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141 ・・・そりゃ、信じられないよな
しおりを挟むふぅ・・・
「ただいま~」
そういいながら、とりあえずばあちゃんのところへ顔を出した。
ばあちゃんがこちらを見ると、
「ずいぶん長いこと外にいたね」
「・・あ、ごめん。
さっきの人たちが街を作って住むというので・・・それで送ってきたんだ」
「そうかい・・・」
フレイアも帰って来てたようだ。
相変わらずお茶を飲んでいた。
「テツ、おかえり。
シルビアは?」
フレイアに聞かれた。
「あ、シルビアはアニム王の街にいるよ」
俺は軽く答える。
「街?
アニムが来たの?
どこにあるの、その街?」
・・・・・
・・・
フレイアから質問攻めだ。
とりあえず簡単に説明した。
ルナも来てること。
アニム王が街を作ったこと。
シルビアもそこにいることなど・・・。
「そっか・・・夜の王も来たのね。
・・・私も後で行ってみるわ」
フレイアがそういうとまたお茶を飲み始めていた。
俺は軽くうなずき、
「・・・2階へ行ってくるよ」
そういって2階へ上がった。
結構なんだかんだで疲れたな。
そう思ってリビングに入っていった。
「あ、パパ、おかえり~」
凛がスラちゃんを抱っこして出迎えてくれた。
スラちゃん、もう凛のものみたいだな・・。
「テツ、バーンはやっぱり賢いよ。
僕の考えてることがわかるみたいなんだ」
子どもたちが普通に会話してくるので、一気に普通の環境にリセットされる。
これはこれでありがたい。
余計なことを考えないで済む。
「お義母さん、ありがとうございました」
俺はそういって声をかけた。
嫁はお義母さんの横でコーヒーを飲んでいた。
「あ、嫁さん、アニム王たちは自分の街へ移動したから・・」
・・・・
黙って飲んでるな・・・。
少しくらい返事しろよな。
「あれ?優は・・・」
「あ、兄ちゃんは今トイレだよ」
凛が答えてくれた。
なるほど・・ここは日常か・・・。
俺も生活魔法を自分にかけ、きれいにした。
風呂も入ってみたいが、お湯を沸かす必要もないか・・
あれ?
そういえば、魔法でお湯も出せるんじゃないか?
そんなことを考えてたら、優が来た。
「おっさん、帰って来てたのか?」
「うん、今帰ってきたところ。
アニム王たちを送って来たんだ」
その言葉に優が反応した。
「送ってきたって、どこへ?」
俺は人差し指を上に向けた。
???
みんなが俺の方を向いたが、わからないようだ。
嫁も向いたな。
「おっさん、上って・・どこだよ・・」
「雲の上・・・」
!!!!
「はぁ?
何言ってんの?
雲の上って・・・」
そりゃ、信じられるはずもない。
まぁ、フレイアだけは、当たり前に受け入れてたが・・・。
「・・いや、マジなんですけど・・・」
俺も説明しづらいし、しても信じられないだろう。
しかし、言うしかない。
「アニム王が、魔石で魔核を作って、それを元に街を空中に浮かべたんだ」
嘘は言ってない。
嫁はコーヒーを飲む手を止めていた。
嫁はいろいろ言いたいのだろうが、俺との会話をしたくないみたいだからな・・・こっちもだ。
優も動かなくなった。
「嘘じゃないぞ。
外に出てみれば、空に黒い塊の雲が見える・・・いや、夜だから見えないかも・・・」
そういうと、すぐに優が窓を開けて空を見上げた。
・・当然、夜なので空を見上げても見えるはずもない。
星も見えない。
雲で覆われていた。
・・・そりゃ、アニム王の街があるからな・・・。
「おっさん・・雲しか見えないぞ・・」
俺の方を向いて優が言ってくる。
「・・・その雲の上に街があるんだよ」
言っていて可笑おかしくなる。
俺も逆の立場なら信じられないだろうな。
そんな会話をしていると、フレイアが上がって来た。
「失礼しまーす・・」
その声に優が真っ先に反応した。
フレイアも優を見て、
「優君、さっきはお疲れ様」
優は無言でうなずいていた。
そういや、風吹君と一緒に魔物を狩りに行ってたんだよな。
どうなったんだろう。
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