どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

ボケ猫

文字の大きさ
上 下
353 / 426

353 先行部隊に追いついた

しおりを挟む





<アニムside>



騎士団の一人がそういうと、近寄って来て説明してくれる。

相手の戦闘機とワイバーンの飛行性能はそれほど変わらない。

そして、聞いていた情報と違う。

使われている魔核はレベル23程度なのはわかる。

だが、攻撃力が違うという。

聞いていたよりも遥かにレベルが高い攻撃がくる。

戦闘機から打ち出される弾。

ワイバーンを打ち抜くほどではないが、集中して撃たれると傷つき、羽などがもがれるようだ。

そして、奥の方から近づいて来る大きな戦艦。

艦載砲から発射される砲撃も、直撃すればワイバーンも揺らぎ下手をすると一撃で墜落したりもする。

こちらからの魔法攻撃も、当たれば相手の戦闘機も落ちる。

だが、なかなか当たらない。

ミサイルのようなものまで飛んでくる。

どうやらすべての攻撃に魔法を付与しているようだ。

事前情報と現場との情報修正で、出す指示が後手後手に回っている感じだった。



◇◇

連合国side



連合国の戦艦内では明るい声が飛んでいた。

「これは凄いですな。 あなた方が調整してくださったおかげで、攻撃力がものすごく上がっているようです」

艦橋で気分が高揚している男たちがいた。

戦艦の艦長は司令席に座り、冷静に戦況をみている。



異世界人だろう人がニヤッとしながらもうなずいていた。

「いえいえ、我々はほんの少し魔法を付与しただけですよ」

遠くで爆発光が見える。

たまに戦闘機も被弾したりしているが、相手の魔物も落下したりしている。

どうやらこちらが押しているような感じだ。



「このまま押し切っていけそうですかな、艦長」

明らかに楽観的な発言をしている。

艦長はその発言者をジッと見て、

「まだ戦闘は始まったばかりです。 どうなるかわかりません」

それだけ言うとまた外を見つめていた。



異世界人も外を見ている。

その周りにこちら側の責任者が3名ほど搭乗している。

どの戦艦にも同じような感じで配置されていた。

連合国家から、この地域に派遣された戦力は、空母型艦艇2隻。

戦艦20隻。

相当な戦力だ。

空母には戦車や装甲車が格納されていて、既に地上へと降下していた。



艦長も戦況を見つつ、悩んでいた。

こんな空飛ぶ艦隊を指揮するのは初めてだ。

海の上でもそうだが、立体的な戦術が必要になる。

今まででも潜水艦や魚雷、航空機などに気を付ける必要があった。

だが今は魔法などというものがある。

それに、人の武技などでも見たことがある。

戦車を平気で吹き飛ばしたりしている奴等がいた。

どうやって戦闘スタイルを組めばいいんだ。

とにかく、持てる火力を集中して相手の戦力を削っていく。

そう考えていた。

それにしても、あの行政官の連中は見えているところでしか判断していないのだろうな。

艦長はそんなことを思いつつ、状況を注視する。



◇◇

アニムside



この部隊を指揮していたのは、帝都騎士団スバーハ:レベル33という人物だ。

俺とは特に面識があるわけではない。

いろいろ忙しそうに指示を出し、

「地上にも敵戦力が集まってきているぞ。 右翼が少し弱い・・」

ホログラム映像と現場を見つつ声を出している。



俺が近づいたのに気づいたようだ。

「これはテツ殿ではありませんか、それにフレイア殿も。 よろしくお願いします」

挨拶もよろしく、周りに指示を飛ばす。

俺たちのことは知っているようだ。



「申し訳ありません。 ちょうど今が山場のようでして・・」

そう言いながらも、落ち着いている感じがする。

そして、俺の近くに寄って来て耳打ちする。

「どうやら我々は補給部隊の役割のようです。 ミラン殿とこの地点で合流する予定なのですが・・」

そういって、マップを見せてくれた。

俺はそれを見つつ、そこまでしっかりと戦略が組まれているのだなと感心。

指揮官を見つつ、迫って来る敵を見る。

スバーハは落ち着いて指示を出す。

「まぁ、防御壁が破られるようなことはないと思いますが、このままではわかりませんね」

前を向いてつぶやく。

「スバーハ隊長、俺も前に出て戦った方がいいでしょうか?」

俺はそう聞いてみた。

「・・そうですね。 お願いしたいところですが、まだ前線の状況がよくわからんのです。 このマップに疑似表示していますが、この戦艦が邪魔でして・・・」



戦士一人一人がマップに表示されている。

敵の戦力も一応表示されている。

こちらの戦士はライセンスカードなどの情報から、正確に位置などがわかるようだ。

それを元に、戦術を適宜変更している。

見ていると、どうも俺たちから見て右翼、右側が押されているようだ。

地上部隊は魔物を操っている部隊が対処しているという。

バジリスクなどの魔物を使役して戦っているようだ。

・・あの魔物、テイムできたんだ。

俺はその方が驚いた。



しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

なんでもアリな異世界は、なんだか楽しそうです!!

日向ぼっこ
ファンタジー
「異世界転生してみないか?」 見覚えのない部屋の中で神を自称する男は話を続ける。 神の暇つぶしに付き合う代わりに異世界チートしてみないか? ってことだよと。 特に悩むこともなくその話を受け入れたクロムは広大な草原の中で目を覚ます。 突如襲い掛かる魔物の群れに対してとっさに突き出した両手より光が輝き、この世界で生き抜くための力を自覚することとなる。 なんでもアリの世界として創造されたこの世界にて、様々な体験をすることとなる。 ・魔物に襲われている女の子との出会い ・勇者との出会い ・魔王との出会い ・他の転生者との出会い ・波長の合う仲間との出会い etc....... チート能力を駆使して異世界生活を楽しむ中、この世界の<異常性>に直面することとなる。 その時クロムは何を想い、何をするのか…… このお話は全てのキッカケとなった創造神の一言から始まることになる……

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公 じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい …この世界でも生きていける術は用意している 責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう という訳で異世界暮らし始めちゃいます? ※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです ※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

処理中です...