どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

ボケ猫

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408 山頂到着

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「はい、ただいま戻りました、ルナさん。 でもすぐにアニム王の支援に向かわないと・・」

俺がそう言うとみんなの顔が引き締まる。

「そうだな。 だがテツ、私やシルビアでは力になれそうにないのだ」

ルナが申し訳なさそうに言う。

その横からレアが前に出て来て話す。

「えへん。 わたくしたちが援護いたしますわ」

「レレよ、お前は何の役にも立たなかったではないか」

ルナがそういうと、レアは一瞬硬直したようだ。



「な、何をおっしゃいますかルナ様。 それにレアです。 まぁ、わたくしたちでも、戦闘に参加できなくても魔法支援くらいはできますわ」

レアが軽く反り返り、どうだと言わんばかりだ。

俺はそれを見ながら微笑み、あれ? っと思った。

フレイアがいない。



少し周りを見渡してみたが見当たらない。

アニム王と先行したのかとも思ったが、レイアに聞いてみた。

「レイア、フレイアがいないみたいだが、アニム王と一緒に行ったのかな?」

「・・それがですね、姉さん少し前から見かけないのですよ。 優にも言ったのですが、どこに行ってるのかわからないのです」

レイアが答えてくれる。

俺も少し考えていたが、わかるはずもない。

「そっか、まぁ問題ないだろう。 もしかしてアニム王から依頼を受けたりして、先に行ってるかもしれないな」

俺も軽く答え、優やルナたちと少し話すると、騎士団長が近寄って来てアニム王のところに向かうメンバーを選ぶという。

・・・

・・

アニム王に向かうメンバーはすぐに選出された。



騎士団長と神聖術師、レアとロイヤルガード。 優とレイアがどうしてもついて行きたいというので、組み入れてもらった。

合計20名ほどだ。

必要な物資も運ぶため、飛行船で移動するという。

まぁ現地まで5分もかからないようだ。

俺だけが先行してもよくわからないだろうし、それくらいの時間なら何とかなるだろう。



俺も騎士団長たちにお願いした。

そういえば、騎士団長ってなんて名前なんだ?

団長、団長って呼んでたからな。

後でわかったことだが、エンリルというそうだ。

また、武装ロイドが消滅すると全員が普通に魔力を回復できていた。



◇◇



<邪神教団側>



邪神教団の飛行船団が剣山つるぎさんの山頂に到着していた。

上空で静止している。

その中から1つの飛行船がゆっくりと降りてくる。

山頂の平らな場所に着陸した。

飛行船の中からモレクとハンモックのような乗り物に乗せられているフレイアが降りて来る。

モレクの動きに従って、ハンモックのような乗り物は移動するようだ。

空中を滑らかに動く。

飛行船ではモレクの背中を見送っている教団員がいた。



モレクは地上から空を見上げる。

「ふむ、間もなく時間ときも満ちます」

そうつぶやくと、辺りを見渡す。

!!

何かを見つけたようだ。

ゆっくりと歩いて行き、一つの大きな岩の前に来た。

岩が重なりあって立っている。

モレクはその岩に触れると、何やら詠唱している。

!!

フレイアは驚いた。

スッと岩の中に地下へ下りる空間が広がっていた。



「お前たち、邪魔が入らないように待機していてください。 まぁないでしょうが、邪魔ものが来れば排除をお願いします」

モレクがそう言うと、教団員はうやうやしく頭を下げる。

モレクは教団員に背を向け、フレイアを伴い、岩に空いた空間を降りてゆく。

モレクが入って行くと、開いていた空間は閉じられて元の岩に戻っていた。



モレクはゆっくりと階段を下りて行く。

自分達の前には魔法で光をともしている。

フレイアは何も言わずにモレクを見ている。

念話と飛ばそうにも隷属の首輪が邪魔をして何もできない。

少し降りてゆくと、空間が広がっていた。

モレクがその場所でいろいろ確認をしている。

・・・

・・

「・・なるほど。 ザナドゥのシステムとよく似ています」

そうつぶやくと、小さな空間の先に四角い黒い石のようなものが見えた。

モレクは迷わずその石の方へ歩いてゆき、石の上に乗る。

フレイアもモレクの近くまで漂ってきた。



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