どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

ボケ猫

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184 フェニックス

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ズバン!!!



きれいに胴体と頭が離れた。

経験値も魔石も獲得できたようだ。



まぁ、これで移動するときに邪魔されることはないだろう。

「フレイア、お疲れ様」

フレイアは微笑んでこちらを見て、ふわりと飛んで近寄って来た。

「テツこそ、お疲れ様」



・・・・やっぱフレイアは美人だよなぁ・・・

改めてそう思う。



さて、二子玉川を渡って入ったことないからな・・・。

警戒レベルを上げて、索敵を維持しつつ移動してみる。



ピ・・・ピピ・・

またも魔物の反応がある。

レベル35:サラマンダー×2体、レベル41:フェニックス。



!!!

レベル41だと・・・

やばいんじゃないか?・・・



だが、これだけ高いレベルの魔物がいると、他の魔物が少ないのはどこも同じか・・・

しかし、どうする?

まだまだ距離はある。



フレイアに聞いてみた。

・・・・・

・・・

「そうね・・どちらも火の精霊の加護を持っている魔物ね。

火の攻撃は効かないわ。

水魔法が一番効果あると思うけど、土や風でもある程度は対応できるかしら・・・。

で、どうするのテツ」

フレイアが俺に聞いてきた。



「どうしようか迷っているんだ。

・・・フレイア、勝てそうかな?」

「・・・わからないわね。

サラマンダーだけなら問題ないと思う。

けれど、フェニックスでしょ・・・

私なんて見たこともないわよ。

ただ、知識として知ってるだけ」



・・・・マジか・・

どうしよう。

このまま退却してもいいかもしれない。

こんな魔物がいるんじゃ、人なんて存在しないだろう。

だが、どこかで戦ってみたい気持ちもある。



・・・・やはり、アニム王に聞いてみるのがいいかもしれない。

フレイアにも聞いてみた。



「そうね、アニムなら対処の方法を知ってそうね」

「・・・なんでもかんでも聞いてばかりだな、俺って・・・」

ため息交じりにつぶやいていた。

「・・・テツ、知らないものは聞くのが普通よ。

何を言ってるのよ」



・・・・フレイア・・正論だな。



だが、それだけに申し訳ない気がするんだよなぁ・・・。

しかし、聞かなきゃ始まらないしなぁ。



俺はパッと気持ちを切り替えて、アニム王に念話を送ってみた。



『アニム王、テツです』

すぐに返事をくれる。

『やぁ、テツ。

どうしたんだい?』



『アニム王と最初にお会いした場所から、少し進んだところで、出会ったことのない魔物を感知したのです。

サラマンダーとフェニックスです』

『・・フェニックスかい?』

『はい』

『それは珍しいね。

私がいたときには現れなかった魔物だね』

『・・珍しい・・のですか?』

俺は少し驚いた。



『あぁ、稀まれにしか現れないし、出会うことなんてほとんどないんじゃないかな?

私も出会ったことはないね』

マジか・・

アニム王でも出会ったことのない魔物。

アニム王が続ける。



『テツ、もしかしてフェニックスと戦おうと思ってるんじゃないのかい?』

『・・今の話を聞くまでは、戦おうと思っていましたが、戦っていいものかどうかわからなくなりました』

『・・そうだねぇ・・伝説というか、フェニックスに関する話を教えておくよ』

・・・・・

・・・

そういってアニム王はフェニックスに関する物語を教えてくれた。

フェニックスは基本、倒すことができないのだそうだ。

倒れても、自身の炎で燃え尽きて、その灰の中からまた甦るという。

ただ、見た人はいないみたいだ。

それに、知恵も持っていて会話もできるという話もある。

悪か善か、それはわからない。

種族によっては神鳥として扱われているところもあるそうだ。





『・・まぁ、物語としてしか誰も知らないからね。

どう対処するかは、テツに任せるよ。

私も行って見てみたいが、行った瞬間に消えてしまうかもしれないしね。

それにテツ、君に会いに来たのかもしれないよ』

『私に会いにですか・・・』



『すまない・・言葉が悪かったね。

ただ、出会えることが珍しいのは間違いないのだよ。

それが良いのか悪いのかがわからない』

『・・・なるほど・・

ありがとうございました、アニム王』

『テツ、判断は任せるけど、気を付けて!』

アニム王はそういうと念話を切った。





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