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138 きれいな街並みだ・・・
しおりを挟むウルダもルナの横で黙って立っている。
・・・・
シルビアは・・・お茶を何杯おかわりしたんだ?
ここぞとばかりに飲みまくってるな。
アニム王とルナは軽く会話を交わして、立ち上がった。
ばあちゃんに丁寧にお礼を言って、そのまま外へ出て行く。
俺も気になるので一緒について行った。
ウルダとシルビアもついてくる。
時間は午後18時頃だろう。
空は薄暗くなってきている。
夕焼けで雲が赤紫色になって流れていた。
外へ出ると、空を見上げてアニム王はアイテムボックスから魔石を取り出した。
どれもレベルは40くらいはある魔石だろう。
俺は即座に鑑定。
その魔石を一つに集めて大きな魔石?核?
大きな塊に変えていた。
それを何個か作って、そのまま上空へ持ち上げる。
そのまま空中で制止。
30メートルくらいの高さだろうか。
その塊を覆うように岩が出来た。
ちょうど俺の家の大きさくらいの岩だと思う。
その上にアニムがジャンプして飛び乗った。
見ているうちにそのまま上空へ高く上がっていく。
・・・・・
・・・
雲の中に消えた。
しばらくすると、上空の赤い雲が一気に暗くなった。
巨大な積乱雲がいきなりできた感じだ。
横で見ていたルナがつぶやく。
「アニムのやつ・・なかなかやるな・・」
その雲のところから、アニム王がゆっくりと降りて来た。
・・天使か?
そう思うほどに夕日に映えていた。
地上へ到着すると、俺たちの方をみながら、
「まぁ、基本は完成したよ。
ルナ、山のところにダンジョンを作ってもらいたいのだが、頼めるだろうか」
「無論だ」
ルナも快く答えた。
山?
え、もう?
あの雲の上にそんな場所が出来上がってるのか?
二人で上空へ上がっていく。
俺もどうなってるのか見てみたいが、空を飛ぶ手段がない。
そんな俺を見ていて、ウルダが声をかけてくれた。
「テツも行ってみるか?」
俺は即答した。
「お願いします!!」
ウルダに運んでもらった。
かなりの速度で上昇していく。
シルビアも風魔法でゆっくりと上昇してきてるようだ。
すぐに雲の上に出るが、まだアニム王の作ったという街並みは見えてこない。
分厚い雲が切れて、太陽の赤い光が見えた。
その光に照らされて、下に緑の森と川、そして山。
山に囲まれるように人工物の街が見えた。
中世の作りのような感じに見えるが、木々などと見事に調和している。
とてもきれいな街だ。
ウルダに抱えてもらっているが、これって空中だよな。
そう思って、眼下に見える景色から視線を移動させると、遥か下に暗くなってきた俺たちの街のところの海が見える。
間違いない。
確かに空中にあるようだ。
その街にウルダが近づいて行ってくれた。
「テツ、あの白い塔の前に降りるぞ」
ウルダがそういうと、俺を丁寧に降ろしてくれた。
とりあえずウルダにお礼を言っておこう。
「ウルダさん、ありがとう」
ウルダは気にするなといいながら、街並みを見ていた。
「いい街だな・・・」
俺もそう思う。
まだ、誰も住んでないが、中心から放射状に広がっている。
道路もアスファルトなんかじゃない。
土のような石のような白い道ができている。
その道に沿って街並みが続いている。
俺たちのいる場所は、中心部だろうか。
白い大きな塔の横にいる。
それにアニム王の居城になるのだろうか・・。
塔の横にはいかにもお城という感じの建物がある。
パッと見には中世ヨーロッパの石造りの街並みだが、近代的な雰囲気も感じる。
それに反して、とても自然に優しい感じがする。
俺はフラフラと歩いてみた。
歩き心地もいい。
1つの建物に近づいて行ってみる。
ブーンといって、入り口が開く。
自動ドアのような感じだな。
見た目は重厚感のある木のような扉だが、スムーズに開く。
家の中は、ゲームなんかであるパブのような感じだ。
それを確認して、建物から出てくると、アニム王とルナがいた。
ウルダも少し離れたところから近寄って来た。
シルビアも到着したようだ。
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