どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

ボケ猫

文字の大きさ
上 下
323 / 426

323 まるで裁判所みたいだぞ

しおりを挟む





俺はそんなことを確認していると、シュナイダーが俺に話し始めた。

「テツさん、ココさん、今この場にいる者たちが、この街、いや国と言った方がいいでしょうか、代表者たちです」

全員が微笑みながら軽く頭を動かしていた。



まずは男の声で質問された。

「君は、日本人だというが、日本も魔物が現れたのかね?」

俺は声のする方を向くと、シュナイダーが横から名前を言ってくれる。

「ゼーマンさんです」

俺はそれを聞くと答えた。

「そうです、ゼーマンさん。 日本も魔物に襲われました」

俺の言葉を聞くと、少しざわつく。



「君は、魔導国の調査をするために移動中だったとか・・・」

またまたシュナイダーが教えてくれる。

「ペトロフさんです・・」



「はい、そうです、ペトロフさん・・」

本当に、尋問だな・・俺はそう思いつつも、答えていった。

「魔導国は、異世界人に聞けば人の住める場所ではないという・・」

ペトロフは俺を見定めるように話してきた。

「ペトロフさん、それを調べに行くのです」

俺はそう答える。

ペトロフはうなずきながら、笑っていた。

「・・いや、失礼したね。 もっともだ」

ペトロフが椅子に深く座り直す。



「テツさんでしたね。 アニム王国という国の冒険者ということですが、どんな国なのですか?」

またまたシュナイダーが教えてくれる。

「アナスタシアさんです」



「はい、とてもいい国ですよ。 私のいた日本よりもいい国ですね」

俺は正直に答えた。

「まぁ、日本よりもいい国ですか・・・それは素晴らしい。 私も行ってみようかしら」

「アナ・・あなたねぇ・・」

笑い声が聞こえる。

『ギルティ!』

ココは目を閉じ、念話で話してくる。



「テツさん、あなたはドワーフの武器というのを持っているようだが、見せてもらってもいいだろうか?」

またまた、シュナイダーが教えてくれる。

「ロレンスさんです」



はぁ・・・もうしんどいな。

俺はそう思ったが、まぁ仕方ない。



「えっと、ロレンスさんですね。 いいですよ」

俺はそう言って立ち上がる。

ゆっくりと刺激しないように歩いて、飛燕をテーブルの上に静かに置いた。

見た目は普通の刀を置く動作だ。

俺は後ろに下がって、元の席に戻る。

シュナイダー以外の男たちは飛燕に近づいて行く。



女の人たちは別に興味もないようで、俺に手を振ったりしてくれていた。

俺も手を振り返す。

壁際のボディガード達は動かないな。



「・・・こ、これは・・・」

「まさか・・・こんな・・・」

・・・・

・・

ザワザワし出した。



おっさんどもの顔が真剣になっている。

ビクともしないようだ。



おっさんの一人が、壁際の男に目配せをした。

ボディガードらしい男が来て、うなずいている。

その男が飛燕に近寄っていった。

レベルは28だ。

俺はもしかしたら動くかも・・なんて思ってみていた。

・・・同じだった。

男は片手でつかんだが、全く動かせないでいた。

両手で持つも、同じだ。



他のボディーガードも呼び寄せられて、5人で持ち上げようとしていた。

飛燕の握り手のところに二人。

つかの先に二人。

真ん中に一人で持ち上げようとする。

・・・・・

・・・

男たちの顔が真っ赤になってきていた。



そういや、白人系って、真っ赤になるよな。

そんなことを思いながら、もしかしたら飛燕がわざと嫌がってるのかもと思ってしまった。

・・・・

どうやらあきらめたようだ。



ボディガード達、何事もなかったかのように同じ位置に戻っていったな。

肩で息をしているぞ!

・・・ここで笑ったらダメだろうな。



「「「あははは・・・・」」」

女の人たちの笑い声が聞こえた。

「あなたたち、大したことないわね」

女の人たちはゲラゲラと笑っている。



男たちは椅子に座り直していた。



俺も立ち上がって、飛燕を取りに行く。

俺が片手でスッと飛燕を持つと、皆が目を丸くしていた。

席に戻って座る。



シュナイダーが話し始めた。

「テツさんの持たれている武器ですが、ドワーフが作った彼専用のものらしいのです」

そういうと、おっさんが口を開いた。

・・・誰だっけ?

俺は名前を忘れていた。

「シュナイダー、そういえば、ドワーフのところへ向かった連中はどうなったんだ?」

シュナイダーの顔が一瞬固まったようだった。

「・・・ペトロフさん・・・まだ、連絡がありません」

シュナイダーが苦虫を噛み潰したような顔をしている。



どうも、部外者に聞かれたくない話だったようだ。

やはり、この国からの連中だったか・・・。



「それにしても、テツさん。 その武器は凄いですな。 あなたしか持てないのですから・・」

ペトロフが話してきた。

いや、俺だけしか持てないわけじゃないんだが・・・。



しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

なんでもアリな異世界は、なんだか楽しそうです!!

日向ぼっこ
ファンタジー
「異世界転生してみないか?」 見覚えのない部屋の中で神を自称する男は話を続ける。 神の暇つぶしに付き合う代わりに異世界チートしてみないか? ってことだよと。 特に悩むこともなくその話を受け入れたクロムは広大な草原の中で目を覚ます。 突如襲い掛かる魔物の群れに対してとっさに突き出した両手より光が輝き、この世界で生き抜くための力を自覚することとなる。 なんでもアリの世界として創造されたこの世界にて、様々な体験をすることとなる。 ・魔物に襲われている女の子との出会い ・勇者との出会い ・魔王との出会い ・他の転生者との出会い ・波長の合う仲間との出会い etc....... チート能力を駆使して異世界生活を楽しむ中、この世界の<異常性>に直面することとなる。 その時クロムは何を想い、何をするのか…… このお話は全てのキッカケとなった創造神の一言から始まることになる……

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公 じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい …この世界でも生きていける術は用意している 責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう という訳で異世界暮らし始めちゃいます? ※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです ※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

処理中です...