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272 銃の名前はシルバー! 魔族?
しおりを挟むいったい何だったのだろう。
そういえば、名前も確認してなかった。 レベルが35っていうのにびっくりしたからな。
・・・しかし、何か引っかかるような気がするが・・・まぁ、考えても仕方ない。
それにしても、スキルっていろいろあると感じる。 レベルがある人を見るときには注意しないとヤバいかも・・。
俺はそんなことを考えながら、身体と荷物を魔法できれいにして、ベッドに横になる。
天井を見ながら思い出していた。
あのキョウジっていうやつ・・・逃がしたのは痛かったが、レベル差があるにも関わらず、それを凌駕しているのは凄いことだと思った。
戦いは、レベルだけではないということか。
・・・・
そんなことを考えていると、フト思い出した。
じいちゃんにもらった銃だ。
アイテムボックスから銃を取り出してみる。
見れば見るほど素晴らしいと感じる。
銃自身が発光してるんじゃないかと思うほど輝いている。
そういえばこの銃、名前をつけてないな。
だが、初めに見たとき頭に浮かんだ名前がある。
『シルバー』
それがパッと浮かんでいた。
あの時はすぐに名前をつけれなかったが。 名前をつけてみよう。
銃を手に持ち、集中。
そして、シルバーと思ってみる。
・・・
銃がほんのり光を放った。
すぐに銃を鑑定。
名称:シルバー
☆:テツ専用銃
☆:魔力制御極大
☆:魔力吸収
なるほど、きちんと名前が設定されている。
だがこの銃、弾倉がない。 どうやって弾を込めるんだ?
まぁ、魔法を撃ちだす銃だからな。
俺はそう思うと銃を横に置き、掌を見つめ集中してみた。
魔法を凝縮して小さな弾をイメージすればいいんじゃないだろうか。
・・・何をイメージしよう。 スーパーノヴァはダメだろうな。
う~ん・・・!!!
火球だ。 フェニックスが出していた火球。
あれならすぐにイメージできる。
そう思って火球をイメージしながら、それを小さく小さく丸めていく感じを持って集中した。
すると、掌に赤いビー玉みたいなきれいな玉が出来ていた。
俺はそれを手に取り眺めてみる。
きれいだなぁ・・・。 そう思いながら見つめていた。
真紅のガラス玉。 熱くはない。 魔弾だな。
だが、これをどうやって装填すればいいんだろうか。
そう思いながら、シルバーを手に取る。
小さなガラス玉のような魔弾をシルバーに近づけると、スッとシルバーに入っていった。
シルバーに赤い付箋みたいな半透明のタグのようなアイコンのようなものが見える。
タグをタッチしてみる。 タグがパッと広がってファイアーボールと表示されていた。
これって・・・魔弾を装填したから表示されたのか?
ファイアーボールって・・・俺のイメージが反映されたのだろうか?
う~ん・・もしかして弾がなければ俺の魔力を吸収して発射するんじゃないのか?
・・・魔法の杖のようなものか?
ま、いっか。
だったら要らなかったか銃・・・。 いや、待てよ。 魔力がなくても魔弾があれば撃てるよな。
これは大きい利点だ。
そう思うと、同じようにいろいろな種類の魔弾を作ってみた。
・・・・
・・
魔力をかなり使ったらしく、しんどくなってきた。
寝よう・・明日がしんどい。
時間は1時くらいになっていた。
すぐに眠ることができた。
・・・・・
・・・
不思議と目が覚めた。
かなり静かだ。 時間は3時30分。
俺は喉が渇いたような気がするので、アイテムボックスからお茶を取り出して、一口飲んだ。
ベッドに座り、横になろうとした。
・・・・
!!
ドアの向こうに誰かいるようだ。
索敵をしてみる。
・・・
ピッ!
レベル35と表示される。
・・・なるほど、案内してくれた女の人だろう。 やはり鑑定したのがよくなかったのかもしれない。
もし危害を加えてくるようなら、対処しないといけないな。
そう思いつつ、覚悟を決める。
ゆっくりとドアに近づいて、一気にドアを開けた。
「ヒャッ・・・」
女の人が猫のような声を出すと、転がって部屋に入ってきた。
・・・上を向いて寝転んでいる。
俺はそれを下に見ていた。
視線が交錯。
・・・・
・・・どうやら俺に危害を加える気はないようだ。
しかし、なぁ・・・。
「・・・何か?」
寝ころがっている女の人を下に見ながら、俺は聞いた。
女の人は苦笑いしつつ、身体を起こす。
俺に向かい合って、
「テツさん、すみません」
深々と頭を下げる。
特に危害を加える感じではないので、「どうぞ」と部屋に招き入れた。
女の人に椅子をすすめ、俺はベッドに腰かけて見つめている。
「・・で、何の用でしょうか?」
まずは俺が言葉を出す。
「・・・テツさん、その・・・話を聞いてもらってもいいですか?」
俺はうなずく。
「・・実は私、魔族なんです」
!!
俺は驚いた。
そんな重要なことをいきなり言うか?
・・・・
だが、とりあえず聞こうと思う。
女の人は続けて、
「魔族といっても、見た目は人間と変わりません」
女の人は、アストーと名乗った。
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