どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

ボケ猫

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128 なんだ、あの集団は・・・

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俺もシルビアの方に振り返った。



呼吸を整えつつ、シルビアが追い付いてきた。

「ルナ様、すみません。

遅れてしまって・・・・」

「別に急ぐことはないのだ。

気にするな」

ルナはシルビアを気遣っているようだ。



「シルビア・・大丈夫か?

俺も少し急ぎ過ぎたかもしれない。

すまないな・・」

確かに、シルビアの移動速度を考えてなかった。

「べ、別に大丈夫だ。

少し速い移動だったので、不甲斐ない姿を見られてしまったな・・・」

シルビアは自嘲気味に語る。

その仕草もかわいいな・・・。



さて、気持ちを切り替えて辺りを索敵してみる。

やはり、レベルの高い魔物の反応はない。

俺がそうやって索敵をしていると、ルナとウルダが立ち止まった。

二人とも前を向いている。



「ルナさん・・どうしたのです?」

俺はウルダを見て、ルナの方を向きながら声をかけた。

ウルダが答える。

「・・テツ。

この星の住人で、テツほどのレベルは多く存在するのか?」

俺には何を言ってるのかわからなかったが、質問には答えた。

「・・いえ、いないと思います。

今の世界になって、まだ数日ですから・・・

私みたいに、特別な条件でもない限り、考えれないと思います」

移動しながらこの世界について、いろいろルナたちに話していた。



当然だろう。

俺はたまたまアニム王の支援の下、レベルの高い魔物を倒す機会があったのだ。

単独や普通の地球人では、近代兵器を用いても魔物の討伐などは無理だろう。

ミサイルのようなものであればわからないが、そもそも直接攻撃を仕掛けないもので、経験値が入るのかどうかわからない。



「・・・どうかしたのですか?」

俺は余計な思考を振り払って、ウルダに聞いた。

「・・いや、レベル的には20前後だと思うのだが、その集団というか、グループがこちらに向かってきている。

数的には・・・15人前後か・・・」



!!

15人!



15人前後も、レベル20辺りになった人がいるのか?

それはすごいな。



俺も注意深く索敵してみる。

・・・

なるほど・・確かに魔物とは違う反応だ。



レベル22が一番高いようだ。

後は15~20くらいで構成されている。

よくまとまってるな・・・。



お互いの距離が100メートルくらいになっただろうか・・。

向こうも気づいたみたいだ。



3人ほどが先行して距離を詰めてくる。

こちらはゆっくりと移動しだした。

お互いの顔が見れる距離まで接近した。

向こうの人が手を挙げて振ってくる。

こちらも手を挙げて振り返した。



先行している3人のは等間隔で広がり、俺たちに近寄って来た。



・・なるほど、いつでも戦闘できる位置だ。



「大丈夫ですか~?」



まずは様子見といったところだろうか、そう声をかけてきた。

俺も返事を返す。

「ありがとうございます。

大丈夫です。

あなたたちこそ、よくご無事で」



相手の男たちは、少し言葉を詰まらせた。

「・・え、ええ。

こちらから先、新宿方面はかなり危険ですよ」

そういいつつも、男たちの目線は、ルナたちにくぎ付けだ。



なるほど・・・。



地球人ではありえない美人だからな。

・・・ヴァンパイアだし・・・。



ルナたちは言葉を出すことなくジッと相手を見ている。

俺はすかさず片手で口を隠し、小声でウルダに言った。

「ウルダさん、あなたたちの種族は言わない方がいい」

俺がそういうと、ウルダが黙ってうなずいてくれた。

ルナも俺の顔が真剣になっているのを確認したのか、そのまま男たちを見ていた。

シルビアが心配だが、ルナたちの手前、大丈夫だろう。



男たちの一人が後ろに手を振った。

何かの合図だろう。

「あなたたちはどこへ行くつもりなのですか?」



後ろの方の集団が近づいてくる。

どうやら安全だという合図だったようだ。



「ええ、私たちは身内が心配なので、様子を見に行こうかと思っていたのです」

俺がそう答える。

「そうですか・・しかし、都心部は考えられないくらい強力な魔物がいますから・・・」

「ありがとうございます。

ですが、せっかくここまで来たものですから、行けるところまで行ってみます」

俺がそう言ってるうちに、後ろの集団がやってきた。





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