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252 魔石って、すごいお金になるな
しおりを挟む「ふぅ・・・すまんな、若いの。
いや、それにしても、すごい武器だな。
ん・・?
それによく見れば、その着てるものも・・・」
おやじは少し震えていた。
触れてみたいようだが、震える手を元に戻して聞いてきた。
「お前さん、この帝都にテツという男がいると思うのだが、知らんかね?」
!!
俺はびっくりした。
まさか、俺の名前が出てくるとは思わなかった。
俺が硬直していると、おやじが話を続ける。
「いや、実はな、そのテツという人のおやじさんが作った武器がものすごいものだというのでな。
いったいどんなものなのか知りたくなったんじゃよ。
それに、ドワーフの国との連絡船が出来たので、まずはワシが帝都に来てみたんじゃが・・・」
おやじはそこまで話して、顔を少し上に向けてこちら見た。
「・・・もしかして、お前さんがテツという人か・・・」
俺がうなずくと、おやじの顔がニヤ~ッとなる。
その後はドワーフのおやじさんからいろいろ話を聞かされるはめになった。
・・・・・
・・・
よくしゃべるおやじだ。
まずはドワーフの国を救ってくれたことに礼を言われた。
それはルナさんの功績だと俺は言ったが、どっちでもいいと言われる。
ドワーフの国も40階層のダンジョンが完成したそうだ。
そういった街づくりをしているときに、長老のノムルから俺の武器の話を聞いたみたいだ。
それで鍛冶職人のこのおやじがやって来たという。
どうしても俺のじいちゃんに会いたいらしい。
ま、そのうち会えるだろう。
・・・・・・
・・・
ようやく話が終わった。
時間は11時を過ぎていた。
俺はこのおやじなら大丈夫じゃないかと思って聞いてみる。
「おやじさん、少し見てもらいたいものがあるんだが・・・」
そういって、サーペントとタイタン、ヒュドラの魔石を見せてみた。
ドワーフのおやじは固まってしまった。
・・・・・
・・・
「おやじさん・・」
俺が声を掛けたら、ビクッとして返事をする。
「あ、あぁ、すまんな。
いや、しかし、これは・・・・」
おやじが魔石を見ながら唸っている
「おやじさん、これってお金に換算したらいくらくらいになるんだ?」
俺はそれが聞きたかった。
ドワーフのおやじは目を大きくして言う。
「・・お前さん、これを売るのか?
もったいない!
いや・・それはいいが、値段か・・・
う~ん・・・
ワシのめがねでみると・・・」
ドワーフのおやじが真剣に考えてくれている。
その見立てを聞いて、俺の方が驚いた。
まさか、そんな値段になるとは。
サーペントが約6000万ギル程度。
タイタンが約8000万ギル程度。
ヒュドラは値段が付けられないそうだ。
・・・俺も言葉を失ってしまった。
「・・まぁ、お前さんの持ち物だから何とも言えんが、売るのはもったいない。
もし売るなら、ワシのところへ譲ってくれ」
ドワーフのおやじが腕組をしながら力強く言っている。
なるほど、おやじは商売のこともきっちりとしているな。
「そうか、おやじさん、ありがとう」
俺はそういって、サーペントの魔石を1個おやじに売った。
後はアイテムボックスに収納する。
おやじさんからお礼を言われ、これからもよろしくと言って、ドワーフの店を後にした。
いやいや、まさかドワーフが来ているとは・・・。
それにしても、インフラというか・・早いな。
しかし、じいちゃん・・いつの間にか、有名人扱いになってる。
ドワーフから見れば、どんな風に見えるんだろう?
見た目は華奢な人なんだが・・・。
さて、俺も家に帰ろう。
随分、時間を使ってしまった。
フレイアも薬草の調合は終わっているだろう。
歩いて家に帰ってみると、優たちとちょうど出会った。
「あ、テツ!」
レイアが挨拶してくれる。
優も横で片手を挙げていた。
・・・・あいつら、いいカップルになったな。
いや、夫婦か?
俺も手を挙げながら、
「優、レイア。
デートか?」
優が少しピクッとなったが、レイアがたじろぐこともなく、
「はい」
と答える。
まいったな・・・さすがだ。
俺は軽くうなずきながら、手を振って自分の家に入っていった。
・・・・・
変な匂いが立ち込めている。
・・・少し、息苦しい。
「あ、テツ・・・お帰り」
フレイアがニコニコしながら言う。
続けて、
「見てくれ!
100個は超えている。
あっちが魔力回復薬で、こっちが傷などの回復薬だ」
フレイアが嬉しそうに見せてくれる。
・・・あのね、フレイアさん・・・
妹は春を満喫してるのに、あなたは部屋にこもって薬草を作ってるとは・・・
その姿・・・魔女ですよ。
心の声です、はい。
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