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245 ・・・アリアのやつ・・
しおりを挟む冷蔵庫はじいちゃんの電源ボックスで動いている。
「あはは・・・テツ・・慌てて食べるからだ」
フレイアに注意された。
「・・いやいや、全くその通りだな・・」
俺はそう言いつつ、コーヒーを作った。
・・・・
・・
コーヒーを飲みつつ、フレイアにさっきの話の続きをした。
「今日は特に俺も用がない。
けれどもやっぱりレベルをもう少し上げてみたいんだ。
一度ギルドへ行ってからダンジョンへ行ってもいいかな?」
俺はやや遠慮気味に聞いた。
いつも俺のペースで動いているからな。
フレイアは嫌と言ったことはない。
「そうね・・別にいいわよ。
私も特に用はないから」
フレイアもそう言ってくれる。
・・本当にいいのかな?
申し訳ない気がするが・・・。
ま、今は甘えておこう。
軽く食事を終え、食器も片づけて家の外へ出た。
時間は6時前だ。
気持ちいい朝だな。
空気がきれいだ。
朝の時間を満喫しながら、ゆっくりとギルドへ向かう。
街を少し横切る感じでギルドに到着するが、ほとんど人にすれ違うことはない。
2~3人程すれ違い、挨拶を交わした程度だ。
ギルドに到着し、中へ入っていく。
ギルドは24時間出入り自由みたいだな。
受付には一人のきれいな女性がいた。
アリアやポーラと違う。
お姉さんの雰囲気を持っているぞ。
エレンさんみたいな美人じゃないが、きれいな人だ。
肩口まである長めの黒い髪。
下を向いて書類の整理をしているのだろうか。
柔らかい髪が、女の人の動作に反応してゆっくりと揺れる。
あ!
立ち上がった。
背丈はフレイアくらいだろうか。
俺たちに気づいて、挨拶をしてきた。
「おはようございます。
ギルドへようこそ」
!!
うぉ・・びっくりした。
声がいい。
声優さんみたいな声質だな。
声を聞くだけで美人を想像させる。
俺は当然、顔から下の方へと目線を移動させていた。
・・・胸は大きくはないが、身体とのバランスがいい。
細身だが、ラインはまとまっている。
こういうのを黄金比というのだろうか・・。
俺がアホなことを考えながら、女の人を見ていると、
女の人が俺に指を差してきた。
!!
・・・・俺ではなかった。
俺の後ろだった。
・・・バコッ。
フレイアに殴られた。
・・・やっぱ、ハイエルフって狂暴だろう。
俺の中では確定だ。
受付の女の人が笑っていた。
「・・ウフフ・・・。
なるほど、うわさ通りの人ですね、テツ様」
?
俺の名前を知ってるのか?
「・・俺の名前を知っているのですか?」
俺は思わず口から言葉が出ていた。
女の人は変に驚いた感じて答える。
「え?
何をおっしゃっているのですか?
いつも受付で私も座っていましたけど・・・」
あれ?
そうだっけ?
・・・俺の記憶にはないのだが・・・。
「・・・・・そうでしたっけ?」
「はい、そうです」
女の人はまっすぐ俺の方を向いて答える。
「ロディーネです。
覚えておいてくださいね。
アリアが言うには、何でもきれいな人の名前しか覚えないのだとか・・・」
ロディーネが微笑みながら言っている。
「い、いえ、そんなことは・・・
俺って物覚えが悪いもので・・・」
俺は慌てて答えた。
アリアの奴・・・。
「テツ様、冗談ですよ」
ロディーネが言う。
・・・・
女の人って、何歳になっても怖いな・・。
「では、改めて、テツ様。
今日はどういったご用件でしょうか?」
ロディーネに近寄って行って、俺は聞いてみる。
「ロディーネさん、ライセンスカードに入っているお金ですが、他の人に譲渡することはできますか?」
「はい、問題ありません。
しかし、手数料として10%をギルドの方でいただくようになりますが、よろしいですか?」
ロディーネが丁寧にしっかりと答えてくれる。
・・・10%・・・
結構大きいな。
でも、これくらい取らなきゃダメなんだろうな。
・・・よくわからんが・・。
「そうですか・・わかりました。
では、早速ですが、俺のギルを嫁の梓に1500万ギルを振り込んでもらいたいのですが・・・」
俺はそう言ってみた。
ロディーネは少し目を大きくしたが、普通に接してくれた。
「わかりました。
では、ライセンスカードをよろしいですか?」
俺は言われるままにロディーネにカードを渡す。
ロディーネがボードパネルに俺のカードを乗せ、パパパ・・と操作していた。
ボードの上に嫁の顔が表示される。
・・・確認と、許可のところを俺が触れると、手続きが終わったようだ。
「テツ様、これで問題なく振り込まれております。
ありがとうございました」
ロディーネが頭を下げていた。
いやいや、俺の方こそお手数をおかけしました。
「・・・ロディーネさん、こちらこそ、ありがとうございます」
俺も慌ててお礼を言った。
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