どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

ボケ猫

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304 どう言ったらいいものか・・・

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クイーンバハムート、ゼロの報告を終え、帰路についている。



◇◇



時間は7時過ぎだろう。



アニム王は気にするなと言ってくれたがなぁ。

ゼロを顕現けんげんさせてしまった。

う~ん・・・考えても答えなど出るはずもない。

よし! 気にしない!!



一応そう結論づけて歩いていく。



家の前に来ると、凛や颯が家から出てきていた。

俺が手を振ると、凛が駆け寄ってくる。

「パパ~! おはよう」

俺は凛を抱っこして持ち上げ、おはようさんと挨拶して横に降ろした。



「あのね、凛ね、今日から学校へ行くの!」

凛がうれしそうに言う。

「学校?」

「うん」

凛が返事をしていると、颯もやってきて同じことを言う。



「テツ、おはよう」

「おはよう、颯。 凛が言ってたけど、学校へ行くのか?」

俺がそう聞くとうなずいていた。



バーンが颯の頭の上でくつろいでいる。

スラちゃんが颯の後からのっしのっしと近づいて来ていた。



スラちゃんがプルプルと震えている。

「・・やっぱり、スラちゃん怯えてるね」

颯が言う。



そうしていると、嫁と嫁のお義母さんが近づいてきた。

「あら、テツさん。 おはようございます」

「パパさん、おはよう」



二人ともご機嫌だな。

というか、こんな朝早く起きられるのか?



「凛たちが学校へ行くっていってたけど・・・」

俺がそう聞くと、嫁が答える。

「そうよ。 今日から学校が始まるの。 私たちも通うのよ」

「え? 」



嫁のお義母さんもニコニコしながらうなずいている。



「確かに誰でも通えるって言ってたけど・・」

俺がそうつぶやいていると、

「8時から開会式と入学式だから、行って来るわね」

「・・・・」

嫁はそういうと、みんなで出発していく。

俺は凛たちに手を振って見送った。



学校かぁ・・・。

魔術学園ができると言ってたが、まさか今日からだったとは・・・。

どんなことをするのかな?

俺も行きたくなったら行ってみよう。



さてと・・・まずは、ばあちゃんたちのところへ顔を出しておこう。



そう思ってばあちゃんの家の前に到着。

呼び鈴を押してみる。

「はーい」

ばあちゃんの声だ。

ドアが開いて、

「おや、おはよう、テツ。 帰ってきたんだね」

そういうと、中へ入れてくれた。



リビングへ行くと、じいちゃんが席に座ってお茶を飲んでいた。

俺も席に座らせてもらう。

「ばあちゃん、凛たちが学校へ行くの、知ってる?」

「あぁ、昨日からはしゃいで教えてくれてたよ」

ばあちゃんが、俺にお茶を淹いれながら答えてくれる。



なるほど、ばあちゃんはご存知ですか。

「そっか・・・」

俺はれてくれたお茶を飲みながらつぶやいてみた。



ピンポーン!



俺がお茶を飲んでいると呼び鈴が鳴った。

フレイアかな?

俺はそう思っていると、ばあちゃんが玄関を開けに行く。



「あらあら、いつも申し訳ないですね。 じいさん、迎えに来たよ」

ばあちゃんが玄関の方から声で呼ぶ。

じいちゃんは立ち上がり、玄関の方へ歩いて行った。



誰だ?

俺は少し興味があったので、じいちゃんの後をついて行って、誰か確認しようと思った。

!!

誰? あの美人・・・。



その美人さんが俺に軽く会釈すると、じいちゃんと一緒に歩いて行った。



ばあちゃんはそれを見送ると、リビングへ行く。

「ほら、テツ。 ほうけてないで、お茶を飲んでしまいな!」

俺は言われるまま席に戻り、お茶を飲む。



「ばあちゃん・・・じいちゃんのあれ、何?」

俺は聞いてみた。

「あぁ、あの人ね。 王宮の人で、じいちゃんの送り迎えをしてくれる人だよ。 日によって人が変わったりするけど・・・」

ばあちゃんが説明してくれる。



なるほど・・・じいちゃんと一緒に歩いていた女の人は、送迎の人だったのか。

しかし、どれだけVIPなんだ、じいちゃんは!



残りのお茶を飲み、ばあちゃんの家を後にする。

ばあちゃんも王宮へ行くのだとか。

みんな頑張ってるな。

さて、家に帰ろう。



ばあちゃんの背中を見ながら、少し閃いたことがあった。

後でフレイアにでも話してみよう。



家のドア開けてみると、

「あ、おかえり~テツ!」

「ただいま」

フレイアが声をかけてくれるが、これって・・どうなんだ?

いいのかな・・・いや、いいとか悪いとかじゃないな。

そういう日本的な常識は消していかなきゃ。



さて、フレイアにはどう説明しよう。

・・やっぱり言わない方がいいだろう。

アニム王とだけ、真実は共有しておこう。



「テツ、どうだったの?」

フレイアが聞いてくる。

当然だよな。

「うん。 結局、クイーンバハムートはよくわからないね。 でも、居城というか宮殿というか、その建物で祈ると、何か感じるんだよね」

俺はフレイアにそう伝えてみた。



「そう、やっぱりね。 誰も見たことがないものね。 そういう存在なのかもしれない。 でも、無事に帰ってきてよかったわ」

フレイアが微笑みながら言ってくれる。

「ありがとう、フレイア」

俺はそう答え、

「そういえば、フレイア。 凛たちが学校へ通うって、知ってた?」

俺は聞いてみた。

「えぇ、知ってるわ。 昨日、颯君と凛ちゃんがうれしそうに走り回っていたから」

「そうなのか・・・」

「そうなのよ」

フレイアが答える。



俺はそれを聞きながら、さっき閃いたことをフレイアに話してみた。

「フレイア、あの・・俺たちの敷地の真ん中の庭だけど・・・」

「うん」

「そのところに、小さな家を建てようと思うんだ。 みんなが気軽に集まれる場所みたいな・・・」

「え? どういうこと・・」

フレイアが変な顔でこちらを見る。



「うん。 優とか俺もそうだけど、みんな個別に家を持っているよね。 その家を一つの部屋と思って、みんなが集まって食事したり、いろんな話をしたりする場所を作ってみたいと思ったんだが・・・ダメかな?」

俺は、話していて、やっぱいらないかなとも思った。

「いいんじゃない?」

フレイアは軽く答えてくれる。



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