どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

ボケ猫

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257 学校かぁ・・・

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確かに、こんな世界になって学校なんて考えてなかったな。

もう、日本の学校なんて無理だろう。

だからといって、人としての基本を学ぶところは必要だと思う。

帝都で学校ができるなら、これはありがたい。

でも、学費はどうするのだろう。

そんなことを考えていた。



「アニム王・・、学校ですが、誰でも通えるのですか?」

俺は聞いてみた。

「無論誰でも無料で通えるよ。 テツもいつでも通っていいからね」

アニム王は俺の顔を見つつ、軽く答えてくれる。



「無料で、誰でも・・ですか?」

俺はオウム返しに口にしていた。

「当たり前じゃないか、テツ。 

帝都は税金を徴収しているのだからね。 住人には当然の権利だよ」

アニム王が答える。



・・・いや、アニム王。

その当たり前のことができないのが、人間社会ってものじゃないのですか?

そう俺の記憶にあるのだが・・・。

アニム王国では違うようだ。



驚かされることが多いな・・・。



「さて、テツ。 いきなり呼び出したりして申し訳なかったね」

アニム王は席を立ちながら俺に言ってきた。

「いえ、とんでもありません。 それよりも、何もお役に立てませんで、こちらこそ申し訳ありません」

俺は、自分の不勉強さなどで気持ちが重かった。



「何を謝る必要がある、テツ。 情報が欲しかったのだから、問題ないよ。 

それに、邪神といっても、すぐに問題になることなどないよ。 これから先、何十年、何百年・・もしかしたら、何千年という先かもしれない。 そういったことがないように、布石を打っておく意味が強いからね」

アニム王はそういいつつ、目線はどこか遠くを見つめていた。



俺はアニム王に挨拶をして、王宮を後にする。

「・・なんか、変に疲れたな」

俺がつぶやく。

「フフ・・テツが緊張し過ぎなのよ」

フレイアが軽く言ってくれる。

「そうかなぁ・・・」

「そうよ」

二人で歩いて帰っていった。



時間は15時前だ。



さて、今度こそ本当に出発準備をしておこう。



家の前に帰ってみると、嫁たちの家は留守のようだ。

人の気配すらない。

優の家も・・・

あいつ、青春してるよなぁ・・・。



ばあちゃんの家は、どうやら居るみたいだ。

フレイアに、ばあちゃんの家に立ち寄ることを伝える。

フレイアは二つ返事でOKだ。

・・・お茶だな。



ばあちゃんの家の呼び鈴を押す。

「はーい」

ばあちゃんの声がして、しばらくしてドアが開いた。

「おや、テツじゃないか。 それにフレイアさんも・・・。 どうぞ」

そういって、中へ入れてくれた。



・・・部屋の雰囲気が前とまた違う。

・・・もう、好きにしてくれ。





俺は椅子に座らせてもらった。

これも前にはなかったものだ。

リクライニングシートみたいだが・・・

座り心地がいいな。

俺が座っていると、ばあちゃんがお茶を運んできてくれた。



「ありゃ、テツ。 その椅子は、私専用だよ。 どいとくれ」

そういって、俺は違う席に移った。

お茶をいただく。



「ふぅ・・・うまいな。

やっぱ、このお茶が一番だな」

俺がそういうと、フレイアも同じようなことを言っていた。

・・・ばあちゃん、うれしそうだな。



ばあちゃんを見ていると、なんか前よりも元気になってる気がするが、気のせいか?



「ばあちゃん、いつもこの時間には家にいるのかい?」

俺は聞いてみた。

確か王宮で働いているはずだ。

「あぁ、大体この時間だね。 朝、王宮に行って、皆さんの作業を手伝わせてもらって、この時間に帰って来るね。 1日か2日おきくらいだけど・・・、こんな楽な仕事でいいんだろうかねぇ・・」

ばあちゃんがそうやって説明してくれる。



「いいんじゃない。 アニム王はそうやって働いてもらうって約束だったし・・・」

俺はそういってみた。

「・・働くって言ってもねぇ。 全然しんどくないし、これで働いてるのかって言われてもねぇ・・・」

「・・・ばあちゃん、しんどいのが働いてる目安じゃないぞ」

俺は笑いながら言ってみた。



「お母さま、元気で動かれてるのが何よりです」

フレイアがそう言ってくれる。

ばあちゃんはうれしそうだ。



「ばあちゃん、じいちゃんは?」

俺はじいちゃんがいないので、聞いてみると、

「あぁ、あの人は16時くらいじゃないと帰ってこないよ」

・・・なるほど、じいちゃんも充実してるんだな。



俺はそれを確認して、ばあちゃんに話してみた。

「ばあちゃん、俺とフレイアだけど、また地上の街を回ってこようと思うんだ。

今度は、結構な日数がかかるかもしれない」

「・・・そうかい・・気を付けて行くんだよ」

ばあちゃんはお茶を飲むのを少しやめて答えてくれた。

そして、また飲み始めた。



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