どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

ボケ猫

文字の大きさ
上 下
186 / 426

186 やるしかないようだ・・・。

しおりを挟む






フレイアが俺の腕を掴つかんで、呼んでいた。

心配そうに俺を見ている。



「テツ・・大丈夫?

呼んでも返事もしないし・・・」

「え?

今、辺りが暗くなってなかったっけ?」

「は?

・・何言ってるの?

テツがほんの少しボーッとしてたから、心配したのよ」

フレイアが心配そうに俺を見ている。



「・・・俺がボーッとしてたって?」

俺はフェニックスを見つつ、つぶやいた。

「うん。

今、ほんの一瞬だけだけど・・・」

フレイアが不安そうに答える。



そうか・・・

あの映像は、フェニックスと俺の念話というか、固有世界の出来事だったのか・・。



「フレイア・・・どうやらフェニックスは、俺と戦いたいようだ」

俺は説明するのが面倒なので、とりあえず起こるであろう出来事だけを伝えた。

!!

「テツ、フェニックスと戦うの?

冗談でしょ?」

フレイアは少し焦ってる感じだった。



「・・・冗談ではないんだが・・・。

さっき、フェニックスがお前の力を見せてみろと言ったんだ」

俺はそうフレイアに伝える。

「・・なるほど・・それでボォーッとしてたのね」

フレイア、理解早いな。



俺はうなずいて、フェニックスをみつめる。



サラマンダーがフェニックスから離れていった。



ある程度距離をおいて待機している。

よく躾しつけられてるな。

そんなことを思いつつも、俺もフェニックスに向かった歩いて行こうとした。

フレイアが俺の腕を軽くつかむ。

「・・テツ・・・」

「フレイア、たぶん大丈夫だと思うよ」

なんとなくだが、一方的に命を奪われるような感じはしない。



「私も一緒に戦った方がいいのかな?」

フレイアがつぶやくように言う。



「いや、それはダメじゃないかな・・・

そんな気がする。

俺が動けなくなったら、回復を頼むよ」

俺はフレイアにそう言って、フェニックスに向かって歩いて行った。



フェニックスの前に立つ。

改めてフェニックスを見ると、確かにきれいだ。

その姿が揺らめいている。

熱くはない。

真紅になったり、淡いオレンジ色になったりと炎が揺れ動いている。





クェェェ!!!!



フェニックスが吠える。

言葉がわかるわけじゃない。

でも、先ほどの出来事は夢ではないだろう。

とにかく、戦わなきゃいけないと思う。



フェニックスは、来いと言っているようだ。



俺は、遠慮なくダッシュした。



ダッ!!



一気にフェニックスの真下に到達する。

そのままの勢いで、刀を抜いて横薙ぎ。

フェニックスが上空へ、羽ばたきながら俺の刀を躱かわす。



だが、その尻尾の部分は躱かわせなかったようで、尻尾の半分くらいを切り落とした。



フェニックスはやや驚いたようだ。



俺の目の前で羽ばたきながら、滞空していたが、大きく羽ばたいた。



その羽ばたきに乗って、火の塊が向かってくる。

まるでフェニックスの身体が迫ってくるようだ。



どこに飛んでも避けれそうにない。

俺は刀でその火の塊というか火の鳥というか、それを切ってみた。



手ごたえはない。

だが、火の塊は二つに分かれて、俺の後ろに着地したようだ。

同時に火の柱が出来上がっていた。

俺の後ろから、ものすごい熱風を感じる。

まるで竜巻のような風だ。



フェニックスが先ほどよりも高く上空へ舞い上がった。

俺の上でぐるりと一回りすると、大きく羽ばたいた。

キラッと光ったものが見えたかと思うと、火の矢のようなものが無数に落下してくる。



避けれる場所はない。

俺は目の前に迫っている矢だけに対処した。

何本かは俺の腕や足をかすめて行った。

痛いというより、熱い感じを受ける。



だが、直撃だけは免れることができたようだ。

火の矢が全部地上へ落ちてきて、俺の後ろの炎のような竜巻と相乗効果だろうか、

大きく熱爆発を起こした。



!!!!!!



俺の周りは、炎の激流のような感じだ。

竜巻の中心付近にいるような感じだと思う。

・・・・

しばらくすると、その爆裂の余波も消えていった。

まだ、煙などは残っているが・・・。



サラマンダーがいる辺りまで、半径100メートルくらいだろうか。

地面を穿うがちつつ、キラキラと光っているところがたくさんあった。

熱で土の部分がガラス化したようだ。



フレイアは後方へ下がっていて、魔法で防御していて無事みたいだ。



俺も自分のいる位置だけは爆発の中、無事とはいかないが、どうにか存在できた。

爆発が起こった時に、自分の周りに向かって刀で円を描いた。



じいちゃんの付与能力、絶対切断にかけるしかない。

そう思って、ぐるりと刀を振ってみたのだが・・・。

これは大成功だったようだ。


しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

なんでもアリな異世界は、なんだか楽しそうです!!

日向ぼっこ
ファンタジー
「異世界転生してみないか?」 見覚えのない部屋の中で神を自称する男は話を続ける。 神の暇つぶしに付き合う代わりに異世界チートしてみないか? ってことだよと。 特に悩むこともなくその話を受け入れたクロムは広大な草原の中で目を覚ます。 突如襲い掛かる魔物の群れに対してとっさに突き出した両手より光が輝き、この世界で生き抜くための力を自覚することとなる。 なんでもアリの世界として創造されたこの世界にて、様々な体験をすることとなる。 ・魔物に襲われている女の子との出会い ・勇者との出会い ・魔王との出会い ・他の転生者との出会い ・波長の合う仲間との出会い etc....... チート能力を駆使して異世界生活を楽しむ中、この世界の<異常性>に直面することとなる。 その時クロムは何を想い、何をするのか…… このお話は全てのキッカケとなった創造神の一言から始まることになる……

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公 じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい …この世界でも生きていける術は用意している 責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう という訳で異世界暮らし始めちゃいます? ※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです ※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

処理中です...