どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

ボケ猫

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179 澤田さん、いい街づくりをしてくださいね

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ギルマスは失礼する!といって立ち上がった。



帝都の使者の方へ行って、何やら話をしている。

俺は澤田さんの方を向いて、

「澤田さん・・これから賑にぎやかになりそうですね」

そんなことを言ってみた。

「・・ええ、そうなればありがたいです」

・・・・

・・



さて、後はここにいても邪魔になるだろう。

俺はそう考え、出発しようと思った。



「澤田さん、俺たちはそろそろ出かけようと思います」

「・・・そうですか・・・

では、また立ち寄ってくださいね」

澤田さんはそういうと、俺と握手をした。



「フレイア、行こうか」

フレイアもスッと立ち上がった。

帝都からの使者に軽く会釈し、建物の外へ出る。



外にはワイバーンと騎士団の人だろうか、がいた。

その横を通って、街の入口の方まで来た。





澤田さんが最後まで見送ってくれる。

「では、町田さん、気を付けて」

「ありがとうございます。

澤田さんこそ無理をなさらないように」

言葉を交わして街を後にした。





フレイアと俺は東京の方へ向かう。



移動は高速道路を伝って移動している。

フレイアはポーン、ポーンと軽く跳ねながら移動。

いつみても、羽のようだ。

だが、俺と同じくらいの速度で移動している。



時間は午前10時を過ぎていた。

澤田さんのところを出て名古屋辺りを経由だな。

以前の移動と同じルートだろう。



もう、レベルの低い・・といっても、レベル20くらいの魔物は無視している。

俺のスキルで、魔物には見つかりにくい。

戦闘になればバレるだろうが、単に移動なら問題ない。

フレイアは元々敵には見つかりにくいそうだ。



すぐに名古屋駅付近に到着した。

以前、一人で移動した時にはオーガが強敵だったが、今となってはそれほどでもない。



少し歩いて、名古屋駅辺りを回ってみる。



人のいる気配はない。

そんなに都合よく街ができるわけはないか・・・

そう考えて、索敵を行ってみた。



ピピ・・・。

レベルのある魔物が2体引っかかった。

栄町方面に1体、レベル38:ミノタウロス

近くに1体、レベル40:サイクロプス。



ミノタウロスは以前戦ったことあるが、サイクロプスは初めてだな。

そう思うとともに、フレイアに相談してみた。



「フレイア・・レベルの高い魔物が2体いる。

俺としては両方倒したいと思っているが、どうだろう」

「・・どのみち倒すんでしょ?

大丈夫じゃない」

「・・・そうか・・ありがとう」

俺はそう言って、軽くうなずく。



「じゃあフレイア、ミノタウロスから倒そうと思うが、戦ってる最中にサイクロプスに気づかれるかな?」

俺は懸念を伝えてみる。

「おそらく、気づかれるわね」

「そうか・・・なるべく早く倒さなきゃいけないな」

フレイアにそういいつつも、大事なことを思いだした。



そうだ!

フレイアとパーティを組んでなかった。

そりゃ、ソロの方が経験値は入るだろうが、フレイアとなら分けあっても嫌じゃない。

問題はフレイアの方がどうかだが・・・。



「フレイア・・俺とパーティ組んだ方がよくない?」

「いいわよ、パーティ」

フレイアは軽く答えてくれる。



「・・いいのか、フレイア。

得られる経験値を分けることになるけど・・・」

「別に問題ないわよ。

それよりもテツが嫌なんじゃないかって思ってたから・・・」

「・・そうか・・・それは悪かったなフレイア・・せっかく相棒になってもらったのに・・失礼なことをしていたな。

ごめん・・」

俺は素直にフレイアに謝った。





「べ、別にいいわよ、テツ!

そんなの気にしてないし!

いちいち謝ってたら時間がもったいないでしょ!!」

フレイアはプイッと背中を向けていた。

・・・かわいいなぁ、フレイア。



さて、気を引き締めてミノタウロスの討伐だ。

フレイアとパーティを組んでもらった。





俺たちはミノタウロスの近くまで移動する。

相手は気づいていない。

だが、前もこいつは気づかないふりをしてたからな・・・。

そう考えたら、俺は堂々とミノタウロスに向かって歩いて行く。



フレイアは俺のやや後ろの方から一緒に移動してくれている。





ミノタウロスはやはり気づかないような感じで、斧を両手で持ちゆっくり歩いていた。

そのところへフレイアが弓で矢を放つ!



ヒュン!

と、風を切る音が聞こえたかと思うと、ミノタウロスの右腕に3本の矢が刺さった。

さすがに相手も気づかないふりはできないだろう。

こちらを向いて凝視した。



斧を両手で持ち上げて、大きく叫ぶ!



「ウオォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!」



叫び終えると、こちらに向かって一気に走って来る。

それほど速くないが、その威圧感は半端ない。

感じ的にはトレーラーがこちらにまっすぐ向かってる迫力だ。



俺もミノタウロスに向かって走りだした。



フレイアは即座にミノタウロスの矢の刺さった方向へ、円を描くように移動する。





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