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170 騎士団員第一隊長のウベール!
しおりを挟む「ごめんな、フレイア。
そんなに考えさせていたなんて・・・。
俺は単にその場その場で考えていただけだからな・・」
素直に俺はフレイアに謝った。
「別にいいわよ・・・
変に気を使われても困るし・・・」
「あ、そういえばフレイア・・
君のレベルを聞いてなかったよな」
俺はフト思い出した。
聞こう、聞こうと思っていて、全然その機会がなかったんだ。
「え、私のレベル?」
「うん、別に言いたくなければ言わなくていいけど・・・」
「ううん平気。
私のレベルは36よ」
「・・凄いな・・・
あ、俺は39ね」
!!!!
「ほんとに~!!!
テツの方が凄いじゃない」
フレイアは驚いていた。
「いや、俺の場合、アニム王の支援で得たものだから、偉そうなことは言えないんだ。
それに、誰にも言わないでくれよな」
俺はフレイアに念を押して言った。
「もちろんだ。
我が精霊に誓って約束しよう」
・・・・いやいや、重いから・・。
まぁ、いいか。
そんなことを話していると次の食べ物が運ばれてきた。
今度はスープのような感じだ。
黄色いスープ。
かぼちゃのような感じだが・・。
店員さんは、どうぞといって、忙しそうに厨房へ戻っていった。
置いてあるスプーンですくって一口飲んでみた。
なるほど・・・まんま、かぼちゃの味だ。
いや、かぼちゃよりも濃い感じだな。
おいしい~。
フレイアと一緒に食べていて、残り少なくなってきたときにデザートみたいなのが出てきた。
プリンのようなものだ。
・・・もう、プリンでいいだろう。
パンナコッタと言っても変わらない。
とにかく、今まですべて当たりでおいしかったからな。
プリンだろうものを食べてみた。
これもうまい。
ベタベタした甘さはない。
さっぱりとした甘さだが、はちみつのような濃さがある。
このラピット亭。
大正解だな。
食事も終了し、ギルドの受付に戻って行った。
受付の席でアリアが片づけをしている。
あれ?
もしかして、俺たちのために残業でもしていたのだろうか。
ギルドの中も、さっきまでとは違い、人も少なくなっていた。
「アリアさん、ラピット亭、おいしかったです。
ありがとうございました」
「あ、テツ様。
どういたしまして。
先ほどお伝えしたものですが、ギルドマスターからの紹介状といいますか、他のギルドに立ち寄った時に使えるパスをお渡しするように言われておりました。
これをお受け取りください」
アリアはそう言って、はがきサイズのプレートをくれた。
「これを持っていると便利ですよ~。
では、私はそろそろ仕事を終わらせてもらいますね」
そういうと、受付の椅子を片づけて席を立った。
・・・俺たちのために残っていたんだ・・・
すまない、アリアさん。
アリアが出口に向かおうとすると、ソファから一人の男が立ち上がって俺たちの方へ来た。
黙って俺に近づいてくる。
結構でかいやつだな・・
俺の目の前に来て、ジッと俺を見つめている。
アリアがそれを見て、駆け寄って来た。
「ウベール様、また明日ということでしたが・・・」
「アリアさん、申し訳ない。
どうしても一目見ておきたくてね」
ウベールと呼ばれる男はそういって俺をまだ見ていた。
ふぅと吐き出すようにして話してくる。
「あなたがテツという人ですか?
何でもミランさんを驚かせたとか・・」
・・・何言ってんだ?こいつ・・。
「あ、テツ様・・この方は騎士団員第一隊長のウベール様です。
どうもギルドマスターの腕試しのうわさが独り歩きしているみたいで・・・」
アリアが慌てて教えてくれた。
・・・なるほどね。
「ウベールさん、どんなうわさなんですか?」
俺は聞いてみた。
ウベールはニヤッと笑って言う。
「いや、ミランさんがやられそうになったという話でね」
「まさか・・・俺の方がやられそうになりましたよ。
寸前で止めてくれて助かりましたが・・・」
嘘は言っていないだろう。
「・・・そうですか・・・」
ウベールはうなずきながら言う。
・・こいつ全然信用してないな。
「では、ウベールさん、私も明日早いのでこれで失礼します」
俺はそういうとその場を離れようとした。
するとウベールが足を前に出してきて、俺の進路を妨害する。
「ウベール様!」
アリアが急いで声をかける。
「いやいや、すみません、アリアさん。
でも、私も自分の目で確かめてみたいのです。
異世界の人間というものを・・」
フレイアが今にも何か言いだしそうなので、俺はそれを制止してウベールに提案した。
「では、ウベールさん、闘技場で私の動きを見てもらえますか?
ミランさんもそうしてましたよ」
ウベールは大きくうなずいた。
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