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163 報告してみたが・・・緊張する。
しおりを挟む「まぁ、いいわ。
アニムが呼んでるわよ」
フレイアが俺を呼びに来てくれたみたいだ。
「・・そうか・・ありがとう、フレイア」
俺はそう言って、王宮へ行ってきますと優に言った。
それから地上でも異世界人、このアニム王国の元住人が来て、ここと同じような社会システムを構築するらしいとも、優に伝えた。
フレイアとともに街を歩きながら王宮へ向かう。
俺は横にいるフレイアを眺めてみた。
この子が俺を気に入ってくれてるのか・・・
・・・確かに美人だ。
目線を下に移動する。
そのまま目線がひっかかることなく下へ移動する・・・
足下まで目線を移動させた。
はぁ・・・ペッタンだな・・
パコン!
頭を軽く殴られた。
「テツ・・絶対、失礼なことを考えてたでしょ」
「・・いや、何のこと・・・」
もう1回殴られた。
・・・俺ってフレイアのペットじゃないんですけど・・・。
そんなことをしてるうちに王宮へ到着する。
すぐにアニム王の元へ案内された。
どうやら会議室での話らしい。
広いな・・。
俺も席を勧められて座った。
・・・いや、普通に座ったけど、これって会議だよな。
こんな席・・しかも王族の席だろ・・・
重役会議なんて出席したことないぞ。
意味なく緊張してしまった。
「さて、テツもそろったことだし、先ほどの続きを考えてみたい」
アニム王がそう言って始まった。
この席にいるのは、考えてみれば凄まじい顔ぶれじゃないのか?
アニム王にルナ、ウルダ。
アニム王国の偉いさんだろう人が5人。
騎士の格好をしてる人が3人。
それに俺とフレイア。
壁際には6人ほどが等間隔で立っている。
・・・俺って場違いじゃないのか?
「テツ、地上の報告をしてくれないか」
アニム王が俺にいきなり振ってきた。
皆が俺の方を見る。
・・かなり緊張するな。
「え、えぇ、あ、はい・・・」
俺が言葉を詰まらせていると、ウルダが笑っていた。
「あはは・・・テツ・・何を緊張してるんだ?」
ルナも微笑んでいる。
その笑い声を聞いて、少し緊張が解けた。
「いえ、こんな場所で発言などしたことないもので・・・」
俺は正直に答えた。
続けて報告をする。
「では、地上でのことを報告させてもらいます。
私の住んでいた市・・街ですが、生き残りの住人がかなりいました。
その行政機関の人間が、このアニム王国の転移者というものたちと接触し協議したそうです。
そして、早速この帝都のライセンスカードと同じようなものを作っていました。
そこで、審議官というものと接触したところ、私のライセンスカードを見せると、帝都ギルドのカードとすぐにわかったみたいです。
審議官は嘘を見破れるそうで、私が嘘を言っていないことを確認し、地球人と一緒に街を作っていくと言っていました。
今のところ、私でわかるのはそれくらいです」
最初は緊張していたが、話をしていたら、かなり落ち着いてきた。
「ありがとう、テツ」
アニム王が労いの言葉をくれる。
「ミラン・・どう思う?」
アニム王が聞いていた。
ミランって、ギルドマスターじゃないか!
さっきは緊張して、誰の顔も見てなかったからな。
よく見れば、壁際にエレンさんもいるぞ。
「はい、私もそれを聞いて安心しました。
ギルドとしては、街があれば連携していきたいと考えております」
「そうだな・・こちらも早速、騎士団員と政務官を派遣したところだ」
騎士団長・・だったっけ?
その人が言っていた。
・・・もう人を派遣したのか・・・早いな。
「うむ。
となれば、他にも転移者はいるであろうな。
それぞれで今回のようなケースになればよいが、そうでない場合もあるじゃろう」
初めて年配者を見たな、その人が言っていた。
服装からは魔法関係の人だろうか・・。
わからなんな。
「ええ、そう思います。
そういったものたちを探し、保護しつつ、街との連携が取れるようになるのが、まずは目指すべき道かと思います」
アニム王の横にいる人が発言していた。
「私もそう思う。
みな、これからよろしく頼む」
アニム王が頭を下げて、そして立ち上がった。
「会議は以上だ」
アニム王がそういうと、皆がそれぞれ部屋から出て行った。
残ったのは、ルナとウルダ、フレイアに俺。
それにアニム王とミランだった。
俺の方にアニム王が近づいてきた。
「テツ・・緊張させてしまったかな」
アニム王が微笑みながら話す。
ウルダがまた大笑いした。
「あはは・・・・あのテツの顔ったらなかったな・・・あはは・・・」
フレイアも後ろで笑っていた。
・・・俺って、そんなひどい顔をしてたのか?
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