207 / 426
207 図書館
しおりを挟む俺はまだ神殿の中いた。
出入口付近だ。
フレイアが静かに傍でいてくれる。
俺はフレイアの方をみながら、聞いてみた。
「フレイア、転職して初級職を選んでみたんだが、いきなりその職の上位職へ転職できるみたいなんだ・・」
「・・・呆れた・・。
テツ、普通ね・・・上位職への転職をするものよ。
それをわざわざ初級職なんて・・・」
フレイアはため息をついていた。
「・・・まぁ、テツらしいといえば、それまでだけど・・ね。
職レベルだけど、テツの経験値が溜まっているから、初級職くらいならすぐにその上位職になれたんじゃない?
ただ、そこからまた積み重ねるがの大変だから、みんなそんなことしないけどね」
フレイアは呆れながらも、きちんと答えてくれる。
・・・なるほど。
俺はフレイアに、とりあえず礼を言って、また職のところをタッチしてみた。
確かに上位職が表示される。
「魔導士」「魔術士」「魔法戦士」
う~ん・・・魔法戦士は、とりあえず、なしだな。
魔導士と魔術士・・・どう違うんだ?
・・・・
わからないときは聞く。
「私の知ってるところでは、魔導士は好きな魔法を追求する人。
魔術士はいろんな魔法を操っている感じかな・・・
で、テツは魔法職を選ぶの?」
フレイアが答えつつ、聞いてきた。
「いや、わからない。
ただ、職が表示されてるから聞いてみたんだ・・・ありがとう」
俺は、広く浅いタイプじゃない。
ヲタだ。
・・・魔導士を選択した。
ステータス数値は変化がなく、職レベルは3となった。
・・・・
なんか、転職したら少しモヤモヤした気分になる。
転職するまでは、ワクワク感があるが、実際してみると、本当にしてよかったのかという感じになってくる。
しかも、全く違う職を選んでるからな。
・・・妙な不安感がある・・・
・・・そりゃ、他の人から見ればアホだろう。
だが、人の目線など気にしたらダメだと、常々自分に言い聞かせてきたはずだ。
でもなぁ・・というのがある。
その感覚を持ちつつ、今から始めるしかない。
もう、転職してしまったのだから・・・。
一気に切り替えれないが、徐々に慣れていくだろう。
そう考えて、俺たちはギルドに向かった。
ギルドに向かったのは、図書館の場所を知りたかったからだ。
それよりもあるのかな、図書館・・・。
時間は午前9時前になっている。
フレイアは何も言わずについて来てくれている。
なんか、俺の都合で引っ張りまわしてる感じだな。
申し訳なく思ってしまう。
「フレイア・・・なんか俺の都合で移動ばかりして、申し訳ないな」
「え?
テツ、そんなこと気にしてたの?
私だって、嫌だったら嫌ってはっきり言うから、気にしないでいいわよ」
・・・フレイアさん、あっさりしてるね。
「そうか・・ありがとう」
俺はホッとした。
ギルドの前に到着して、中に入ってみた。
中は結構人が来ている。
中の人を見ながら思った。
ギルドに来なくても、王宮で聞けばよかったんじゃないかと・・・。
でもまぁ、アニム王ばかりに迷惑もかけられないしな・・・。
そんなことを考えつつ、受付で順番をもらった。
2番目みたいだ。
今回は変に絡まれることもなく、受付に行くことができた。
「テツ様、どのようなご用件でしょうか?」
確か、この子・・名前が思い出せない。
ま、いっか。
「えっと、帝都に図書館とかありますか?
あれば場所を教えてもらいたいのですが・・・」
受付の子は、ポーネだったが、すぐに回答してくれた。
「はい、ございます。
王宮の横、神殿の前にあります」
え?
じゃあ、さっき目の前にあったんじゃないか!
俺はポーネにお礼を言って、フレイアとギルドを出てすぐに図書館に向かった。
・・・・・
・・
なるほど、神殿の方ばかり向いていたから、図書館の建物を見落としたわけだ。
神殿が目立つものな・・・。
図書館の前に来た。
入り口が、結構広く作られている。
入り口に向かっての通路の両脇に、木が植えられていた。
パッと見た感じでは、図書館とはわからない。
神殿の付属物のような感じを受ける。
図書館の中に入ってみた。
当然、静かな雰囲気だ。
入り口の奥、真正面に受付の人がいる。
俺たちを見ると、軽くそのまま会釈をしてくれた。
俺達も会釈を返す。
受付に近づいて行って、俺は魔法の書物などがあるところはどこかを尋ねた。
2階にあるという。
ライセンスカードの提示を求められたので、見せるとパネルボードに軽く触れさせて確認していた。
その後、2階への通路を案内してくれた。
2階につくと、ここにも受付がある。
やはりライセンスカードの提示を求められ、1階と同じようにした。
本を読む許可をくれたので、早速、俺は魔法書を探してみた。
言語変換の機能は備わってるはずなので、読めるはずだ。
フレイアも風魔法の書物を探すそうだ。
俺は、とりあえず魔法書の入門編らしきものを見つけた。
パラパラとめくって読んでみる。
字は読める。
・・・・・
・・・・
・・
どうやら魔法は、イメージが大事らしい。
そのイメージを固定化するのに、言葉を使うようだ。
まずは、魔法の定番、火の魔法書を読んでみた。
パラパラとめくる。
・・・・
・・
書いてる内容は大したことはない。
例えば、ファイアストームなら炎の嵐をイメージして、詠唱してもしなくてもいい。
それが明確にイメージが固定化されるまで練習すればいいだけだ。
詠唱するのは、イメージを作るのに集中できるからみたいだ。
後は魔力勝負みたいなところがある。
それで、俺はいろんな種類の魔法書を見てみた。
見るだけだ。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
どれくらいの本を読んだだろう。
かなり読んだと思う。
10
お気に入りに追加
362
あなたにおすすめの小説
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

なんでもアリな異世界は、なんだか楽しそうです!!
日向ぼっこ
ファンタジー
「異世界転生してみないか?」
見覚えのない部屋の中で神を自称する男は話を続ける。
神の暇つぶしに付き合う代わりに異世界チートしてみないか? ってことだよと。
特に悩むこともなくその話を受け入れたクロムは広大な草原の中で目を覚ます。
突如襲い掛かる魔物の群れに対してとっさに突き出した両手より光が輝き、この世界で生き抜くための力を自覚することとなる。
なんでもアリの世界として創造されたこの世界にて、様々な体験をすることとなる。
・魔物に襲われている女の子との出会い
・勇者との出会い
・魔王との出会い
・他の転生者との出会い
・波長の合う仲間との出会い etc.......
チート能力を駆使して異世界生活を楽しむ中、この世界の<異常性>に直面することとなる。
その時クロムは何を想い、何をするのか……
このお話は全てのキッカケとなった創造神の一言から始まることになる……

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる