184 / 426
184 フェニックス
しおりを挟むズバン!!!
きれいに胴体と頭が離れた。
経験値も魔石も獲得できたようだ。
まぁ、これで移動するときに邪魔されることはないだろう。
「フレイア、お疲れ様」
フレイアは微笑んでこちらを見て、ふわりと飛んで近寄って来た。
「テツこそ、お疲れ様」
・・・・やっぱフレイアは美人だよなぁ・・・
改めてそう思う。
さて、二子玉川を渡って入ったことないからな・・・。
警戒レベルを上げて、索敵を維持しつつ移動してみる。
ピ・・・ピピ・・
またも魔物の反応がある。
レベル35:サラマンダー×2体、レベル41:フェニックス。
!!!
レベル41だと・・・
やばいんじゃないか?・・・
だが、これだけ高いレベルの魔物がいると、他の魔物が少ないのはどこも同じか・・・
しかし、どうする?
まだまだ距離はある。
フレイアに聞いてみた。
・・・・・
・・・
「そうね・・どちらも火の精霊の加護を持っている魔物ね。
火の攻撃は効かないわ。
水魔法が一番効果あると思うけど、土や風でもある程度は対応できるかしら・・・。
で、どうするのテツ」
フレイアが俺に聞いてきた。
「どうしようか迷っているんだ。
・・・フレイア、勝てそうかな?」
「・・・わからないわね。
サラマンダーだけなら問題ないと思う。
けれど、フェニックスでしょ・・・
私なんて見たこともないわよ。
ただ、知識として知ってるだけ」
・・・・マジか・・
どうしよう。
このまま退却してもいいかもしれない。
こんな魔物がいるんじゃ、人なんて存在しないだろう。
だが、どこかで戦ってみたい気持ちもある。
・・・・やはり、アニム王に聞いてみるのがいいかもしれない。
フレイアにも聞いてみた。
「そうね、アニムなら対処の方法を知ってそうね」
「・・・なんでもかんでも聞いてばかりだな、俺って・・・」
ため息交じりにつぶやいていた。
「・・・テツ、知らないものは聞くのが普通よ。
何を言ってるのよ」
・・・・フレイア・・正論だな。
だが、それだけに申し訳ない気がするんだよなぁ・・・。
しかし、聞かなきゃ始まらないしなぁ。
俺はパッと気持ちを切り替えて、アニム王に念話を送ってみた。
『アニム王、テツです』
すぐに返事をくれる。
『やぁ、テツ。
どうしたんだい?』
『アニム王と最初にお会いした場所から、少し進んだところで、出会ったことのない魔物を感知したのです。
サラマンダーとフェニックスです』
『・・フェニックスかい?』
『はい』
『それは珍しいね。
私がいたときには現れなかった魔物だね』
『・・珍しい・・のですか?』
俺は少し驚いた。
『あぁ、稀まれにしか現れないし、出会うことなんてほとんどないんじゃないかな?
私も出会ったことはないね』
マジか・・
アニム王でも出会ったことのない魔物。
アニム王が続ける。
『テツ、もしかしてフェニックスと戦おうと思ってるんじゃないのかい?』
『・・今の話を聞くまでは、戦おうと思っていましたが、戦っていいものかどうかわからなくなりました』
『・・そうだねぇ・・伝説というか、フェニックスに関する話を教えておくよ』
・・・・・
・・・
そういってアニム王はフェニックスに関する物語を教えてくれた。
フェニックスは基本、倒すことができないのだそうだ。
倒れても、自身の炎で燃え尽きて、その灰の中からまた甦るという。
ただ、見た人はいないみたいだ。
それに、知恵も持っていて会話もできるという話もある。
悪か善か、それはわからない。
種族によっては神鳥として扱われているところもあるそうだ。
『・・まぁ、物語としてしか誰も知らないからね。
どう対処するかは、テツに任せるよ。
私も行って見てみたいが、行った瞬間に消えてしまうかもしれないしね。
それにテツ、君に会いに来たのかもしれないよ』
『私に会いにですか・・・』
『すまない・・言葉が悪かったね。
ただ、出会えることが珍しいのは間違いないのだよ。
それが良いのか悪いのかがわからない』
『・・・なるほど・・
ありがとうございました、アニム王』
『テツ、判断は任せるけど、気を付けて!』
アニム王はそういうと念話を切った。
10
お気に入りに追加
362
あなたにおすすめの小説
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

なんでもアリな異世界は、なんだか楽しそうです!!
日向ぼっこ
ファンタジー
「異世界転生してみないか?」
見覚えのない部屋の中で神を自称する男は話を続ける。
神の暇つぶしに付き合う代わりに異世界チートしてみないか? ってことだよと。
特に悩むこともなくその話を受け入れたクロムは広大な草原の中で目を覚ます。
突如襲い掛かる魔物の群れに対してとっさに突き出した両手より光が輝き、この世界で生き抜くための力を自覚することとなる。
なんでもアリの世界として創造されたこの世界にて、様々な体験をすることとなる。
・魔物に襲われている女の子との出会い
・勇者との出会い
・魔王との出会い
・他の転生者との出会い
・波長の合う仲間との出会い etc.......
チート能力を駆使して異世界生活を楽しむ中、この世界の<異常性>に直面することとなる。
その時クロムは何を想い、何をするのか……
このお話は全てのキッカケとなった創造神の一言から始まることになる……
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる