どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

ボケ猫

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265 こいつ、マジか!!

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「・・・・メサイアさん、それでこれからどうされるおつもりですか?」

俺は聞いてみた。



「テツ殿、メサイアでいいですよ」

「では、俺もテツと呼んでください」

俺がそういうと、メサイアがてのひらを前にして、

「いやいや、そういうわけにはいきません。 テツ殿と呼ばせていただきます。 さて、これからですが、正面から入って行こうと思います」

メサイアはそう答えると、他の隊員に指示をしていた。



「・・・メサイアさ・・・メサイア、俺たちもついていってもいいかな?」

俺も普通にしゃべってみた。

「もちろんですよ。 心強いです」

メサイアはそういうと、早速城壁に向かって歩いて行く。



城壁の入口に到着するとメサイアが声を上げた。

「私は、帝都騎士団第三隊長メサイアだ。 貴殿の町の上空を騒がせたのはおびする。 町への入場を許可してもらえないだろうか」

張りのある、よく透る声で話していた。



城壁の上には狙撃兵がこちらに銃口を向けていたが、どうやら撃つ気配はないようだ。

入り口が開き、中から男が出てきた。

「こちらへどうぞ」

男はそういうと、俺たちを中へ誘導してくれる。

男はフレイアを見ると、一瞬変な顔をしたが、そのまま中へ全員入っていった。



男はカズヤと名乗った。



「・・・魔物に乗って来られたということは、異世界の方ですか?」

カズヤは丁寧に聞いている。



俺は注意して見ていた。

カズヤ:レベル26、メサイア:レベル31。

問題ないな・・。



そう楽観的な見方を俺はしていた。

メサイアとともに来ていた騎士団2人もレベル28はある。



メサイアはカズヤと歩きながら、いろいろと会話している。

・・・・・・

・・・

このカズヤという男は、まともな感じもするが・・・。

そう思っていると、建物の中から女の人が現れた。



かなりやつれているような感じだ。



フラフラしながらメサイアの方へ近づいてくる。

「あ、あぁ・・・騎士団の方ですか・・・良かった・・・」

女の人は涙を流しながら、その場で座り込んでしまった。

メサイアが大声で挨拶したのが聞こえたようだ。



メサイア・・まさか、こういった状況を想定していたのか?

・・・まさかな。



メサイアはその女の人に近寄って行き、片膝をつき優しく話しかける。

「どうしたのです?」

女の人は言葉にならず、ただ泣いていた。

他の建物からも同じような感じの女の人がゾロゾロと出てくる。

・・・・・

皆がメサイアのところに集まって来て、泣いていた。



「・・・カズヤさん・・でしたか。 どういうことでしょうか、これは・・・」

メサイアは明らかに怒っている。



「・・・すみません。 実は・・・」

カズヤは口ごもっている。



奥の建物から歩いてくる人がいた。

軽い足取りでメサイアの方へ向かってくる。



「テツ・・あいつ・・」

フレイアが俺に小声で話しかけてくる。

俺も黙ってうなずいた。



レベル28のやつだ。



「よう、カズヤ・・・その銀色の鎧をつけてるねえちゃんは、異世界人かい?」

「・・キョウジさん・・・」

カズヤがキョウジの方を向いて、つぶやく。

「いやいや、ここでは隊長と呼べって言ってるだろう」

キョウジはニヤニヤしながらゆっくりと近づいてくる。



泣いていた女たちが泣き止んで、おびえている。

メサイアは一瞬で理解したようだ。



キョウジがメサイアに近づいて行く。

メサイアの手前2メートルくらいのところだろう。

その場で立ち止まって、メサイアをめるように見ていた。



キョウジはニヤ~として、

「う~ん・・いいねぇ・・こんな気の強そうな女は好みなんだよ。 ビンビンくるねぇ・・」

卑猥ひわいな感じのする笑いを込めて、メサイアを見つめた。



メサイアは少し震えている。

「・・貴様・・・どうやら話はできるタイプではないようだな」

周りを威圧するだけの圧力がある言葉で話していた。





キョウジが一歩踏み出そうとすると、

「それ以上近づくと斬る!」

その言葉を聞くと、キョウジはうれしそうに笑った。

遠慮なくメサイアに近づく。



メサイアが抜刀し、キョウジを切りつける。



キョウジが切られた!・・・と思った。

残像だ。



!!



マジか!

あいつ、レベル28だよな。 それに比べて、メサイアはレベル31だ。

レベル差があるのに、これは・・・。

俺は驚いてしまった。

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