どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

ボケ猫

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228 ・・・敵だな

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ルナが前を見て静かに言葉を出す。

「・・賊どもにしつけが必要なようだな・・

長老、そこで待っておれ」



俺はその言葉を聞きながら、ドワーフの長老にシルビアを頼んだ。

「長老さん、このダークエルフを頼んでもいいですか?

俺も、ルナさんと一緒に前に出てきますから・・」

「あ、あぁ、そりゃ構わねぇが・・

この戦闘・・あんたに関係ないだろうに・・・」

ドワーフの長老が不思議そうに声をかけてくる。



「・・長老さん、俺も無法者は許せないのですよ」

・・・・

長老はポカンとしたまま、うなずいてくれた。



「フレイアはどうする?

しんどかったらここで待っていてもらってもいいが・・・」

俺がそういうと、首を振ってこちらを向いた。

「ううん、テツ。

私も行くわ」

フレイアはそう答えながら、弓を取り出していた。



ドワーフの長老がその弓を見て、また驚いていた。



そんな中、ルナは相変わらずマイペースで歩いて進んで行く。

俺もすぐに後を追った。



「テツ・・お前も長老と一緒に休んでいてもよかったのだぞ」

ルナが微笑みながらいう。

「いえ、ウルダさんに頼まれてますし、それに、あなたみたいな美人に傷でもついたら私が自分を許せません」

これは嘘ではない。

「・・・そうか・・」

ルナが静かに答える。



俺はドワーフの居城、群がっている連中に注意を向けてみる。



ピピピ・・・・。

レベルが表示されていく。

・・・・

どれもレベル20くらいか・・・

少し高いのがいるが、レベル25が最高かな・・・。

ただ、数がなぁ・・・。



これだけの数を数えれないだろう。

少なくとも1000人くらいはいるんじゃないか?

わからないが、もっといるかも・・・





俺たちの接近に気づいたらしく、居城を攻めている連中の後方の奴等だろう。

その連中がこちら向いた。

・・・・

一度に百単位以上の人間に向かれると・・・、怖いな・・・。



舞台で注目を浴びるのって、こんな感覚なのだろうか・・・

そんなことを思ってしまった。



俺は軽く頭を振って、変な妄想を振り払う。



居城を攻めている連中は、どうやら日本人ではないようだ。

金髪が多く目立つ、ホリの深い顔、それに高い鼻。

・・・明らかに黄色人種ではない。



中東辺りでもこんな顔立ちの人がいたが・・・

北欧系の人間もこんな感じだったような・・・

ロシア系か?

・・・まぁいい。

とにかく敵だ。

面倒なので、そうまとめた。



相手の中には女もいるようだ。

昔なら美人に見えたような感じだが、今となってはなぁ・・・

そう思って横のルナを見た。



・・・うん、違う!

比べれるものじゃない。





相手側の男たちが、ニヤニヤしているのがわかる。

ルナを見たのだろう。

その悪意というか気持ち悪い視線というか、そういったまとわりつく感覚をルナは平然と受けていた。

・・・・

お互いの距離がかなり詰まってくる。



「さて・・・」

ルナはそう言うと、相手との距離をなお詰めていった。

おそらくお互いの距離が30メートルくらいになっていると思う。



「お前たち。

一応聞いておくが、ドワーフの居城を攻めているのだな?」

ルナが透き通る声で問う。



相手も一瞬聞き入ったようだが、俺たちに近い連中が後ろをバラバラと振り向く。

口々に隊長なんて言葉が聞こえてくる。



一人の男が、金髪の女二人を引き連れて前に出てきた。



かなりでかい。

2メートル近くあるんじゃないか?

身体からだは武装している。

どこかの軍隊って感じだ。



・・・まぁ、今となっては近代兵器は役に立たないだろうが・・・。

俺はそう思いつつも、魔法と融合させていればやっかいだなとも思った。



前に出てきた男は、ニヤっとしながら答えた。

「我々は、この地方に勝手に領土を構えた連中に面会を求めただけだ。

内政干渉しないでもらいたい」

・・・・

俺は呆れてしまった。

面会というのは、武力攻撃することか?



俺が一歩前に足を踏み出した。

!!

相手がすぐにこちらに向けて小銃を構える。



男の横にいた女が話しかけてきた。

「そこから一歩でも進めば、戦闘開始とみなします」

指揮官らしき男は、両腕を組んでニヤニヤしながらこちらを見ている。



とりあえず、俺はその場で立ち止まる。

「あんたたち、ここにはドワーフ、大きな人たちがいたと思ったが、彼らはどうしたんだ?」

俺はそう聞いてみた。



「・・お前、地球人か?

だったら、この状況がわかるだろう。

俺たちのやることに口を出すな」

・・・・・

以前の俺ならビビッてだろうな。



だが、トロール、バジリスク、ジャイアントにタイタン。

そんな魔物と出会って麻痺してきたのかもしれない。

この男たちからは、何の威圧も感じない。





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