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205 ダンジョン・・・なるほど
しおりを挟む「ダンジョンですが、帝都では現在60階層まで存在します」
アリアがまずは階層から説明してくれる。
俺は疑問を感じたので、早速聞いてみた。
「現在って、どういうことですか?」
「はい、ダンジョンはそれ自体が生きています。
といっても、魔物みたいな存在ではありません。
魔素の吸収などによって成長していくのです。
ですから、若干の階層の増減があります」
「なるほど・・・」
俺はそれを聞きつつ、アリアが続けてもいいかと言ったのでお願いした。
「はい、それで各階層の目安としては、階層に応じてそのレベルの魔物が現れると思ってくれればいいです。
例えば10階層なら、レベル10程度だと・・・。
ただ、50階層以上になると、作った方のレベルを超える魔物は出現しないと思います。
思いますというのは、私も行ったことはないのでわからないからです。
でも、間違いないと思います。
いろんなユニーク個体はいると思いますが・・・。
作られた方、ルナ様のレベルがよくわかりませんが、60階層もあるところを見ると、相当なものだと思います。
ここまではよろしいですか?」
アリアが一息ついて聞いてくる。
俺はうなずいて答えた。
「ダンジョンにはある特定の階層にレイドボスといいますか、守護者が存在する場合があります。
その階層に1体というわけではなく、固有結界を持っていたりする守護者もいます
その場合、遭遇するとその結界内で戦うことになります。
戦闘が終了するまで、この結界は解放されません」
「・・固有結界?」
俺は自然と口から言葉が出た。
そういえば、じいちゃんの作ってもらった武器に、そういった能力があったよな。
そういうことか・・・。
俺は一人納得した。
アリアが続けて話してくれる。
「はい。
固有結界というのは、その個体の有利なフィールドを形成して、その中に対象者を引き込んで戦うわけです。
ほとんどの冒険者はこれで命を落とします」
・・・アリアさん、命を落としますって・・・
軽く言ってるけど、すごいことだぞ!!
「そのレイドボスなどを倒すと、レアなアイテムなどを得られる可能性があります。
また、倒さなければ、次の階層へ行くことができません」
アリアは俺の目を見て言う。
「え?
どういうこと?」
俺はついつい聞いてしまった。
ゲームなんかでは、特別な部屋があって、そこのボスを倒すと次の場所へ行く道ができるみたいなのが定番だった。
その階層で1体だけじゃなく、固有結界などというものを作って戦うわけだろう?
どういうことなんだ?
「はい、そのボスに出会わなかったり、倒さずに次の階層へ行こうとすると、同じ階層へとまた戻されてしまいます」
「・・・同じところをループするというわけか・・・」
「はい、そうなっているようです。
続けますね」
俺はうなずいた。
「そうやって進んで行くのですが、ダンジョンの入り口に青い魔石が置かれていると思います。
その魔石に触れると、進んでいた階層まで一気に飛び越えて、そこからダンジョンの挑戦が可能となります」
「・・なるほど、セーブポイントみたいなものだな・・」
「ただし、それらはすべて生きて戻って来れたらの話が前提となります。
また、行くときには階層を飛び越えれるのですが、帰りは地道に帰って来るしかありません」
・・・・・
・・・アリアさん、恐ろしいことをサラリと言うよね。
「・・そうですか・・わかりました、アリアさん・・・
ありがとうございます」
俺はアリアにお礼を言って立ち上がった。
「テツ様、くれぐれもダンジョンの攻略にはご注意くださいね。
また、持ち帰って来た魔石などは、ギルドで高く買い取らせていただきます。
ご武運をお祈り申し上げます」
アリアはそういって、丁寧に見送ってくれた。
俺はフレイアと一緒にギルドを出て、歩いて行く。
しかし、アリアさん・・サラリと怖いことを口にしたよな。
改めて思った。
「テツ、どうするの?
やっぱり、話を聞いてやめようと思った?」
フレイアが聞いてくる。
「ううん、そんなんじゃないよ。
要は、無理をしなければいいんだよな?」
フレイアはうなずいてくれる。
歩きながら少し寄ってみたいところがあると、俺はフレイアに言ってみた。
どこ?と言われるので、まずは神殿。
それに図書館などの資料館があれば見てみたいと伝える。
さっきはダンジョンのことで頭がいっぱいだったが、ギルドでも図書館のことを聞こうと思っていた。
「そうね・・神殿に行ってみるのはいいかもね。
この世界を作った神様と通じ合える場所だからね」
フレイアが前を向きながら言う。
「え?
神様と会話できるの?」
俺はとっさに聞いてみた。
「できるわけないじゃない、テツ。
そういう雰囲気のある場所ってことよ」
フレイアが笑いながら答えた。
・・・そういえば、アニム王も言ってたような気がする。
イメージが伝わるのだと。
それを言葉に変換する仕事をしているのが神官たちだとか・・・
そんなことを考えていたり、フレイアと他愛ない話をしていたら、神殿の前までやってきた。
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