どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

ボケ猫

文字の大きさ
上 下
268 / 426

268 レベルを超える何か・・・

しおりを挟む




キョウジは俺の横を通り過ぎる。

そして、両腕で何かを縛るような動きをした。

!!

俺の身体の周りに、ピアノ線のようなキラッと光る細い糸のようなものが見える。



俺は即座に抜刀して、その線を切断。



スパン!!!



「!! お前・・なんなんだ?」

キョウジは驚いていた。



俺はそのまま、ゆっくりと前のめりになりつつ、キョウジに向かってダッシュ!



ダッ!!



キョウジの心臓めがけて突きを繰り出す。



!!

まさか?

俺の初動の動きが読まれたのだろうか。

キョウジが少し動いたような気がした。



周りからは俺が消えて、キョウジの後ろに出たように見えるだろう。

その刹那の間に、俺は3度、キョウジの心臓付近を突いたはずだった。



キョウジの後ろから振り向いて俺は見る。



キョウジの左腕が肘の少し上から吹き飛んでいた。

身体の部分も、致命傷ではないが、えぐれている。

!!

俺は驚いてしまった!



これだけレベル差があるのに、決定打にならない。

俺が自惚うぬぼれていたのか? いや、きっとそうだろう。

そう思うと、すぐに構え直して突きを繰り出そうとした。



キョウジは、声を上げることもなく、俺を見つめ、

「・・へへ・・俺も焼きが回ったようだな・・・だがな」

そういうと、地面と上空に向けて何かを投げた。



直後、眩しい閃光が発生!

!!

閃光弾か!

俺はそう思ったが、遅かった。



・・・目をやられた。



キョウジが移動しているのがわかるが、はっきりとはわからない。

・・・・

遠ざかって行く。

魔法を放って追撃してもいいが、周りに被害が及ぶ。



・・・・やられた・・。

まさか逃げられるとは・・・。



目がだんだんと回復してくる。

・・・・

フレイアが近寄ってきた。

「テツ、大丈夫か?」

「あぁ大丈夫だ。 しかし・・逃がしてしまった・・」

俺は自分が少し許せなかった。

レベルが上がって完全に油断していたようだ。

・・・反省しよう。



「・・仕方ないさ・・・」

フレイアはそう言ってくれる。

俺はフレイアの方を見て苦笑いをした。



さて、メサイアだが・・。

俺がメサイアの方を見ると、騎士団の隊員たちが駆け寄っていた。



隊員の一人が回復魔法をかけているようだった。

・・・・

しばらくすると、メサイアが回復していた。

・・・・

「・・申し訳ない。 不甲斐ないところをお見せしてしまった・・・」

メサイアが下を向いて涙ぐんでいる。



おそらく汚された、なんて思ってるんだろうな。



俺はきっぱりと言ってやった。

「・・メサイア。 お前、相手に怒った時点で負けだぞ!」



メサイアはハッとして顔を上げた。

「・・テツ殿・・・」

・・・・

「メサイア、生き残りの証人が1人いる。 それに女の人たちもいる。 後の処理を頼むぞ!」

俺がそういうと、メサイアも気持ちを切り替えたようだ。



「あ、はい! わかりました!」

メサイアはそういうと気持ちを切り替えて、部下たちに指示をしていた。

魔法で女の人たちを運ぶかごみたいな入れ物を作っている。

10人くらいは乗れそうなものだ。

それを3つ作っていた。

その間に、カズヤのところへ近寄って行って何やら話していたようだ。

・・・・

カズヤは素直にメサイアに従っていた。



ワイバーンを呼び寄せて、女の人たちをかごに乗せる。



「テツ殿、フレイア殿。 本当にお世話になりました。 帝都に帰還いたします。 旅のご武運を」

メサイアはそういうと、ワイバーンに籠を持たせ、舞い上がっていった。

カズヤも連行している。



俺たちはメサイアたちが小さくなるまで見送った。



「テツ・・メサイアは大丈夫だろうか?」

フレイアが聞いてくる。

「・・さぁ、わからないな」

俺はそう答えると、移動を始めた。

「・・・テツは、厳しいんだが優しいんだか、わからないな」

フレイアはそういうと、俺と一緒に歩いてくれる。



時間は22時前になっていた。

さて、今度こそ藤岡のところに行こう。



俺は周りを索敵してみる。

レベルの高い魔物はいないようだ。

やはりレベル20程度の魔物がまばらにいる。

・・・無視だな。



俺はそう思いながら、移動をする。

5分くらいしたときだろうか。

大きな城壁が見えた。



あれ? この城壁って・・・

異世界人と接触した街にあるような城壁だよな・・・。

でも、ここって藤岡のところからかなり離れているぞ。



しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

なんでもアリな異世界は、なんだか楽しそうです!!

日向ぼっこ
ファンタジー
「異世界転生してみないか?」 見覚えのない部屋の中で神を自称する男は話を続ける。 神の暇つぶしに付き合う代わりに異世界チートしてみないか? ってことだよと。 特に悩むこともなくその話を受け入れたクロムは広大な草原の中で目を覚ます。 突如襲い掛かる魔物の群れに対してとっさに突き出した両手より光が輝き、この世界で生き抜くための力を自覚することとなる。 なんでもアリの世界として創造されたこの世界にて、様々な体験をすることとなる。 ・魔物に襲われている女の子との出会い ・勇者との出会い ・魔王との出会い ・他の転生者との出会い ・波長の合う仲間との出会い etc....... チート能力を駆使して異世界生活を楽しむ中、この世界の<異常性>に直面することとなる。 その時クロムは何を想い、何をするのか…… このお話は全てのキッカケとなった創造神の一言から始まることになる……

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

処理中です...