239 / 426
239 スーパーエイトは健在!
しおりを挟むそう思って船に近づいて行くと、到着口の方から歩てくる人たちと遭遇。
その集団の中から、一人のフードを被った人が俺たちに近寄ってくる。
俺は少し警戒したが、そのフードを被った人が近寄りながらフードを外した。
!!
「テツじゃない!
今から地上へ行くの?」
ココだった。
「え?
あ、・・・ココ!」
一瞬、俺は言葉に詰まってしまった。
まさか、こんなところで出会うとは・・・。
「・・・テツ・・
あなたねぇ、今、言葉に詰まったでしょ?」
「いえ、そういうわけでは・・・」
「ま、いいわ。
私も今は急ぐから、またね」
ココはそのまま手を振って、発着場を去っていった。
フレイアが不思議そうに見ている。
「あぁ、フレイア。
今の子が、地上の街の審議官だよ」
定期船へ向かいながら説明した。
「ふ~ん・・」
・・・あまり関心がないようだな。
ま、いっか。
俺たちは船に入り、そのままそのフロアの奥の方へ歩いて行った。
このフロアは自由席というか、自由なフロアだ。
ところどころに椅子があるが、地上まで5分もかからないだろう。
ほとんど物資輸送のための船のようだ。
今いるフロアの下は運搬物資でいっぱいだ。
上のフロアは普通の船なら、くつろげる空間が装備されている。
この船だけは、物資輸送がメインとなっているため、上のフロアも自由空間のようだ。
窓から下を見ると、ギルドの屋根が見える。
目線を水平方向へ移動させると、帝都の街並みがきれいに見える。
・・・本当に放射状に広がっているな。
きれいな街だ。
船内アナウンスが流れる。
間もなくドアが閉まります。
ご注意ください。
定期船のドアが閉まり、ゆっくりと船が移動しだした。
振動は感じられない。
変に浮いてる感じもない。
軽い加速感を感じると、雲の中に入っていく。
雲の流れを見ていると、結構な速度が出てるはずだが、静かだ。
フレイアは窓の外をずっと見ている。
すぐに雲を出て、下に陸地と海が見えた。
時間は16時を過ぎている。
街がどんどん大きくなってきて、すぐに市役所の横に到着。
・・・市役所を上から見たことなかったけど・・・しょぼいな・・。
それに比べてギルドがきれいに大きくなっていた。
船のドアが開いて、俺たちは下船。
・・・なんか久々の地上のような感じがする。
俺は両手を上にあげて大きく伸びをした。
「・・んんっ・・・ぷはぁ・・・」
フレイアが横でクスクス笑っている。
「なんだよ、フレイア・・」
「ううん、別に・・・」
さてと・・・、まずは地上の家を一度見ておこう。
「フレイア、地上の家を見てから、スーパーへ行っていい?」
「いいわよ」
フレイアの返事を聞くと、俺たちは軽く走った。
・・・・
まぁ、当然といえば当然だが、すぐに家に到着。
家の周りを見てみるが、変化はないな。
よし!
今度はスーパーエイトだ。
当然すぐに到着するが、スーパーエイトには結構人がいる。
駐車場には車はないが、人がバラバラと歩いていた。
まぁ、ぶつかるほどじゃない・・・。
中に入ってみると、かなりのお客がいる。
俺の第一印象。
これだけの人が生き残っていたんだ。
そう思った。
よくぞ無事に生き延びれたな。
そう思いつつ、いつもの通り、入り口から入ってまっすぐ歩いて行く。
お客の中にいる男たちが、チラチラと俺たちの方を見る。
・・・そりゃ、フレイアがねぇ・・・。
ま、放っておこう。
この通路は野菜や総菜ものを並べてある列だ。
その野菜を並べているところに店員の服を着た人がいた。
?
見たことあるぞ・・・
!!
あ、この店の店長だ。
俺はやや早足で店長に近づいて行った。
おそるおそる声をかける。
「すみません・・・」
「はい、いらっしゃいませ!」
店長は条件反射で威勢のいい声を出して、こちらを向いた。
「あ・・・。
あなたは・・・誰でしたっけ?」
俺はカクッと膝が抜けそうになった。
「・・・・店長、あの・・・」
「いや、わかっているんです。
あの大きな犬のときに助けていただいた人ですが、お名前が思い出せずに・・・すみません」
店長は頭を下げながら言っている。
・・・・・・・
・・・・
・・
話を聞けば、あの事件の後、店を片づけて在庫を整理していたそうだ。
当分の間は、発電機の燃料もあるし、運営できるという計算もあったという。
そのうちに、市役所のところに異世界人が来ているという話をキャッチ。
それを見に行って、ライセンスカードなどを発行してもらったりしたそうだ。
店も魔法できれいに直してもらい、エネルギーも魔石で発電するシステムになったという。
当初は発電機を利用していたが、そのうちに燃料が入ってるのに動かなくなったりするのが出てきたようだ。
そういえば、店もきれいになっていたよな・・。
レジも読み取りなんかは従来通りにしているが、会計はライセンスカードで行っているという。
もはや日本のお金は使えない。
結果的には、以前よりも効率がアップしているという。
それに物流も安定して運営できてるそうだ。
元々、地産地消をモットーに運営してきたのが、役に立ったみたいだ。
・・・・
・・
「・・・そうですか・・・大変でしたね」
俺はその店長の意気込みに敬意を払った。
「いえいえ、あの時に助けていただいたおかげです。
ありがとうございました」
店長は丁寧にお礼を言ってくれた。
10
お気に入りに追加
362
あなたにおすすめの小説
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

なんでもアリな異世界は、なんだか楽しそうです!!
日向ぼっこ
ファンタジー
「異世界転生してみないか?」
見覚えのない部屋の中で神を自称する男は話を続ける。
神の暇つぶしに付き合う代わりに異世界チートしてみないか? ってことだよと。
特に悩むこともなくその話を受け入れたクロムは広大な草原の中で目を覚ます。
突如襲い掛かる魔物の群れに対してとっさに突き出した両手より光が輝き、この世界で生き抜くための力を自覚することとなる。
なんでもアリの世界として創造されたこの世界にて、様々な体験をすることとなる。
・魔物に襲われている女の子との出会い
・勇者との出会い
・魔王との出会い
・他の転生者との出会い
・波長の合う仲間との出会い etc.......
チート能力を駆使して異世界生活を楽しむ中、この世界の<異常性>に直面することとなる。
その時クロムは何を想い、何をするのか……
このお話は全てのキッカケとなった創造神の一言から始まることになる……
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる