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307 家族って・・・
しおりを挟む「そっかぁ・・・みんなこれから楽しくなりそうだな」
俺がそういうと、優が話しかけてきた。
「おっさんは通わないの、学校?」
「・・う~ん・・・今、そのことが頭をよぎったんだが・・・わからんな」
俺は正直に答え、付け加えた。
「でも、何でも基本から学ぶのは、大事なことだと思うぞ」
優は苦笑しながら俺をみている。
・・・俺が学べってか?
ま、親の言うことなんて聞く歳じゃないだろうが、頭には残るだろう。
「後さ、この家なんだけど・・・今思ったんだ。 フレイアに管理してもらおうと思う」
俺はみんなの話を聞いていて、思いついたことを言ってみた。
当然、フレイアが驚いている。
「え? テ、テツ・・・」
フレイアが口をパクパクさせている。
俺はそれを横目に、
「いつまでも、屋根で寝てるなんてよくないだろう。 それに、フレイアが管理維持してくれたら、掃除の手間も省けるしね。 みんなが気軽に集まれるんじゃないかな?」
俺がそういうと、フレイアがすぐに反応する。
「テツ、エルフは外で寝ても問題ないんだ。 それに、風魔法で身体を覆っている・・・」
少し焦っているような感じだが、次の俺の一言で決定した。
「フレイア、単に管理するんじゃないんだ。 ここで、軽いカフェみたいにして、スイーツなんか提供したらいいんじゃない?」
俺がそういうと、フレイアが固まる。
「・・・スイーツ・・・」
そうつぶやきながら、少しジッとしていたが、うん、うん、とフレイアは頭を縦に素早く動かした。
これで決まりだな。
・・・まさか、本格的なスイーツカフェになるとは思ってもいなかった。
後日談になるが、フレイアの薬草の知識を生かして、体調を整える飲み物も提供するようになる。
嫁は俺がこれだけ自由に発言しているが、何も言わない。
まぁ、自分のパーソナルスペースに入ってきてないので、スルーなのかもしれない。
いや、既に俺などアウト・オブ・眼中なのかもしれないな。
俺に対する扱いだけが変なだけで、子供たちには普通に接している。
そこは評価するんだが。
時間は16時前だ。
結構時間が過ぎていたんだな。
みんなもそれぞれ納得したらしく、家に帰っていった。
俺も、フレイアにこの家を任せて家に帰ろう。
「じゃ、フレイア。 よろしく頼むよ」
「あぁ、テツ。 ありがとう」
フレイアはニコニコしながら手を振っていた。
家に帰って、リビングで一人椅子に座って考えてみる。
・・・・
本当にいろいろあった。
夢じゃないのか?
そんなことを考えてみる。
リアルだ!
ボォーッと上を向いて、椅子に身体を任せてみる。
優は問題ない。
凛や颯も普通に育っている。
今までの日本では、これは家族とは言えないだろう。
いや、言えるのか?
俺は家長としての義務を果たしていない・・いや、そもそも家長なんて枠を作ること自体がダメなんじゃないか?
しかしなぁ、不自由があって自由がわかるし・・・。
そもそも家族の定義なんて、わからない。 時代によっても違う。
動物なんて、ほとんどのオスは種付けだけだ。 いや、タツノオトシゴは違うな。
俺の定義というのではないが、子供たちの為なら俺は盾になれる。
それは間違いない。
嫁は・・・無理だな。
嫁のお義母さんは・・・関係ないな。
・・・ドライすぎるか?
わからない。
ただ、時間が過ぎて、人として感謝の気持ちが勝手に湧き出てきたら、それはそれでいい関係ができたということだろう。
先に定義しても意味がないんじゃないか?
・・・・・
・・・
そんなことを考えていたら、少し眠っていたようだ。
自然と目が覚めて、時間を確認すると20時を過ぎている。
よく寝るよな。 俺は自分で思って苦笑した。
そんなにお腹が空いた感じはない。
どうしようかな・・・これからのことだ。
とりあえず自分のステータス画面を確認してみる。
ステータスオープン。
テツ(ランクA)
レベル:42
種族 :人
HP :720/720
MP :530/530
力 :618
防御 :575
敏捷 :787
技能 :493
運 :72
職業 :賢者9
固有スキル
罠解除☆
上忍術☆
鑑定☆
アイテムボックス☆
自動回復☆
祝福☆+β
魔法耐性☆
調理4
・・ん?
なんだ?
今気づいたぞ。
祝福の+αがβに変わっている。
・・は?
俺は祝福のところをタッチしてみる。
・・・・
何やら、フェニックスとの接触でα。
クイーンバハムートとの接触でβ・・・そんなことが記載されている。
詳しくは書かれていない。
・・・俺的な考えだが、どうやら神クラスの魔物? 生き物?
その接触か交流か、そんなものがあると記載されるのかもしれない。
別に、悪いことではないだろう。
次にお金、ギルだが・・・。
もはや、俺には天文学的な額になっている。
どうでもいい。
とにかく、お金に関する生活には困ることはないだろう。
俺はしばらく考えていたが、明確な答えは思い浮かばない。
・・・やっぱ寝るか、そう思いベッドに腰かけた。
寝る前のお仕事。 例のごとく魔弾を作る。
・・・フレアだな。
そう思って、2つほど作った。
かなりしんどく感じる。
出来上がった魔弾をアイテムボックスにしまうと、そのまま横になった。
・・・・・・
・・・・
・・
朝が来たようだ。
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