どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

145 これから、どうしようかなぁ・・・

くぐったと思ったら、すぐに地上の家の前にいた。

・・・・

なるほど、俺が地上についた瞬間に、地上のゲートは消えるわけだ。



そりゃ、そうか・・・。

いつまでも現れてたら、こちらから敵が侵入するかもしれないからな。

そんなことを考えつつも、玄関に向かった。



「ただいま～」

そう言って、中へ入って行った。

奥の方でばあちゃんの声がする。

「おかえり～」



手洗いとうがいを済ませると、リビングへ向かって行った。

「ばあちゃん、ただいま・・」

じいちゃんが無言でうなずいてくれる。

「あれ、みんなは？」

ばあちゃんが聞いてくる。



俺だけなのが不思議だったようだ。

「ああ、みんなはアニム王のところで、今日は泊まるみたいだよ」

「そうかい・・。

お前は泊まらなかったのかい？」

「うん・・。

一応報告に来たからね。

あ、このペンダントを扉につければ、いつでもアニム王のところへ行けるよ」

そういってペンダントを見せた。



俺がそんな話をしているうちに、ばあちゃんがお茶を入れてくれた。

やっぱこれが落ち着くな、ほんとに・・・。

お茶を飲みながら、俺はこれからのことをばあちゃんたちに相談してみた。



もう今までの日本はない。

どれくらい人が残っているのかもわからない。

ただ、生きていかなければいけない。

アニム王のところに引っ越したりして、新たな生活を始めたらどうなるだろうかなどなど・・。

・・・・

・・・

「そうだねぇ・・

私たちもいい歳だしね・・

お前が好きなように決めたらいいよ。

私たちはどこでも生きて行けるから・・・。

まぁ、孫がいないと寂しいかねぇ・・・」

ばあちゃんがそういうとお茶を飲む。





俺も言葉を間違わないようにしなきゃ。

この家を作るときも、変な業者に任せてしまって大金を無駄にしたようなものだしな・・・。

ただ、魔法で家はすぐにできるような世界になったけど・・・。



「そうだな。

じゃぁ、ばあちゃん。

明日の朝に、アニム王の帝都に行ってみて、その雰囲気を見て、考えてみるのはどう？」

俺はそう告げてみた。

「・・それでいいよ」

ばあちゃんは別に否定するわけでもなく答えてくれる。

ありがとう。



「あ、ばあちゃん・・。

家だけどね、魔法ですぐに建つんだよ。

好きなような形の家が、あっという間に建つんだよ。

これにはびっくりするよ。

お金も必要ないしね・・」



この言葉にばあちゃんが飛びついた。



「ほんとうかい？

家がすぐに建つのかい？

どんな家でも大丈夫かい？」



どんな家でもと言われると不安だが、城が建ったんだ・・大丈夫だろう。

「たぶん大丈夫と思うよ。

お城が一瞬で出来上がったんだもの。

俺がいる間にも、ポンポンと家が建っていたよ」

俺がそう答えたら、ばあちゃんはびっくりしていた。



「・・お城が一瞬で建ったのかい？

・・・信じられないねぇ・・・」

そりゃ、信じられるはずもない。

でも、事実だからな。



「まぁ、ばあちゃん・・明日の朝に行けばわかるよ」

「そうだね・・明日の朝だね・・」



そういうと、生活魔法で身体をきれいにして、それぞれ床に就いた。

・・・・・

・・・

・・





すぐに朝が来た感じだ。

時間は午前５時くらいだろう。

外もやや明るくなってきていた。

俺はすぐに窓を開けて空を見てみた。



アニム王の帝都がどうなってるのかを確認したかったからだ。



空を見上げると、青空と普通の雲が流れている・・

普通の、いつもの空だった。



あれ？

アニム王・・場所を移動でもしたのかな？

そんなことを考えつつ、俺は１階へ下りて行った。





「おはよう、ばあちゃん、じいちゃん」

「おはよう」

ばあちゃんが挨拶をくれる。

じいちゃんもうなずいていた。



ばあちゃんがお茶を入れてくれる。

それを飲みつつ、朝ご飯が終わったら、アニム王の帝都に行ってみようかとなった。