを中心にして枝を乗せる。

森の中ではこんなことはできない。
地面が葉っぱだらけだし火の粉が飛ぶと危ない。
まして、ここらの森はジャングルのようになっている。
なおさら火を起こす事なんてできない。
この凹みがあって助かった。

枝に火が燃え移った。
ちょうど空が茜色になっていた。
太陽のような物は見えないが、もう夕方だろう。
明るい内に火が灯ってよかった。

ホッとした俺は、ボケて美味しくないりんごを1つ食べた。

火を見つめていると時がすぎるがあっという間に感じれる。
もう空は真っ暗だ。
黒色の空に星がチラチラと輝く。
そろそろ寝なければ。
明日もこの森を付き進まなければ行けないから。

俺は横になった。
そして、目を閉じた。


※おまけ1言

「明るくて眠れねぇ…」
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