どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

ボケ猫

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301 はぁ、気分いいですわ!

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城壁の入口に装甲車3台とレアたち6人が近づいて行き、レアが門衛に挨拶をした。

時間は8時30分前だろう。



「おはようございます。 私、レイドルド帝国のレアと申します。 こちらの街はどなたの街かしら?」

!!!

門衛の人間は驚いた。

どこかで見たことあるような人だと思っていたが、その言葉、レイドルド帝国のレアと聞いたときに身体が飛び上がるかと思った。

実際、背中がピン! と伸び、少し飛んでいたかもしれない。



「あ、は、は、はい!! レア姫様。 お、お、おはようございます。 こ、こ、この街はアニム王国の管轄下に置かれている街でして・・」

門衛は極度に緊張していた。

相手が姫様だからというのではない。

レアという人間がどういう人物か知識として知っていたからだ。

ただ現物を見るのは初めてだ。

だが、その噂によって頭の中では、人物が完成している。



無礼なものに容赦はしない。

見た目に惑わされて死んだものは数知れず。

レアの取り巻きが凄まじく強く、恐ろしい。

サイクロプスなどの高レベルの魔物をペット代わりにしている。

常識が通用しない。

言葉を間違えると命を落とす。

ドラゴンを一撃で仕留める。

・・・・・

・・

今、一瞬で浮かんだだけでもそれだけのことが頭を駆け巡る。

門衛にしてみれば、かつてない試練だっただろう。

実際は、礼節を守る人物なのだが・・・いや、違うか。



「あら、アニム王国の管轄下でしたの。 それよりもあなた、どこか具合が悪くって?」

レアが声をかけながら、門衛のおでこを触れようとした。

門衛は動けない。

レアの手が門衛のおでこに触れた瞬間、門衛は気絶した。



もう一人の門衛も緊張で固まっている。

「あら、お疲れのようですわね。 セレネー、御上おあげなさい」

「ハッ」

セレネーが歩み寄って回復魔法をかける。

「あ、そうでしたわ。 ライセンスカードの提示が必要でしたわね。 失礼」

レアがそういうと、ライセンスカードを取り出して、門衛に見せていた。

門衛も、震えながらどうにか確認することができ、レアたちを中へ案内した。

「ど、ど、どうぞ」

「ありがとう」

レアは軽く身体をかがめ、お礼を言って中へ入っていった。

その後をセーラたちも無言で装甲車でついていく。

セーラは何が起きているのかわからない。

ただ、異世界人というのは弱いのか? と思ってしまった。



入り口の門を抜け、セーラたちも装甲車から降りる。

レアたちと一緒に歩いて行く。

装甲車から降りて、すぐにレアに聞いていた。

「レア様、この街はどういった街なのでしょうか?」

「セーラさん、この街は私のいた世界のシステムで運営している街の一つですわね。 私の所属していた王国の管轄と、先ほど門衛の方がおっしゃっていましたわ。 それに、中に入った瞬間に確信いたしました」

レアは歩きながら少し上機嫌のようだ。

「レア様のおられた国の街・・・」

セーラは口の中で言葉を感じるようにつぶやいていた。

そして、続けて、

「レア様はどちらへ向かわれているのでしょうか?」

セーラが聞いていた。

「あぁ、そうでしたわね。 あの飛行船のある建物が見えますでしょうか。 あそこがギルドになります。 そこへ向かっておりますわ」

レアが当然という感じで話してくる。

「・・・ギルド?」

セーラは何が何だかわからないが、とにかくレアたちについて行く。

街自体は清潔できれいな感じだ。



街並みは自分たちのところと比べると、質素な感じがする。

中世のような感じだが、どこか違う。

歩いている人も、自分たちとほどんど変わらない。

「隊長・・この街って、あのレアって人の故郷なんですかね?」

セーラの隊員の一人が言う。

「さぁ、わからないな。 だが、知ってるような感じだ。 とにかくついて行こう」

セーラは隊員たちと小声で会話しながらついて行く。



レアは久々に自分のいた環境を感じることができ、うれしくなっていた。

足取りも軽やかになってくる。

「フローラ。 私今わたくしいま、とてもいい気分ですわ」

クルッと回転しながら、スキップする感じで歩いている。

そのレアを見た街の住人の女の子が駆け寄ってきていた。

「レア様~!!」

手を振りながら走って来る。



レアはその場で立ち止まり、女の子の来るのを待っていた。

「はぁ、はぁ・・レア様、ご無事で・・・」

息を切らしながらも、ニコニコして話してくる。

「あなたは・・・」

レアが微笑みながら聞く。

「はい。 私はリゲイリア地区の住民です。 レア様がご無事と知れば、父と母も喜びます!」

「ありがとう。 あなたお名前は?」

「はい、シャルルといいます」

「そう、シャルル。 レア・レイドルドは健在だとご両親様にお伝えくださいな。 そして、新たな行政区を確保致しましたら、お呼びいたしますと・・」

レアが微笑みながらそう言うと、女の子はペコッと頭を下げて駆けて行った。



「レア様、レイドルド国民も無事転移できたのですね・・良かった・・」

フローラが今にも泣きそうな顔をして言葉を発していた。

レアもゆっくりとうなずくとギルドへ向かう。

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